パートナーとの関係に一般化できる“トリセツ”などないーー細川貂々×水島広子『夫婦・パートナー関係もそれでいい。』評

パートナーとの関係にトリセツはあるのか?

 “夫婦”や“パートナー”という言葉とは縁遠いと思う人も、「パートナーがいなくても」という最終章は読んでほしい。

 「パートナーがいないと寂しい?」や「結婚マウンティングの社会」等、普段生活していて肌で感じている世論が言語化され、話し合われ、専門家の意見を含めた考えがまとめられている。

 今作はパートナーがいる人のために向けたものではなく、社会に生きるすべての人に向けた作品であるからだ。異性でも同性でも、ペットでも物でも、自分自身でも、自分がパートナーとするならばすべてなりうるのだと締めくくられる。

 今は「夫が嫌い」それでもいい。パートナー関係をもっと良くしたい、もっと自由に楽しく考えたい、そう感じられる希望の一冊である。

(文=菊池彩)

■書籍情報
『夫婦・パートナー関係もそれでいい。』
著者:細川貂々/水島広子
出版社:株式会社 創元社
発売日:12月17日
価格:1,320円(税込)

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