テレビアニメ化も決定! ピュアな犬くん&ツンデレな猫様と暮らす『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』

犬と猫と一緒に暮らす漫画家の日常

 犬派or猫派論争は、どれだけ時が経っても話題となる不滅のテーマ。筆者も実はずっと、自分は猫派だと思っていた。だが、行きつけの美容院に突然現れた看板犬と触れ合い始めて、考えが一変。白黒はっきりつけなくてもいいことが、この世にはあるのかもしれないと気づいた。

 目の前のことに全力投球で感情を爆発させる看板犬の姿は日々、達観した愛猫たちを目にしている筆者にとっては、とても新鮮でかわいいものだった。けれど、帰宅した後に愛猫たちからツンデレ攻撃を受けると、その雑な扱いにホっとする自分もいる。どちらがかわいいかなんて選べないなと、心の底から思った。

 松本氏のように、犬と猫の両方と暮らしている人は双方の魅力を知れるが、そうではない人は自分が暮らしたことがない動物に対して、愛情深いまなざしを向けることがなかなか難しいと思う。だから、そんな人にこそ、本作を手に取ってほしい。

 私たち人間は違う種族に優劣を下せるほどできた存在なんかじゃないし、大切なことはそこではないような気がする。「どちらがかわいく賢いか」よりも、双方の個性をどう受け止め、仲良く共生していくかのほうに目をもっと向けるべきなのではないだろうか。そのほうが自分自身もきっと楽しいし、動物もハッピーな気持ちになれるはず。飼い主も動物も傷つくだけのかわいい戦争には「どちらも等しくかわいい」の答えでピリオドを打ちたい。

 犬派や猫派にこだわらない人が増えること。それも動物に優しい社会をつくるためには、大切だ。そのためにも松本氏のドタバタな日常で泣き笑いし、それぞれの魅力を知ってみてほしい。

■古川諭香
1990年生まれ。岐阜県出身。主にwebメディアで活動するフリーライター。「ダ・ヴィンチニュース」で書評を執筆。猫に関する記事を多く執筆しており、『バズにゃん』(KADOKAWA)を共著。

■書籍情報
『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』(ワイドKC)既刊5巻
著者:松本ひで吉
出版社:講談社
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