初めて観たtimeleszの姿、8人が立ったドームの熱量 「このメンバーを選んで本当によかった」――佐藤勝利の言葉の真意に触れて

2月5日、東京ドーム。私は初めてtimeleszのライブを目の当たりにした。もちろん彼らの存在は知っていたし、Netflixで全世界独占配信され一大ブームとなった『timelesz project -AUDITION-』(Netflix)で新たなメンバーを見つけ、8人で歩みを始めたことも知っていた。しかし、普段バンドのライブを観ることが多い自分にとって、アイドルグループのライブは少しハードルが高く、なかなか観る機会がなかった。そんな状況で彼らのドームツアー『We're timelesz LIVE TOUR 2025-2026 episode 1 FAM DOME』のファイナル公演を目の当たりにしたわけである。そこには、timeleszの音楽に対する想い、そしてそんな彼らを見守るsecondz(ファンの呼称)の熱量を肌で感じ、胸が高鳴る自分がいた――。
開演前から、東京ドームに轟くtimeleszコール。secondzたちは、8色に輝くペンライトを振りながらライブのキックオフを待っている。会場が暗転し、オープニング映像が流れると会場のボルテージはさらに上昇。「これがtimeleszのライブの雰囲気か」と呆気に取られていると、ステージに8人がゆっくりせり上がってきた。「ラストぶっ放していくぞ!」という菊池風磨の発声に大歓声が起きるなか、スタートした「Rock this Party」。8人となった新生timeleszにとって初の楽曲でライブの火蓋は切って落とされた。8人とともに歌うsecondzの声から感じるのは、幸福感。1曲目から温かい空気が会場を包み込んでいる。原嘉孝の熱いパフォーマンスに目を奪われると、菊池と寺西拓人が背中合わせになって、歌い、歓声が沸き起こる。ここから彼らはフルスロットルでライブを展開していく。
続く「Do Me Do Me」、「Freak your body」でメンバーがメインステージからセンターステージへと移動すると、会場の熱気はさらに上昇。松島聡のヘソチラに黄色い歓声が起こる。さすがはトップアイドルだ、たったひとつの所作でここまで会場を沸かすことができるなんて――。勢いは止まることを知らず、彼は一級品のパフォーマンスを魅せ続けている。「Countdown」では、リフターに乗ったメンバーがひとことずつ挨拶をしたが、その挨拶もまた、普段バンドのライブを観る私にとっては新鮮な言葉の羅列だった。佐藤勝利が「timelesz初ドームツアー最高に盛り上がっていこうぜ!」と煽れば、橋本将生が「誰よりも俺がいちばん盛り上がるぞ!」と決意表明。原が“ちゃぼすコール”を求めれば、会場に轟く「ちゃぼす!」の声。一瞬で一体感が増していく会場で、彼らの一挙手一投足から目が離せなくなっている自分に気づく。菊池の「俺たちがドームに立ってんぞ!」の言葉にはグッときた。彼らはこの一年間、茨の道を歩んできたことだろう。その茨の道を駆け抜け、たどり着いた東京ドーム。続く「We’re timelesz」で魅せるメンバーへの信頼と個性溢れるラップパート、そんな彼らにsecondzはあたたかい視線と掛け声を送る。
幸福感が溢れる東京ドーム、幕間の時間が訪れると、スクリーンには、『timelesz project -AUDITION-』の軌跡をたどる映像が流れる。8人体制になるまでの日々、さまざまな思い出が想起される映像は、きっと涙なしでは語れないたくさんのドラマがあったのだと思う。寺西、原、橋本、猪俣周杜、篠塚大輝の5人とともに歩みを進めることになったtimeleszは、「夢、全部叶えるぞ」と菊池の言葉通り、始動開始一年で東京ドームの夢を叶えた。それだけでも素晴らしいことだと思うが、続く「Anthem -episode 1-」を聴いて思う。彼らはこの一年間で数多の経験をして、確実に強くなったのだ、と。特に、新メンバー5人の表情が『timelesz project -AUDITION-』の時とまったく異なる。ひとりのアイドルとして、ひとりのアーティストとして、歌唱もダンスもスキルを上げ続けた彼らの努力と成長は、アイドルに明るくない私にも伝わってくる。真摯に音楽に向き合う彼らのパフォーマンスに胸を打たれながら、ジェットコースターのように展開されるライブに寄り添う。たくさんの音とビートが刻まれる「New phase」、ポップで煌びやかな「人生遊戯」……多彩な音楽性も彼らの魅力だ。自然に体が揺れるサウンドの数々に酔いしれながら、佐藤が猪俣へバックハグする姿や〈ポップでキュートな夢見て〉(「キャラメルドリーム」)とsecondzとともに歌う姿を見てニヤニヤしたり、ステージ上の彼らも表情豊かだが、記者席で彼らを観る私自身もおそらく表情豊かだったと思う。それほどまでに彼らのパフォーマンスはバラエティに富んでおり、かっこいいもかわいいもセクシーも男らしさも、すべてを兼ね添えているのだ。「THE FINEST」では、8つのスタンドマイクとピンスポット、ベースの低音が鳴り響くなか、彼らは丁寧に歌う。8人のエンターテイナーが、東京ドームにいる全員を魅了しているのだ。

