『ハイキュー!!』烏野の守護神・西谷夕 プレーと背中で見せる器の大きさ

『ハイキュー!!』烏野の守護神・西谷夕 プレーと背中で見せる器の大きさ

 バレーボールに青春をかける高校生たちを描く『ハイキュー!!』。今回ピックアップするのは烏野高校の守護神・西谷夕。

 身長は160.5cm。ポジションはリベロ。中学総体ではベスト・リベロ賞も受賞しており、影山が入学するまでは「烏野高校唯一の天才」とも言われていた。

 そんな西谷は、東峰と同じく初回では登場していない。実は1カ月の部活禁止処分を受けており、顔を出せずにいたのだ。その裏には東峰への想い、そしてバレーに対する驚くほどポジティブなハートがあった。小柄だが、大きな存在感がある西谷夕の魅力に迫る。

レシーブがあるから繋がる――ボールへの執念

 リベロはいわゆるレシーブ専門のポジションだ。スパイクは打てないし、サーブも打たない。ただひたすらに拾い、次の攻撃へ繋ぐ。ボールを床に落としてはいけないバレーというスポーツにおいて、とても大切なポジションだ。

 東峰がブロックされ続けた試合でも、西谷は拾い続けた。試合には負け、「ブロックのフォローができなかった」と反省をする西谷。そんな西谷に向かって、東峰は感情をあらわにする。

「なんで責めない!?俺のせいで負けたんだろうが!!お前がいくら拾ったってスパイクが決まんなきゃ意味無いんだよ!!!」

そんな東峰に対して西谷は言い返す。

「俺が繋いだボールをアンタが勝手に諦めんなよ!!」

 全くである。しかし、自分にトスを上げたってどうせ決まらない……ブロックされ続けていた東峰の心は折れてしまっていた。諦めてしまっている東峰に怒る西谷。このときの言い争いをきっかけに東峰は部活に来なくなってしまう。西谷は、東峰に声をかけにいくが、教頭の前で言い争い、学校の備品を壊してしまう。1週間の自宅謹慎と1カ月の部活禁止。その間に入部してきたのが新入生・日向たちというわけだ。

 東峰が部活に戻ってきていないのなら、自分も戻らないと言い張る西谷。日向からレシーブを教えてほしいと言われたが、その意志は固かった。

 2人の復活は、東峰が戻ってきた烏野対町内会チームの練習試合だった。ブロックをされた東峰のスパイク。それをギリギリのところでレシーブをする西谷。壁に跳ね返されたボールも俺が繋いでみせる。

「だからもう一回 トスを呼んでくれ!エース!」

 東峰が復活のきっかけとなった一言だ。西谷は、いつのまにか1人で戦っているように感じ、追い詰められていた東峰を救い、後ろには自分たちがついていると証明してみせた。

 西谷と東峰は名前からして対になっている。西谷夕と東峰旭。西と東、谷と峰、夕と旭。『ハイキュー!!』では名前で繋がりがあるキャラクターは多いが(日向と影山、日向と月島など)、特に西谷と東峰の繋がりは強く感じられる。

 西谷の東峰に対する言葉には容赦がなかったし、西谷が強い敵を前に無口になっているときに声をかけたのは東峰だった。一度激しくぶつかりあったからこその信頼感があるのだろう。

お祭りタイプ、しかしプレースタイルは「静か」で「男前」

 騒がしく、田中と共にマネージャー・清水に猛アプローチをしては冷たくされている西谷。しかし、コートに入ると堂々としており、澤村も「プレーはびっくりするぐらい静か」と評している。

 特筆すべきは西谷がリベロである理由だ。リベロは花形のポジションではないけれど、試合中に一番盛り上がるのはスーパーレシーブだと言い切る西谷。スパイクができなくても、ブロックができなくてもボールが床に落ちさえしなければ、バレーボールは負けない。それが一番できるのはリベロである――。

 身長が2mあってもリベロをやる、という西谷はそれだけ信念とプライドを持ってリベロというポジションについていると言えるだろう。

 影山もそうだが、「天才」と呼ばれる人は、人一倍努力をする。部活禁止中も休むことなく、特訓に精を出していたし、苦手なオーバーでのレシーブの練習も怠らない。さらに他チームが、リベロがセットアップをすることで、チームの攻撃パターンに幅を持たせていたのを見て、セットアップも練習をした。攻撃の烏野にとって、西谷がセットアップができるようになったことは、ひとつ大きな進歩と言えるだろう。

 安定したレシーブ力だけでなく、西谷の器の大きさ、存在感はチームの精神的な支柱となっている。そして、何より“男前”なのである。男前なセリフも多い。春高の決勝・白鳥沢戦、ファイナルセットではチームメイトの体力がギリギリで足が重くなる中、華麗なレシーブを見せる。

「烏野には俺有りっスから!
でも俺にもできない事がある だから無理を承知で言います
太ももがはち切れようとも 空中戦は頼みます」

 仲間を鼓舞し、信頼していると伝える「言葉」。プレーで強さを見せ、言葉で背中を押す。最高のリベロであり、ムードメーカーだと言えるだろう。

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