ナオト・インティライミが真摯に伝えたファンへの感謝 オマットゥリ封印! 15周年ラストを飾る特別な一夜

ナオト・インティライミ、特別なステージ

 15周年記念アルバム『REBOOT』のリリース日・2月4日に東京国際フォーラム・ホールAで開催された『ナオト・インティライミ15th Anniversary Special Live “REBOOT”』。お馴染みの曲に新たなアレンジを施したREBOOT ver.やレア曲の数々を届けながら、15年間の軌跡をじっくり辿るライブだった。チケットは即日完売。5,000人のファンが全国から集まったこの公演の模様をレポートする。

 開演を告げたバンダインティライミの華やかな演奏が、軽やかな足取りでステージに現れたナオトの指揮によってピタリとストップ。そして、彼が手にしたアコースティックギターからパーカッシブなサウンドが放たれた後、バンドが合流。1曲目「アカルイミライ」がスタートした。温かなサウンドが会場の隅々にまで広がっていく。屋内なのに柔らかな陽の光が降り注ぐようなこの感じは、彼のライブに足を運ぶ度に噛み締める不思議な心地よさだ。続いて披露された「アレコレ」と「たいせつな」も、大自然と優しい風に包まれながら深呼吸をしたかのようなひと時だった。

 そして迎えた最初のMCでは「15周年スペシャルライブにようこそ! ありがたくも5,000人超満員、ソールドアウトです!」と感謝し、生配信で視聴している人々にも挨拶。「15周年、いつまでやっとんねん! 今日を以て私は15周年を卒業します!」と言って観客を笑わせたナオト。そして、サッカーでの活躍で話題となった近況にも触れた後、今回のバンドがバイオリンとチェロを含む編成であることに言及した。バンダインティライミにストリングスが加わるのは初。ストリングを入れたライブを2020年4月に開催予定だった10周年記念イベントでも計画していたが、新型コロナウィルスの影響で実現できなかったのだという。様々な話題が盛り込まれたMCタイムだったが、「今日はオマットゥリ封印で!」という宣言も飛び出したので、観客はどよめいていた。「楽曲と歌にフォーカスして楽しんでいただけたらと。初めてライブでやる曲も結構あります。次の曲がまさにそう。冬にライブをやることになって、早めにラインナップに入りました」という説明を経てスタートしたのは「冬枯れのボレロ」。冬の澄んだ空気の中で感じる温もりのようなメロディを観客はうっとりとした表情で受け止めていた。

 多彩な選曲で15年間の軌跡をじっくり辿ったこのライブ。「Beautiful」と「AAO」に続いて披露された「ボクハキミガ」もレア曲だった。ライブでやったのは、8年前の大阪城ホール公演のみなのだという。この曲がカップリングだった8thシングルの表題曲「愛してた(REBOOT ver.)」も続いて届けられたので、リリースされた2012年頃の記憶をよみがえらせた人もいたのではないか。 そして、「君に逢いたかった(REBOOT ver.)」、美メロを瑞々しく浮き彫りにするストリングスのアレンジを施した「今のキミを忘れない(strings ver.)」も披露されてから迎えたMC。観客は着席したのだが……「ライブ会場って再会できる場だから嬉しいよね。そう考えたらライブ会場って同窓会。同窓会?」とナオトが言ったのを合図に「同窓会」がいきなりスタート。観客は慌てて立ち上がり、乾杯をするかのように腕を一斉に掲げた。賑やかな同窓会の様子が想像できる歌を届けながら、ステージ上を軽やかに巡るナオトがとても楽しそう。ミュージカルの一場面を彷彿とさせるストーリー性をじっくり味わうことができた。

 「やっぱり面と向かって報告しなきゃいけない。この度、私、コロンビアのレーベルと契約しました。すぐにとんとん拍子で上手くいったわけではなくて、9年かけてようやくスタート地点に立てるという。この人生で培ってきた栄養を今こそ放つ時だなと。ここからが人生の本番、そろそろ本気を出そうかなと思ってます。たくさん曲もできてます。今年の春からリリースしていきます。世界と戦ってきます!」――コロンビアのレーベルから作品をリリースすることになった旨を改めて報告してから披露された「La cancion de un hombre enamorado」と「トリステーザ」は、ナオトのルーツにあるラテンミュージックへの敬愛で溢れた2曲。今後、コロンビアのレーベルからリリースする新曲たちも至福のメロディとグルーヴが躍動するのだろう。

 海外の人々が笑顔を浮かべて踊っている様を想像すると、とても嬉しい気持になった。そして、その後に披露されたメドレーにもぜひ触れておきたい。「むむっ、様子がおかしいぞ? この曲のサビ、意外と美メロだぞ」となる旨を予告してからスタートしたが、その言葉の意味が終盤でよくわかった。ピアノ、アコースティックギター、ストリングスで彩るアレンジが自然に想像できる「同じ空」「TOWA」「この手の中に」に続いて届けられた「起志快晴」は、原曲では元気よく飛び跳ねたくなるサウンドだが、温かなメロディを丁寧に浮き彫りにするサウンドアレンジも抜群に似合っていた。また、「Brand new day」も新鮮な装いだった。2階席/1階席、上手側/下手側など、チーム分けされた観客の歌声が響かせる様々なハーモニーも楽しんでいたナオト。大胆なアレンジで新しい角度からの光を浴びたメロディが喜んでいるようにも感じた。

