哲学者・鷲田清一の人生と哲学をまとめた『二枚腰のすすめ』刊行

哲学者・鷲田清一『二枚腰のすすめ』刊行

 哲学者・鷲田清一の人生哲学をまとめた書籍『二枚腰のすすめ』が、6月10日(予定)に世界思想社より発売される。

 本書は、2013年1月から2019年7月まで読売新聞に掲載された「人生案内」の著者回答分から71編を厳選したもの。テーマ別に1章から9章まで配置し、見開き2ページで問いと答えが完結。すべての回答の土台となる自身の人生哲学を10章「二枚腰のすすめ」として書き下ろしている。

 著者の二枚腰の人生を描いた、はじめての自筆年譜と、今までに出した本すべてのリストを付録として掲載。年譜には、著者の貴重な写真や若い頃に書いた自筆の絵も収録されている。

 また、本書刊行を記念した対談を藤原辰史と行う予定だといい、対談はwebせかいしそう(https://web.sekaishisosha.jp/)にて公開されるという。

■鷲田清一(わしだ・きよかず)プロフィール

鷲田清一

1949年京都生まれ。お寺と花街の近くに生まれ、丸刈りの修行たちと、艶やかな身なりをした舞妓さんたちとに身近に接し、華麗と質素が反転する様を感じながら育つ。大学に入り、哲学の《二重性》や《両義性》に引き込まれ、哲学の道へ。医療や介護、教育の現場に哲学の思考をつなぐ「臨床哲学」を提唱・探求する、二枚腰で考える哲学者。2007~2011年大阪大学総長。2015~2019年京都市立芸術大学理事長・学長を歴任。せんだいメディアテーク館長、サントリー文化財団副理事長。朝日新聞「折々のことば」執筆者。
おもな著書に、『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『「聴く」ことの力』(ちくま学芸文庫、桑原武夫学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(角川選書、読売文学賞)、『くじけそうな時の臨床哲学クリニック』(ちくま学芸文庫)、『岐路の前にいる君たちに』(朝日出版社)。

■書籍情報
『二枚腰のすすめ』
著者・編者:鷲田清一
発行:世界思想社
発売:2020年6月10日
価格:本体1,700円(税別)
Webページ:https://sekaishisosha.jp/book/b509853.html

■目次・とりあげる71の悩み
はじめに
1 恋愛未満
一度も彼女できず寂しい/彼氏いる女性を好きになってしまった/好みでない人にモテる/「役者」の夢追う彼女に反対/孤独な男性 気づけば50代/70代男性、顔悪くモテない
2 からっぽ
劣等感がない高3女子/生きる意味見失う大学生/28歳独身 生きる目標ない/寂しくて男性求める日々/40代会社員 友人なく疎外感/不器用で取りえなし 老後心配/愛犬の死から立ち直れない
3 もやもや
友人の推薦合格に動揺/悩み吐き出せず孤独感/笑顔でいることが苦手/恵まれた友人らに嫉妬心/成績不振 娘ふたりにモヤモヤ/高卒の学歴に悩む/息子が元夫との暮らし望む
4 加減がわからない
高校進学友だちつくれるか不安/高校の友人4人が無視/きまじめな性格直したい/新社会人人間関係が不安/職場の昼休みの雑談が苦痛/職場への感謝どう伝える/後輩に厳しくできない/社内で不正見つけてしまった/夫の友人らになじめず/ケチな祖父が孤独に/50代一人娘寺との関係どうする/友人から便りの返事がない
5 踏ん切りがつかない
留学するか進路で悩む/やりたい仕事次々と変わる/価値観違う父との同居/マンガ家の夢捨てきれない/店を始めたい50代主婦/介護で終わる人生むなしい
6 ソリがあわない
家族どっぷりの夫息苦しい/ぐうたら夫に腹が立つ/一言余計な50代の夫/テレビの好み異なる妻/人に迷惑反省しない娘/自分勝手で幼稚な夫/長引く夫との冷戦状態/亡き夫の暴言今も腹立つ
7 のしかかるものが重い
小6女子母が介護で苦労/いやなことを平気で言う父/浪人生活に後ろめたさ/仕事辞めた弟家族に暴言/ご都合主義の父が苦手/90歳近い父意見に耳貸さず/母の急死に責任感じる/義姉の死自分責める
8 納得できない
パソコン理解できず苦悩/周囲の「なあなあ」許せない/日本の将来不安な14歳/高校担任から暴力恨み消えず/自分の子に「ちゃん」付けは変/弟が社長の会社残るべきか/人に迷惑かけず生きられるか/貧相と言われ落ち込む/元自治会長から差別発言
9 負のループ
暗い性格どうにかしたい/受験も進級も失敗将来不安/就活がうまくいかない/両親がいる家を出たい/ラーメン店心遣い断りたい/40代男性自営業続けるべきか/どう考えていきていくか/優柔不断 決めてもすぐ後悔
10 二枚腰のすすめ
年譜 鷲田清一
これまでに書いた本すべて

 

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