幻の傑作ミステリ小説『毒殺倶楽部』、鮎川哲也賞受賞から13年を経て本日発売へ
鮎川哲也賞佳作を受賞しながら、13年ものあいだ世に出ていなかった傑作ミステリ『毒殺倶楽部』(朝日新聞出版)が本日10月7日に発売される。
第16回鮎川哲也賞では、受賞者は麻見和史氏、佳作同時受賞者は似鳥鶏氏と、日本ミステリをけん引する作家たちを輩出しているが、同作は佳作の栄冠を得ながらも刊行されることなく“幻の受賞作”として眠っていた。
『毒殺倶楽部』あらすじ
大学同期の山下香織と高野祐司は、サークルOB会の帰宅途中、道端で車に轢かれた遺体を発見する。殺されたのは『毒殺俱楽部』をいう小説でデビューした柏原壮という作家だった。単なるひき逃げ事件と思われていたところ、柏原はデビュー作の登場人物たちに殺されたのではないかという噂が広がり始める。小説『毒殺俱楽部』は、毒に魅せられた5人のメンバーが定期的に集い、毒殺をテーマにした物語を披露していくというもの。そして、そこで語られた殺害方法と、柏原の死亡状況が酷似しているというのだ。半信半疑に思っていた香織だが、毒殺俱楽部のメンバーと接触を図っていた祐司が突然行方をくらましてしまい……。作中作中作という多重世界を舞台に、現実と虚構が交錯する、逆転につぐ逆転のラビリンスとなっている。
■書籍情報
『毒殺倶楽部』
発売:2019年10月7日
定価:740円+税
発行/発売:朝日新聞出版
公式サイト:https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21412