日向坂46 上村ひなの・山下葉留花「中核を担える人になりたい」 転換期を迎える中で感じること

日向坂46 転換期の中で感じること

 日向坂46の2024年はおひさま(日向坂ファンの呼称)との時間を大切にするような1年だった。四期生による日本武道館3DAYS単独ライブ、宮崎での主催フェス『ひなたフェス2024』開催、さらに全国ツアー『Happy Magical Tour 2024』も開催され、最終日は東京ドームにて1年を締めくくることになった。そんな日向坂46が、13thシングル『卒業写真だけが知ってる』をリリースした。表題曲は小坂菜緒が2年半ぶりにセンターを務める日向坂46らしい王道アイドルソングでありながら、どこか儚さも感じられる楽曲となっている。2024年にめきめきパワーアップした四期生と、そんな四期生を見守り、自身も成長し続ける先輩メンバーの存在感を強く感じる今作において、それぞれの立場からグループの未来をどのように見つめているのか、三期生 上村ひなのと四期生 山下葉留花に話を聞いた。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

【オリジナル動画】日向坂46 上村ひなの・山下葉留花が卒業したいもの

日向坂46 上村ひなの・山下葉留花が卒業したいもの

「グループに対する愛がより大きくなった1年」(上村)

──日向坂46は昨年デビュー5周年という節目を迎えましたが、横浜スタジアムでの『5回目のひな誕祭』を筆頭に初の選抜制を導入した11thシングル『君はハニーデュー』のリリース、ひなた坂46としてのライブ開催、四期生だけでの日本武道館公演、宮崎での主催フェス『ひなたフェス2024』、11月から始まった全国ツアー『Happy Magical Tour 2024』とそのファイナルとなる東京ドーム公演と、精力的な活動を続けてきたと思います。昨年はおふたりにとってどんな1年でしたか?

上村ひなの(以下、上村):おっしゃるように、昨年はグループ全体でたくさんライブをさせていただいたりと、おひさまや私たちのことを見てくださっている皆さんと一緒に同じ時間を過ごす機会がすごく多くて。ライブでしか生まれない感情だったりコミュニケーションが私たちは大好きなので、そういった喜ばしい瞬間をたくさん共有できたということが一番嬉しかったです。

──個人としてはいかがですか?

上村:個人的にも、2024年はグループに対する愛がより大きくなった1年でした。少しずつ個人の活動もさせていただいたんですけど、そんな中でいつでも「日向坂46のために」っていうことを頭のどこかで考えながら活動していました。きっと以前だったら自分自身のことだけでいっぱいいっぱいだったはずだけど、最近はもっと広い目線で物事を見られるようになって。そこは自分の中では成長というか、大人になれたんじゃないかなと思います。

──上村さんは昨年、月9ドラマ『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)第2話でのゲスト出演もありました。

上村:はい、出させていただきました。ファンの皆さんが喜んでくださって、「あのシーンのああいうところが良かったよ」とか結構細かいところまで観てくださっているのに改めて驚いて。自分が頑張って向き合ったことに対して、そういう嬉しい言葉をかけてくださる方がいるっていうことへのありがたみを改めて感じました。

上村ひなの

──山下さんはいかがですか?

山下葉留花(以下、山下):私は個人としてもグループとしても、新たな挑戦をさせていただけた1年かなと思っていて。それこそ四期生は映画『ゼンブ・オブ・トーキョー』を通して演技に初挑戦させていだきましたけど、私自身は演技に対して苦手意識を持っていたんです。でも、この映画を通してほかのメンバーの演技力だったり、裏で努力する姿だったりを見て、「もっと私も頑張らないと」って喝が入ったなと思うんです。

──『ゼンブ・オブ・トーキョー』で山下さんが演じた門林萌絵は、ギャルっぽいビジュアルが印象的でした。

山下:そうなんです。私、ギャルのことが全然わからなかったので、まず「ギャルって何だろう?」ってところから始まって。それで佐々木美玲さんにご相談したんですけど、「ギャルの皆さんの動画を観て勉強するといいよ」というアドバイスをいただいたんです。自分自身、この映画で新たな道を開けたのは美玲さんのアドバイスがあったからこそですし、ギャルっていう役を私に与えてくださったおかげでもあって。「私にもこういう一面もあったんだ」っていうのを自分で感じられたのが、すごく嬉しかったです。グループ活動では『ひなたフェス2024』翌日におひさまの皆さんとゴミ拾いをするっていう企画があったんですけど、それがツアー各地で行われたりして。そういうSDGsとか、日向坂46を通して街をきれいにしていく取り組みを近い距離で、おひさまとできたことがすごく嬉しくて。本当にギュッと濃縮されていて、一つひとつ思い返すと泣けてくるくらい充実した1年でした。

──そんな中で、特に忘れられない活動や出来事を挙げるとすると?

