Travis Japan、7人が射抜くアイドルの本質 ツアー『's travelers』の旅で証明するショーマンとしての矜持

Travis Japanのライブツアー『Travis Japan Concert Tour 2026 's travelers』が、幕を開けた。昨年11月にリリースした3rdアルバム『's travelers』を携えた今回のツアーは、5月末まで続き、8都市30公演が予定されている。本稿では1月4日に行われた神奈川県・横浜アリーナ公演の初日公演をレポートし、振り返る。なお、演出内容や楽曲に触れるため、ツアー中のネタバレを避けたい方はご注意を。
未知の作品を待ちわびる空気感で満たされた会場。ステージには、SF映画に飛び込んだような世界観の煌びやかなセットが組まれている。開演の時間になるとテーマパークのようなアナウンスが流れ、オープニング映像へ。タイムマシンに搭載されたAI・トラベリーと、操縦補助のロボット・TJ-07のかわいらしいやり取りがさらに期待を煽る。タイムマシンを動かすためのコードワードを客席のファンに求め、会場中の「賛成!」の声でタイムマシンが飛び立つ――。するとスクリーンが開き、ステージの上空に7人を乗せた苺型のタイムマシンが登場。度肝を抜く幕開けに、会場は驚きの声と喜びの歓声に包まれた。
開幕は「GRAVITATE」から。シルバーのジャケットやSF感のあるファッショングラスというインパクトのある衣装、アタックの強いボーカルとハーモニーワーク、壮大なサウンドがワクワクする心を盛り上げていく。タイムマシンはアリーナ中央の上空を進み、センターステージに上陸するという大迫力のオープニングだ。円形のセンターステージに降り立つと、ジャケットを脱ぎ捨てシルバーのスーツ姿で「Disco Baby」を披露。会場をダンスフロアに変えると、その後も自己紹介ソングの「Unique Tigers」や「LEVEL UP」など、ステージの外周や花道をまわりつつ、コールアンドレスポンスと美しく揃ったダンスで会場の隅から隅まで盛り上げていく。
続くブロックでは「50's BROADWAY」というテーマが掲げられ、メンバーは黒のスーツで再登場。「Welcome To Our Show Tonight」は、一人ひとりの伸びやかなボーカル、しなやかなステップ、ショーマンとしての華やかさ……と、Travis Japanの特徴と7人それぞれの存在感を示していたのが印象深い。夢の舞台に立ち続けている7人が醸し出せる煌めきにあふれている。イントロが流れると悲鳴のような歓声があがった「Till The Dawn」では、光るスタンドマイクを使ってロマンチックなボーカルワークで魅せていく。「Swing My Way」はタップダンスバージョンでのパフォーマンス。ハットをかぶり、軽快にタップを打ち鳴らし、楽曲にまた新たな魅力を吹き込んでいく。世代を超えて愛される息ぴったりのクラシカルなダンスは、Travis Japanの大きな魅力のひとつと言えるだろう。
ユニット曲ではまた一味違うアプローチで、アイドルらしさを発揮していく。吉澤閑也と松田元太による「「幸せ」と「ありがとう」」は、それぞれの声と表現力を際立たせ、オートチューンとの相性も抜群なハーモニーで新しい魅力を垣間見せた。言葉を一つひとつ紡ぐように歌うふたりの姿からは、ボーカリストとしてのたしかな力を感じる。続く宮近海斗、中村海人、松倉海斗の「ポジティブカイト」では、ゲーム風の映像を背景にカラフルな衣装でコミカルな表情を取り入れつつ、全力で走り、踊り、会場を笑顔に変えていく。観る者を元気にする――そんなアイドルの本質を示したようなステージだった。セルフィーカメラを使って遠くの席の観客にも表情で楽しませる工夫が嬉しい「Precious」、カラフルな衣装ときっちり揃ったダンスのバランスが心地好い「Say I do」と、バラエティに富んだセットリストが続く。ユーロビート曲「O-Shan-Tee」は、喜びの声があがった待望の一曲。どうしたってテンションが上がるビートと、客席が一体となった振り付けと合いの手で、最高潮の熱気に包まれたまま、前半のブロックは終了した。

