Nornis、オーケストラと共に奏でた唯一無二のハーモニー “テクノロジー”と“伝統”の美しき邂逅

Nornis、オーケストラと奏でたハーモニー

 にじさんじ所属のVTuber 戌亥とこ、町田ちまによるユニットNornisが、3月8日に『Nornis Orchestra Live Concerto di luce』を大宮ソニックシティ 大ホールにて開催した。

 Nornisは、歌唱力の高さを誇る女性ライバー2名によるユニット。2024年に初の全国ツアー『Nornis LIVE TOUR 2024 -Tensegrity-』を開催し、今年2月には「優しい君へ」をデジタルリリースするなど、本格的な音楽活動を進めている。

 そんな中で開催された、にじさんじ史上初となるオーケストラライブ。東京フィルハーモニー交響楽団、本公演のために結成されたスペシャルバンドと共に、Nornisの美しい音楽世界を存分に表現した。本稿では昼公演の模様をレポートする。

 二部ともにソールドアウトとなった会場は、老若男女さまざまな観客で満員。この場に合わせたスーツスタイルなどエレガントな装いの観客も多かった。開演のベルが鳴ると、まずはオーケストラとバンド、そして指揮者の栗田博文氏が登場。盛大な拍手がおくられる中、正面のスクリーンにNornisが歩いて登場し、ステージに加わる。

 ライブの幕開けは、「Try add」。オーケストラの重厚かつ繊細なサウンドが、駆け抜けるような爽やかなメロディを奏でる。そこに重なるのが、伸びやかに広がる凛とした戌亥の歌声と、光のように温かく感情豊かな町田の歌声。壮大な演奏にも決して負けない圧倒的な歌唱力は、一曲目から観客の心を強く揺さぶる。

 続く「Odyssey」では、EDMサウンドの原曲からガラリと変わり、華やかな管楽器と深みのあるコーラスを効かせたオーケストラライブならではのアレンジが印象的。そこに、ミドル&ローが豊かな戌亥、そして高音が得意な町田と、得意音域が違う二名だからこそ生み出せる立体的なハーモニーが加わり、まさに極上の音楽を作り上げていく。

『Nornis Orchestra Live Concerto di luce』

 なお、二名の背景にエフェクトなどは一切なく、会場の照明とスクリーンの明るさがリンクするため、客席からはステージセットの2階あたりにNornisが立っているように見える。当たり前のようにリアルの世界に現れた二名が、指揮者と視線を合わせ、オーケストラやバンドとも息を合わせて、“みんなと一緒に音楽を奏でている“という感覚も伝わってきた。

 オープニングから観客を圧倒させるパフォーマンスを繰り広げたNornisだが、MCもといTalkパートに入ると一気にラフモード。まだ緊張気味な観客に、戌亥が「みんなの方が緊張してるかな?」と声をかけたり、ペンライトやバングルライトの光を見た町田が「星みたいに見えてる。めっちゃ綺麗! ありがとう!」と笑顔を見せる場面もあった。

 町田の「上質で贅沢な時間をお楽しみください」という紹介から始まったのは、宇宙や星空をテーマに描いたバラード「Circle of stars」。ストリングスが美しいサウンドを奏でる中、戌亥と町田はアイコンタクトを交し合いながらたっぷりと歌い上げる。ホールの天井には無数の小さな光の粒が瞬き、会場全体がまるで広大な宇宙になったかのようだ。

 その後も、彼岸花を想起させる真っ赤なライトの中で迫力満点の歌声を披露した「Lycoris」、ドラマティックなメロディを切なくも優しく歌い上げた「Wishing you」と、Nornisの名曲たちを次々と披露していく。

『Nornis Orchestra Live Concerto di luce』
Nornis

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