MCの時間が訪れると、私の知っている(=バラエティ番組で見せる)彼らの表情がそこにはあった。松島が「今日始まる前のtimeleszコール、嬉しかったね」と笑顔で話すと、菊池は「ハンパじゃない一日にしましょうよ」と会場を煽る。ここから8人は仲睦まじく、トークを繰り広げるわけだが、2月5日は新体制一周年の日。メンバーそれぞれがこの一年間を振り返る。〈君に出会えてよかった/今なら/言えそうなそんな気分〉と「Rock this Party」のワンフレーズを8人で歌ったあとに、それぞれがtimeleszの好きなところを発表するゲームが突如発生。和やかなムードが続くなか、佐藤が「このメンバーを選んで本当によかった」と素直な気持ちを吐露する。この言葉がすべてのような気がした。その証拠にステージ上の8人が、この東京ドームという空間にいるすべての人間のなかでいちばん楽しそうなのだ。信頼できる仲間と最高なコミュニケーションを楽しむと、4月にニューアルバム『MOMENTUM』を発売すること、そして5月から新たなアリーナツアーがスタートすることを発表した。わちゃわちゃした雰囲気で発売と開催を喜ぶと、timeleszの兄貴分・シソンヌの長谷川忍とtimeleszのメンバーが登場するテレビショッピング風のグッズ紹介映像が流れる。コントもそつなくこなす彼らに感心していると、ライブは中盤戦に突入していた――。
「名脇役」、「かりそめの言葉」と2曲続けて切ないバラードを投下すると、会場にはそれまでとは異なる空気が流れる。語りかけるように歌う8人は、会場全体を見渡しながら丁寧にパフォーマンスを続けている。センターステージに戻るとレーザーの演出のなか、「Limited Nights」が始まった。会場の熱気がさらに上昇すると、ライブはInterコーナーへ流れ込む。佐藤がアコースティックギターを弾き、寺西が華麗に踊れば、続くは猪俣のスプレーアート、そして橋本がステージ上で肉を焼いている。そこに松島が参戦し、松島、橋本のふたりが無音のなかで息の合ったダンスで会場を沸かせると、菊池と原がオリジナルのラップでスキルフルなフロウを魅せつける。そして、トリの篠塚が水の早飲みのタイムアタック。結果は3秒60とドームツアー中2位の結果だったが、彼の満足そうな表情が妙に癖になってしまった。8人のバラエティに富んだ個性が集約されたInterコーナーを終えると、ロマンテックな「Purple Rain」、そして個人的にいちばん聴きたいと思っていた「本音と建前」とライブは展開されていく。椎名林檎が提供した「本音と建前」は、リリース当初から個人的にも何度か聴いていた手前、〈さあおいで胸の裡を透き通すくらい近付いて〉と流れた瞬間、胸が高鳴った。椅子を駆使したセクシーなダンス、そしてジャジーなサウンドは音楽好きをも魅了する洒脱なアレンジ。センターステージに移動する8人のオーラに圧倒されると、火花が大きく上がる演出のなか「革命のDancin' night」、そしてSexy Zone時代の名曲のマッシュアップメドレーに突入。「NOT FOUND」「ROCK THA TOWN」「Cream」「King & Queen & Joker」「Sexy Summerに雪が降る」「Lady ダイヤモンド」「最後の笑顔」を披露。会場の盛り上がりが最高潮に達したところで、新体制一周年を迎えた今のメンバーの思いが語られた。
それぞれ、感謝の気持ち、そしてメンバーへの思いを吐露していく8人。時には涙を浮かべながら気持ちを吐露すると、会場からはあたたかい拍手と声援がステージに届く。最後、菊池は「『素敵なグループいっぱいいるけど、今はtimeleszだよね』と、そんなふうに言ってもらえるように、ここから一歩一歩、噛みしめて、踏みしめて、前に進んでいきたいと思いますので、どうか一緒に。僕たち8人だけじゃありません。8人とスタッフだけじゃありません。secondzも含めて、みんなで死ぬほど売れましょう。timelesz、secondz、minutez(スタッフ)。ここに連れてきてくれて、本当にありがとうございました」と挨拶を締めた。「死ぬほど売れましょう」と東京ドームのメインステージで言葉にできる彼の思いの強さとかっこよさ、これからもっと売れることを予期させる力強いこの言葉は、きっとsecondzの胸に届いたはずだ。力強く「Steal The Show」、そしてラストには「RUN」を披露すると、本編は幕を閉じた。

しかし、ライブはまだまだ終わらない。アンコールがスタートすると「上を見てくれ!」と声が聞こえてきた。視線を上にやると、公式キャラクター・TAMの家をモチーフにした気球にメンバーが乗って登場し、「Forever Gold」、「ぎゅっと」、「レシピ」を披露。ラストを飾る「冬が来たよ」では、会場に雪が降る演出が。宙を見上げる8人の表情は、とても輝いていた。
アンコールを終え、身支度を始めようとした矢先、会場では鳴り止まないtimeleszコール。もしや、Wアンコールがあるのか――。再び席に着くと、菊池の「まだ遊びたいの?!」という声が会場に轟いた。大きな歓声が起こると、「いつもこれくらい呼んでくれれば、俺らだって(またステージに)出るのに。最終公演だけ呼べば出ると思ってるんでしょ? 俺たちのこと都合のいい男だと思ってるんでしょ? 最終公演じゃなくたってこんだけ声くれればね、逆に声出なかったら最終公演でも出てこないもんね」と菊池節で会場を笑わせると、再び8人がステージへやってきた。「曲がないよ」と言う菊池に、寺西が「『Rock this Party』でしょ!」と叫ぶと、会場は大歓声に包まれる。「ラップ部分を歌ってほしい」とお願いされたsecondzの完璧なラップパートを聴きながら、嬉しそうな菊池の表情がキュートで、それでいてクールだった。
Wアンコールの最後は、観客を背にスマホで動画撮影。メンバーからの「timelesz一周年」の掛け声に、secondzが「おめでとう!」、そしてメンバーが「ありがとう」と、最後の最後まで幸せな空気に包まれながら、彼らの一周年を祝い、『We're timelesz LIVE TOUR 2025-2026 episode 1 FAM DOME』のファイナル公演は幕を閉じたのだった。


























