JO1の新境地「BE CLASSIC」から紐解く“クラシック”との化学反応 名曲をサンプリングする意義と可能性
JO1×「運命」、「BE CLASSIC」の秀逸な組み立て方
名曲のサンプリングはしばしば議論の的となるが、メロディに揺るぎない強さがあるため聴き手にとっては強烈なフックとなる上に、曲中で原曲のキーフレーズをどう取り入れるのかというリスナーの興味を掻き立てることができる。この「BE CLASSIC」においても、「運命」という名曲中の名曲が、どのようにこの曲の中に組み込まれていくのかという好奇心が湧いてくる。特に終盤で、サビの後にもう一段階待ち受けている新たな展開での「運命」の使われ方は秀逸だ。序盤のインパクトで耳を掴まれたのち、“欲しかったメロディ”がようやく最後に現れて着地する。そのアレンジへの興味からぐいぐいと惹き付けられるように聴いてしまう、何か魔力のようなものがある作りだと感じた。
リリックも〈運命〉〈休符〉〈指揮〉〈score〉など、ベートーヴェンをサンプリングすることを前提としたトラックありきの言葉選びになっているため、音と言葉が密接に関係し合った楽曲となっているのは言うまでもない。抑揚をつけながら前進していく、野心あふれるメンバーたちのスキルフルなラップに終始圧倒される。
「BE CLASSIC」のMVはホラー風味で、バレエや彫刻など西洋文化の“クラシック”と一体となったJO1の姿が新鮮だ。これまでのJO1というグループのイメージを大きく刷新するような仕上がりに、今後への期待も膨らむ。

























