『ハイキュー!!』烏野の守護神・西谷夕 プレーと背中で見せる器の大きさ

『ハイキュー!!』烏野の守護神・西谷夕

西谷に立ちはだかる壁 「怖い」という感覚

 西谷もパーフェクトなリベロではない。白鳥沢戦では白鳥沢の大砲、牛島のサウスポーに悩まされる。それでも、「慣れてみせた」。最もピンチだったのは春高2回戦、稲荷崎戦だろう。

 稲荷崎の宮侑にサーブで狙われる。攻略することができず、それが少しずつ西谷へのプレッシャーを大きくしていく。しかし、西谷は冷静に自分を分析していた。

 小さい頃はビビりだったと話す西谷は、宮侑のサーブのときに体が動かない。「怖い」と思うのは久しぶりで懐かしいと感じていた。しかし、「怖い」とただ恐れて、その正体がわからず終いではもったいない、と覚悟を決める。「怖い」を自覚した西谷は宮侑のサーブを見事にレシーブして見せる。

 「怖がることはもったいない」と考え、“怖い”に向かって行動できるのは簡単なことではない。「怖いもの知らず」という言葉があるが、西谷は「怖いものを知ろうとする」。怖いものを知るたびに、西谷はまだまだ強くなるだろう。

(文=ふくだりょうこ(@pukuryo))

■書籍情報
『ハイキュー!!』(ジャンプ・コミックス)既刊43巻
著者:古舘春一
出版社:株式会社 集英社
https://www.shonenjump.com/j/rensai/haikyu.html

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