生田絵梨花、苦い感情がカラフルなポップソングへ 等身大であり続けることから生まれる新しい曲作り

sumika 片岡健太やmeiyo提供曲に表れた“生田絵梨花らしさ”
――「アンサンブル・シャングリラ」は、先ほど名前の挙がったsumikaの片岡さんによる楽曲提供ですが、『Venue101』が最初の出会いだったとのことですね。
生田:『Venue101』にゲストで来てくださった時、sumikaのみなさんのこちらを巻き込んでいくようなパフォーマンスに感動しましたし、バンドサウンドにピアノが入っているところも惹きつけられる要素でした。その後は、楽曲を聴いたりライブに伺ったりして、もしsumikaさんに曲を書いていただけたら嬉しいし、ライブもより華やかになりそうだなと思って、お願いさせていただきました。
――確かにライブが盛り上がりそうな楽曲ですよね。
生田:片岡さんと曲の打ち合わせをさせてもらった時に、私がライブで盛り上がって、ファンのみなさんと一緒に何かできるものがいいとリクエストしたんですけど、それはクラップがいいのか、それともコールアンドレスポンスなのか、一緒にフレーズを歌ってもらうのか、いろんなパターンを提示してくださったんです。ほかにも何色をイメージするのかだったり。曲作りのプロとはこういうことなんだって、まざまざと感じました。
――結果、いろんな要素が入った曲になりました。
生田:クラップが入っていたり、サビの〈シャングリラ〉のところは一緒に歌う感じになっています。片岡さんは私の『capriccioso』のツアーを観に来てくださったんですよ。その時のイメージもあってか、間奏でピアノを弾くパートを作ってくださったり、ライブの私とファンのみなさんのことを実際に観てくださっているからこそ、その情景をイメージしながら作ってくださったのが楽曲からも伝わってきて、嬉しかったですね。
――サウンドの編成としてはビッグバンドですよね。
生田:いや、もうすごいですよね。豪華な編成すぎてこれを生で再現するのは難しそう……(笑)。私がお世話になっているレーベルチーフも「すごい力作だよ」と感動していました。

――「Clap & Clap!」はmeiyoさんの提供楽曲で、『Venue101』からの縁ですね。
生田:「ビートDEトーヒ」で、ハマいくを作ってくださったと言っても過言ではないmeiyoさんに個人としても何か曲を作っていただけたら嬉しいなと思って、今回お願いさせていただきました。
――キラキラしたポップなサウンドになっています。
生田:meiyoさんのキラキラした楽曲の中にはちょっとネガティブな心情が込められていたりして、その両方の要素が混じっているのが好きです。今回も事前に打ち合わせをしたんですけど、meiyoさんの場合は、どういう曲かということより、雑談をするみたいな、日頃考えていることとか最近あったことをラフに喋っていく中で、作ってくださった楽曲なんです。私はとりとめのないことをずっと喋っていたのに、こんなに素敵な曲を作ってくださって、やっぱりmeiyoさんは天才だなと思いました。
――2Aパートからラップになるところに、meiyoさんの楽曲らしさを感じます。
生田:あ、そっか! 確かに。「ビートDEトーヒ」の時は濱家(隆一/かまいたち)さんがラップ担当だったので、今回私にとって初めてのラップをいただけて、それも嬉しかったですね。

