a flood of circle「行けるところまで行くって決めてる」 “約束の年”へ向けて鳴らす、剥き出しのロック

ライブ内では、今年秋に新たなアルバムをリリースすることも発表された。こうして作品を出し続けることを、佐々木は「俺にはこれだけってわかってるから」「やりまくって、『どう?』って言ってるだけなんです」と語り、「俺は行けるところまで行くって決めてるから。まだまだ行くし」「これでいいってこと、証明してるだけなんで」と続ける。そして、進み続けることを示すように「虫けらの詩」が届けられ、ラストの「屋根の上のハレルヤ」へと繋がっていった。〈ハレルヤ 俺たちが歌うから 今夜 ひとりじゃない〉というフレーズが会場に響きわたる。憧れや理想には遠く、簡単には変われず、虚無感を抱くこと。そんなことも少なくない人生に、a flood of circleの音楽は救いになるのではないだろうか。この曲にも、どんな人たちもありのままに受け入れてくれるような、あたたかさがあった。

アンコールでは、ライブ翌日に配信リリースされた「KILLER KILLER」の初披露に続き、「花」と「月夜の道を俺が行く」が演奏された。今年9月からは、今までリリースしてきた楽曲を8公演に分けてすべて演奏するツアー『レトロスペクティヴ 2025』がスタートする。11月9日には、新宿歌舞伎町にてアルバムリリースを記念したフリーライブを開催。それが終われば、「ゴールド・ディガーズ」で歌われている約束の年がやってくる。
実現するかはまだわからないという。だが、バンドは着実にそこに向かっている――。この日、剥き出しの感情を演奏に乗せてがむしゃらに音楽を届けていくa flood of circleを見ながら、そう思った。


