MCコーナーでは、7人のリラックスしたトークが繰り広げられる。二手に分かれて衣装チェンジをすると、松倉が赤いアコースティックギターを抱えて登場。昨年のワールドツアーでパフォーマンスしたという「Okie Dokie!」のアコースティックバージョンをお披露目した。「この曲は、みんな本当に大好き」と口々に語られたが、松倉の温かみのあるギターが加わることで、愛される名曲がまた新たな味わいに変化。Travis Japanのハッピーな空気を体現する優しい時間だったように思う。
古い映画フィルムの中にいるような演出の「Forever Blue」は、川島の振り付けたコンテンポラリーダンスが魅力。ロマンチックでたおやかな動きが美しい。続く「Maybe」は、椅子を使った演出が幻想的。七五三掛龍也と川島如恵留のユニット曲「ねぇ、キスして」では、黒いレースリボンで目隠しをしたり、シアー素材のベールを巧みに使ってセクシーで神秘的な世界を繰り広げ、会場を熱狂させた。
幕間映像では、客席がひとつになってペンライトを光らせる場面も。コンセプトに沿った世界観に引き込みファンを物語の一部としつつ、盛り上がるポイントがきっちり押さえられ心地好く時間が進んでいく。そして、コンサートは終盤へ――。
最終ブロックのテーマ「XX's FUTURE」がレーザーでスクリーンに刻まれ、「My Bestie」へ。回転する円形ステージの複雑な動きと、細やかな7人のダンス、レーザーライトが彼らに絡みつく演出と、Travis Japanが一つの生命体として輝いているように見えた。さらに力強いベース音に合わせたステップや、スクリーンに映し出される映像もスタイリッシュな「Backup Plan」、ホログラムのようなエフェクトがかかった映像と細やかなダンスで芸術性の高さを見せた「Be Your Shadow」と、高度なダンスナンバーが続く。

ハードなサウンドに合わせたダンスで会場の温度を上げた「Go Dummy」に続いて、煙や火薬、スクリーンの映像とさまざまなギミックと連動した「Diamonds」では、聴いている者の胸に響くビートを7人が奏でているような感覚になった。そして、注目の楽曲「踊らなきゃ損」が最後に会場のテンションをもう一段階上げる。にぎやかで楽しいサウンドに、キャッチ―な振り付けで客席が沸き立つなか、最後は川島の台宙と見どころ満載だ。
「最後、目一杯声出して歌いましょう!」と呼びかけて始まった本編最後の一曲「Teenage Dream」。センターステージに再び登場した苺型のタイムマシンに乗り込み、メインステージへと移動しながら歌われた。〈笑ってこう!〉〈踏み出そう!〉〈楽しもう!〉と繰り返すTravis Japanらしい前向きでハッピーなメッセージは、会場中を笑顔にしてエンディングを飾った。
アンコールでは、日替わりで撮影可能コーナーが設けられ、この日は「Disco Baby」が披露された。さらに、シングル曲の「Would You Like One?」を始めとした人気曲でスタンドへ上がり、観客の近くでファンサービスを繰り広げる。会場の隅々まで笑顔を届け、熱狂の渦が巻き起こるなか、ライブは無事終了した。
毎年違うメンバーがプロデューサーを務めるというシステムは、それぞれ個性や「やってみたいこと」を打ち出しながらも、7人のグループとしてのさらなる成長や進化が求められる。彼らはそんな期待に応え続け、ダンスやボーカルのクオリティにはさらなる磨きがかかっているし、こだわりの詰まったクリエイティブなステージは、アーティスティックであり、スター性にも満ちていた。そして、それと同時に、観る者を幸せにするアイドルの本質、ショーマンとしての矜持を感じさせる一面も輝きが増していた。空飛ぶタイムマシン、会場中央の回転する円形ステージ、外周、花道、スタンドトロッコまで、ファンはどこにいても彼らを近くに感じられる。そんな工夫も含めて、Travis Japanのライブ特有の幸福感は、健在どころか、年々増しているようにも思えた。約半年間にわたってツアーは続いていくが、この旅を終えたTravis Japanはどんな変化を見せてくれるのか――。早くも彼らのこれからが楽しみになったステージだった。





















