リアルサウンド連載「From Editors」第95回:なぜかずっと観ちゃう「RTA」の魅力
「From Editors」はリアルサウンド音楽の編集部員が、“最近心を動かされたもの”を取り上げる企画。音楽に限らず、幅広いカルチャーをピックアップしていく。
第95回は、ドゥームメタルの魅力を語ろうか、「RTA」を紹介しようか、まあまあ悩んだ末に理性が勝ってこっちにした伊藤が担当します。
ゲームを極限まで遊び尽くした者たち
「RTA」ってご存知でしょうか?
ゲーム好きの方であれば知っている方も多いと思いますが、あまりゲームに触れていない方は聞いたことがないかもしれません。「RTA」とは「Real Time Attack(リアルタイムアタック)」の略称で、あるゲームをクリアするまでの時間の速さを競う競技のことです。
シンプルにクリアを目指す部門、「グリッチ」と呼ばれる所謂バグ技の使用が許されている部門、特定の条件が課せられている部門など、いろいろとカテゴリがありまして、それぞれの面白さがあるわけなんです。
「百聞は一見にしかず」と昔の人も言っているので、とりあえず見てもらいましょうか。
これはNINTENDO 64で発売された往年の名作ゲーム『スーパーマリオ64』のRTAで、グリッチの使用が許されている部門ですね。さまざまなテクニックを駆使して、ゲームのシステムをある種“あざむく”ことで、通常では通れない道を通ったり、ワープをしたりしているわけです。そのテクニックの一つひとつに、わりと仰々しい技名がついているのも面白いですよね。小学生時代にがんばってクリアした『スーパーマリオ64』が、約9分でクリアされてしまいました。
この動画は『RTA in Japan』という日本で開催されているRTAのイベントのもので、RTAプレイヤーが一堂に会し、それぞれの持ちゲームを次々とプレイしていきます。ご覧のように解説の方がついていて、どのようなテクニックが使われているのか、ゲームのトリビア的な情報などを随時教えてくれる親切設計。過去に自分が遊んだゲームが、超絶テクニックでクリアされていくのを楽しみつつ、解説の方の情報でよりそのゲームを好きなることもできます。
最近観て面白かったのは、当時夢中で遊んだ神ゲー『カスタムロボV2』のRTAです。
本作品は、ガンやボムなど様々なパーツを組み合わせたロボで戦う対戦ゲームです。当然、学生時代は基本的にガンをバンバン撃ち合って、派手な戦闘を楽しんでいたわけなのですが、RTAでは効率重視。ガンはあまり使用されず、「突進」と呼ばれる攻撃力の高い体当たりを中心に実に地味な戦闘を繰り広げ続け、バッタバッタと敵を薙ぎ倒していくわけです。でもなんか観ちゃうんですよね。
最後におすすめのRTA動画とRTAをネタにしたおもしろ動画を置いておくので、興味があればぜひ観てみてください。
リアルサウンド連載「From Editors」第94回:『地面師たち』、『MIU404』を経て綾野剛にロマンを感じ、『アバランチ』に辿り着いた
「From Editors」はリアルサウンド音楽の編集部員が、“最近心を動かされたもの”を取り上げる企画。音楽に限らず、幅広いカ…
リアルサウンド連載「From Editors」第93回:“ウルトラマンの涙”に泣いた 『アーク』TVシリーズ&劇場版を振り返る
「From Editors」はリアルサウンド音楽の編集部員が、“最近心を動かされたもの”を取り上げる企画。音楽に限らず、幅広いカ…