「カプチーノ」カバーで開けた新しい扉
――カバー曲としては「カプチーノ」(ともさかりえ)が入っていますが、この選曲理由は?
生田:(「カプチーノ」をシーナ・リンゴ名義で作詞作曲した)椎名林檎さんと東京事変が好きでよく聴いていて、「閃光少女」はカラオケに行くたびに歌っていたりするんです。
――『Erika Ikuta Autumn Live Tour 2023』でも「丸ノ内サディスティック」を披露していました。
生田:そうですね。今回もカバーを1曲入れたいと思った時に、レーベルの方々が「カプチーノ」が私に合うんじゃないかと提案してくれたんです。ほかにも選択肢があったんですけど、「カプチーノ」を聴いてみたらどんどん好きになっていって、自分としても歌ってみたいと思ってチョイスしました。少女と大人の狭間というか、“大人になっていく”ような感じ。それを今の自分で表現してみたいと思って今回のEPに入れましたね。
――後に椎名林檎さん自身もセルフカバーしています。オリジナルはいわゆるソフトロックで、渋谷系にも通ずるサウンドですが、今回はガラッとアレンジが変わっていますね。
生田:最初、どう歌ったらいいのか全然わからなかったんです。でも、レコーディングをしながらノリ方だったり、音の聴き方を伝授してもらって、チームのみなさんが「生田絵梨花の新しい扉が開けた」と興奮してくださっていたのが嬉しかったです。今までの歌い方とかニュアンスでは出なかったものを、この楽曲とアレンジによって引き出してもらえた感覚があります。
――『capriccioso』のツアーでは新曲として「シンフォニー」を披露されていましたが、今回収録されていないのはどういった思いがあったんですか?
生田:「シンフォニー」を入れるかどうかは、めちゃくちゃ迷ったんです。ツアーで感じたことを曲にしたし、ライブでみなさんと一緒に育てていく、作っていく楽曲だなと思ったんですよね。とは言っても「シンフォニー」はまだ3回ぐらいしか披露していないんですよ。もっとライブでみなさんと一緒に歌って、その温度感や情景を宿してから、音源として形にできたらいいのかなと思ったりしています。いずれはもちろん形にしたいと思うんですけど、感覚的な話になってしまいますが、もう少しライブで育ててからという感じですかね。

――「シンフォニー」には、ライブの会場に集まったみんなで一緒に奏でているという思いが込められている、とMCで話していましたよね。生田さんのライブを観ていると、会場の最後列まで歌を届けようとする、そのファンとの心の距離の近さが印象的で、活動の芯になっているのだろうなと感じます。生田さんにとってファンのみなさんはどのような存在になっていますか?
生田:自分が14歳でグループに入った頃から、ずっとファンの方と一緒に歩んできた道のりなんですよね。もちろん、途中で加わってくださった方も大切な仲間で、そういう方々がいるから自分は頑張ろうと思えるし、みんなに楽しんでほしくていろんなことをやってみようと思えます。どんな言葉で表すのがいいのか、迷うな……言葉一つで限定してしまうような気がして。
――「シンフォニー」や前作の「だからね」もそうですし、ライブを観ていても“ファンと心を通わせる”という想いを強く感じるので、ファンの存在についてをどうしても聞きたくて。
生田:同じチームの一員というか。絶対的な味方がいてくれる安心感があるから、私も味方であれるようにいたいと思わせてもらえます。ファンの方の前に出ると等身大でいられますし、気張らずにいられる。そういうホーム感みたいなものもありますね。自分が大切に思っているものほど言語化するのが難しくて……これでもすべてだとは思っていないですけど、とにかくファンのみなさんは私にとって大切な存在です。
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■リリース情報
生田絵梨花『bitter candy』
リリース日:2025年3月5日(水)
購入:https://ErikaIkuta.lnk.to/bittercandy_CD
【初回生産限定盤A(CD+BD+アートワークフォトブック)】
7,700円(税込)
<BD収録内容>
・2025年1月7日(火)にビルボードライブ横浜にて行われた『Erika Ikuta Premium Billboard Live 2025』のライブ映像を特別編集で収録
・『bitter candy』ジャケット撮影メイキング映像
【初回生産限定盤B(CD+BD+ライブフォトブック)】
7,700円(税込)
<BD収録内容>
・2024年9月20日(金)に パシフィコ横浜国立大ホールにて行われた 『Erika Ikuta Tour 2024 『capriccioso』 FINAL』のライブ映像を特別編集で収録
【通常盤(CD only)】
3,000円(税込)
<収録曲>
M1. 上出来
M2. アンサンブル・シャングリラ
M3. Clap & Clap!
M4. 無視
M5. かくれんぼ
M6. カプチーノ
M7. 黄昏マジックアワー
M8. モンブラン
M9. 上出来 Instrumental
M10. アンサンブル・シャングリラ Instrumental
M11. Clap & Clap! Instrumental
M12. 無視 Instrumental
M13. かくれんぼ Instrumental
M14. カプチーノ Instrumental
M15. 黄昏マジックアワー Instrumental
M16. モンブラン Instrumental