LUNA SEA×GLAY「俺たち、すげえ時代に生まれたんだな」 世紀を超えたメモリアルな一夜、25年ぶりの競演

LUNA SEAとGLAY、25年ぶりの競演

 LUNA SEAとGLAYが25年ぶりに東京ドームのステージに立った『The Millennium Eve 2025』。両バンドが互いにリスペクトし、ファンとともに同じ時を過ごすことを楽しんだ2025年2月22日は、世紀を超えたメモリアルな日となった。

 20世紀から21世紀に移る瞬間を世界中が期待と興奮と不安をもって待ちかねていた1999年末。LUNA SEAとGLAYは、その年が終わる1週間前に東京ドームで共演するというプランを実現させた。ともにX JAPANのYOSHIKIが設立したExtasy Recordsから登場した新世代バンドとして90年代のロックシーンに新風を吹き込んでいたが、12月23日を特別な日として、それまでに東京ドームで何度もライヴを行ってきたLUNA SEAとGLAYの初競演を実現したのが、1999年12月23日の『The Millennium Eve A Christmas present for the people who love live a lot.』だった。それから25年を経て、再び2バンドが東京ドームのステージに立ったのだ。

 並ならぬ興奮に包まれた東京ドームで、2月22日18時ちょうどに大型ビジョンに映像が現れた。それはGLAYのメンバーたち。25年前はLUNA SEAが先攻だったが、今回はGLAYが先攻だった。メンバーがステージに上がるとTERUが「東京ドーム!」と声をかけ「WET DREAM」からライヴがスタート。5万人の観客の高揚感に応えるように、のっけからフルスロットルの演奏で熱気を発して「MERMAID」へと続ける。火球や煙などの特殊効果で盛り上げるまでもなく、1時間ほどの持ち時間でどれだけ熱量を上げられるか試しているような勢いだった。

TERU(Vo)(photo by 田辺佳子)

 一息入れたTERU(Vo)が「25年の時を経て、ここに戻ってきたぞ!」と叫び、「準備はいいか? 暴れていこうじゃないか!」と呼びかけて「サバイバル」へ。TAKURO(Gt)はドラム台に上がって場内を見渡し、HISASHI(Gt)がキレのいいギターソロを響かせる。オーディエンスとの応酬にTERUが笑顔を見せた。

 「今夜はLUNA SEAとGLAYにしかできない夜。GLAYの大切な曲をみなさんに届けます」と始めた「pure soul」。ピアノとTAKUROのアコギが柔らかな空気を作り出し、TERUの歌にオーディエンスはじっと聴き入る。その空気を引き継いだ「HOWEVER」は、ピアノだけでTERUが歌い出し、しっとりとブルージーな演奏で大人の歌に。それは背景のビジョンに満月が現れた「月に祈る」へと続き、デビュー30年の彼らならではの聴き応えのある時間を描き出した。

TAKURO(Gt)(photo by 横山マサト)

 ここでのMCはHISASHI。「今回、託児所を設置していただいたLUNA SEAとスタッフの皆さんの素敵な配慮に感謝します。そして、日々頑張っているお母さんお父さん、おじいちゃんおばあちゃん、そしてこんなに大きく育った君たちに……」と「THINK ABOUT MY DAUGHTER」。HISASHIのギターでTERUが歌い始めるとビジョンに曲のタイトルが大きく浮かび上がった。後半の歌詞の〈About You〉ではTERUが額に手をかざして会場内を見渡し、歌い終わると「お母さん、ありがとう。お父さん、ありがとう」と優しく言った。

HISASHI(Gt)(photo by 加藤千絵)

 続いたのは、30周年記念シングルとしてK-POPボーイグループ・ENHYPENのメンバー JAYとコラボした「whodunit」。シャープなナンバーが一瞬ブレイクし、TERUが「JESUS!」と叫ぶと、そこからLUNA SEAの「JESUS」に。1コーラスだけだったが、このサプライズにオーディエンスの驚きと興奮が渦巻くなか、曲を「whodunit」に戻してさらに盛り上げ、「もっと行けんのか!」と「誘惑」へ。その後は地元の『北海道道』(NHK北海道)のテーマ曲になった「さよならはやさしく」で空気を落ち着かせた。そして、TERUが語りかけた。

JIRO(Ba)(photo by 上溝恭香)

「25年を経て、しかもトップバッターで緊張しましたけど、最高にいいライヴになりました。次の曲は『みんなで夢を見ていこう』という曲なんですけど、10年後、またこういうのをやりたいね。みんな60過ぎてるけど(笑)。それぐらい大きい夢見ていこうぜ!」

 GLAYのラストチューンは「BEAUTIFUL DREAMER」。力強い演奏とともにリリックがビジョンに映されて、彼らの思いが浮かび上がった。25年ぶりに夢が叶ったということだろうか。TERUの歌がひときわドラマチックに響いて曲が終わると、言った。「ありがとう! 次はLUNA SEAがくるぞ!」――GLAYからLUNA SEAへのバトンが渡された。

photo by 田辺佳子

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