『ハイキュー!!』月島蛍はいかにしてブロックの要となった? 冷笑していた少年がガッツポーズを見せるまで

『ハイキュー!!』月島蛍はいかにしてブロックの要となった? 冷笑していた少年がガッツポーズを見せるまで

 バレーボールに青春をかける高校生たちを描く『ハイキュー!!』。今回ピックアップするのは、日向や影山の同期で、のちに烏野のブロックの要として活躍することになる月島蛍だ。

 烏野でチームイチの身長を誇るミドルブロッカー。しかし、その態度はどこか冷めたもので、日向にも「月島はバレーやりたいのかわかんねーもん」とさえ言われている。しかし、最終章ではVリーガーとしての道を選んだことが明らかにされた。

 月島がバレー選手となるとことを選ぶまでにはどのような道程があったのだろうか。

屈折したバレーへの想い

 「小さな巨人」を擁し、バレー強豪校だったかつての烏野高校でエースとして活躍する7歳年上の兄・明光に憧れていた月島は、その影響でバレーを始めた。しかし、こっそり試合を見に行った月島は、実は兄がエースどころか控えの選手でもなかったということを知ってしまう。

 毎日のようにバレーの話をして、「たかが部活」のことなのに、それが兄のすべてのように思い、結果的に兄を追い詰め、嘘をつかせた。それが小学生だった月島の心に影を落とすことになる。絶対に1番になれない。がんばってもいつかは必ず負ける。

 それでも、月島はバレーを辞めなかった。「たかが部活」と思いながらも、バレーへの気持ちを捨てきれずにいた月島は兄と同じ烏野高校に進学。そこで月島の人生を変える、バレーのことしか考えられないバレー馬鹿たちに出会うこととなる。

バレーが楽しくないのはへたくそだからじゃない?

 日向と影山に触発されるようにして、烏野のチームメイトたちはぐんぐんと成長していく。インターハイ予選で及川率いる青葉城西高校に負けてからは、それが顕著だ。夏に実施された、関東の強豪校との合宿で、烏野のメンバーは「自分たちはこの中で一番弱い」と自覚し、相手から吸収すべきことはたくさんあるとひたむきに練習試合に取り組んだ。

 しかし、その中で月島だけは変わらぬままだ。他校のコーチも、キャプテン陣も月島に「変化がない」ことに気付いていた。

 そんなとき、音駒高校のキャプテンであり、月島と同じミドルブロッカーである黒尾が自主練に誘う。

「君、MBならも少しブロック練習した方が良いんじゃない?」

 月島も相手を挑発して煽るタイプだが、黒尾も煽り上手である。冷めているように見えて、根が負けず嫌いな月島は、まんまと術中にはまり黒尾の自主練に付き合うことに。そして全国で5本指に入ると言われている梟谷学園のエース・木兎のスパイクを受けることになる。

 しかし実際にブロックせんと飛んだのは数本だけ。黒尾に日向と比べられ挑発されると、「日向と僕じゃ元の才能が違いますからね」と自分を卑下する。月島はそれまでにも何度か自分より日向のほうがセンスがあると認めるようなセリフを吐いたことがある(もちろん、ストレートには褒めないのだが……)。そんなふうに言う月島に黒尾は疑問を持つ。

「身長も頭脳も持ち合わせてるメガネ君が チビちゃんを対等どころか敵わない存在として見てるなんてさ」

 月島はバレーに対する熱い気持ちと裏腹に、一生懸命になってもどうにもならないとその気持ちにストッパーかけてしまい、心がバラバラだったのかもしれない。月島は、黒尾たちに聞く「どうしてそんなに必死にやるんですか? たかが部活に」。それに対して木兎は投げかける。

「バレーボール楽しい?」「(楽しくないのは)へたくそだからじゃない?」

 この一言が、月島が成長するきっかけのひとつなる。この時点でコミックが10巻まで進んでいることを考えると、月島の成長をいかに丁寧に描いているのかが分かる。

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