 再び迎えたMCで、紛争が絶えない世の中が他人事ではないと語ったナオト。目の前にいる人を大切にすることが、世界の平和に繋がっているのではないか? 恋人との艶めかしいあれこれを描きつつも、根底にはそんな想いを込めたのだという「DON-PACHI」も初のライブでの披露となった。続いて、「Brave(REBOOT ver.)」と「タカラモノ~この声がなくなるまで~(REBOOT ver.)」も届けられ、瑞々しいムードで満たされた会場内。そして、今日のためにバラード ver.のサウンドアレンジを用意したのだという「ユニーク」が本編を締めくくった。ピアノ伴奏と歌からスタートしてストリングスが合流。豊かなハーモニーが一気に開花した。終盤で観客から届けられた歌声を心の底から愛しそうに受け止めていたナオト。「15周年、みんなありがとう!」という言葉と共にエンディングを迎えた時、彼の幸せそうな笑顔がステージ上で眩しいくらいに輝いていた。

 アンコールを求める手拍子に応えて、バンドメンバーたちと一緒にステージに戻ってきたナオトは、15周年記念アルバム『REBOOT』の制作を振り返った。もともとのサウンドアレンジをどこまで踏襲し、どこまで新しい要素を加えるのか? 原曲の歌のニュアンスをどこまで活かし、どこまで新たな表現を交えるのが適切なのか? バランス、匙加減が、大きな課題だったのだという。「どうやってそのラインを引いて、折り合いをつけることができたのかといえば、それはみんなの日頃のライブのアンケートだったの。『この曲のここのアレンジは、オリジナルをもとにやってね。でも、ここは変えていいよ』というのをアンケートで読んできたからね。リブートアルバムの変えていいラインとの折り合いをどうつけていったのかといえば、それはみんなの声。孤独な作業だったけど孤独じゃなかったのは、あなたの声があったから。あなたと作ったの。15年間のみんなのアンケートの蓄積で一緒に判断して一緒に創り上げるなんて、本当に奇跡的なことだと思います。いつもあなたの声を届けてくれて本当にありがとう。そして一緒に……………一緒にこのアルバムを創ってくれてありがとう」――最後に詰まらせた声は、想いを膨大に溢れ返らせていた。そして、「そんなあなたへの感謝の想いを目一杯詰め込んで最後、この曲に託して」という言葉を添えた「つもり」がラストを飾った。アコースティックギターを爪弾きながら響かせる歌声を受け止めた観客の心の震えが、自ずと周囲から伝わってくる。バンドメンバーたちの演奏も加わり、一際の温もりを帯びたサウンドが躍動する空間に身を置くのは、とても幸福な体験だった。

 「15周年ありがとう。このまま終わっちゃうのもったいないなあと思うけれど、一夜限りだからこそ価値があって、心の奥の方にしまっておける。そんな特別な夜になりました。どうもありがとうございました!」と観客に呼びかけた後、7月10日に『ナオトの日2026』を大阪のフェスティバルホールで開催することを発表。そして、改めて紹介したバンダインティライミのメンバーたち――波田野哲也(Drums)、木内友軌(Syncmaster)、鈴木渉(Bass)、ミトカツユキ(Keyboards)、JUON(Guitar)、吉田翔平(Violin)、林田順平(Cero)が大きな拍手を浴びた。「大変申し遅れました。日出ずる国のオマットゥリ男、ナオト・インティライミでした!」と挨拶をして、ステージの隅々までを巡りながら客席の各エリアに向かって何度も手を振ったナオト。鳴り響く「カーニバる↑?」に合わせてタオルを振り回しながら歌って踊る人々は元気いっぱい。ナオトと観客の間で交わされた明るいエネルギーは、ライブのエンディングでも「インティライミ(太陽の祭り)」を創り上げていた。

■リリース情報
New Album『REBOOT』
発売日: 2026年2月4日(水)
販売:https://naoto.lnk.to/Reboot_CD

・初回限定ファンクラブ盤(CD+Blu-ray)
価格:9,200円(税込)
・初回限定ファンクラブ盤(CD+DVD)
価格:9,200円(税込)
・通常盤
価格:3,200円(税込)

<CD収録曲>
01.「タカラモノ~この声がなくなるまで~(REBOOT ver.)」
02.「ありったけのLove Song(REBOOT ver.)」
03.「恋する季節(REBOOT ver.)」
04.「Brave(REBOOT ver.)」
05.「いつかきっと(REBOOT ver.)」
06.「君に逢いたかった(REBOOT ver.)」
07.「今のキミを忘れない(REBOOT ver.)」
08.「愛してた(REBOOT ver.)」

<Blu-ray / DVD収録曲>
「15TH ANNIVERSARY ナオト・インティライミ LIVE TOUR 2025」(2025年8月3日大阪・オリックス劇場より)
01.テキナビート
02.LIFE
03.恋する季節
04.夢のありか
05.ユニーク
06.君に逢いたかった
07.タカラモノ~この声がなくなるまで~
08.ありったけのLove Song
09.Believer
10.Dreammaker
11.セーフティーゾーン
12.With
13.Start to Rain
14.FUNTIME
15.Yeah!
16.マワセ マワセ
17.ナイテタッテ
18.The World is ours!
19.カーニバる↑?
En1.今のキミを忘れない
En2.Shake! Shake! Shake!

Official HP:https://www.nananaoto.com/
X:https://x.com/naotointiraymi
Instagram:https://www.instagram.com/naotointiraymi_710/
TikTok:https://www.tiktok.com/@naotointiraymi
UNIVERSAL MUSIC HP:https://www.universal-music.co.jp/naoto-inti-raymi/

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