山下:私は四期生ライブです。武道館に3日間も立たせていただけたことが、すごく印象的に残っていて。それこそ一期生や二期生の先輩方がけやき坂46時代に武道館3DAYSを大成功させて、それと同じように四期生も試練として大きな舞台を立つということで、周りの期待以上のものをお届けしないといけないという責任感がすごくありました。四期生は一昨年の11月に『新参者 LIVE at THEATER MILANO-Za』っていうライブもあったんですけど、そのときとはまた違ってもっと広いステージでしたし、さらなる力が付いた状態で先輩方が大切に歌われてきた曲をお届けするっていう重大な使命もあったので、あの3日間で一人ひとりがどんどん強くなって四期生の絆もさらにグッと深まったんじゃないかな。私としても、来世まで語り継ぎたいほどありがたいステージでした(笑)。

──実際、『新参者』の頃から比べるとそれぞれの実力や存在感がどんどん高まっていたと思いますし、あのライブを経験したからこそ続く『ひなたフェス2024』では四期生の輝きがより増していたと感じましたよ。

上村:うんうん。

山下:いやあ、嬉しいです! でも……本当に少しなんですけど、自信は確かに付きました。ライブに対する思いの強さだったりパフォーマンス力も、あの3日間で少しずつ向上したのかなって。いやあ……終わってしまったのかと今改めて実感したら、急に寂しくなってきました(笑)。

上村:ふふふ。

山下:3日間駆け抜けたけど、私の中ではまだ続いている感覚もあって。

上村:え〜っ、まだ(笑)?

山下:はい、かなり続いてます(笑)。

上村:でも、2024年は本当に四期生の頑張りがすごく大きな1年だったなと思っていて。私たちもずっとそばで見ていたけど、四期生はその四期生ライブだけでなく、既存曲で卒業したメンバーのポジションに入るために新たに振り入れをしたり、『日向坂ミュージックパレード』(日本テレビ)だったり『もっと!日向坂になりましょう』(Lemino)とか、四期生だけが出演するバラエティ番組さんもやっていたりと、本当に忙しかったと思うんです。でも、そんな大変な状況でも一つひとつのお仕事としっかりと向き合っている姿が印象的で、ひたむきに頑張っているみんなを見て私たち先輩も勇気やパワーをもらえたので、その四期生のパワーが今の日向坂46の底上げにつながっているというか。本当に四期生は日向坂46になくてはならない存在だなと、去年は改めて実感しました。

山下葉留花

山下:私、『ひなたフェス2024』のリハーサルでひなのさんに助けていただいたんですよ。

上村:え、そうだっけ?

山下:はい。四期生ライブが終わってすぐに『ひなたフェス2024』のリハーサルに合流したんですけど、四期生がいない間に立ち位置や振り付けが変わった曲があったんです。そこで私たちは間違えて四期生ライブで覚えた振り付けを踊ってしまう場面が多くて。「どうしよう……」っていっぱいいっぱいになってしまったときに、ひなのさんがそっと横についてくださって「大丈夫だよ」って声をかけていただいたことですごく救われました。

上村:助けになれてよかった(笑)。

山下:先輩方の支えが本当にたくさんあって、そのおかげで前向きになれて「あとはもう頑張るだけだ。みんなで宮崎に来てくださるおひさまに楽しんで帰ってもらえるようなライブにしよう!」と、四期生でもう一回……団一結? 一結団致?

上村:一致団結?

山下:そうです! 一致団結できました!

上村:面白い(笑)。

山下:危ない危ない。今も助けていただきました(笑)。

──(笑)。上村さんもこの1年で、先輩として急激に成長した印象が強いです。

上村:ありがとうございます。ちゃんと先輩になれてますか(笑)? でも、そこは四期生に感化された部分が大きくて。みんなが頑張ってくれているから、私も先輩として引っ張っていかなければっていう気持ちがちょっとずつ芽生えてきたのかもしれないです。

山下:カッコいいですね。私もひなのさんみたいな先輩になりたいです!

「小坂さんの台詞にキュンとして『これは神曲だ!』」(山下)

──ここからは13thシングル『卒業写真だけが知ってる』について、お話を伺っていきます。表題曲はすごく王道感の強いアイドルソングですが、最初に聴いたときの印象っていかがでした?

上村:小坂菜緒さんがセンターっていうことを踏まえた上で聴いたんですが、本当に菜緒さんっぽいというか、儚くてかわいいメロディに日向坂らしさだったり菜緒さんのセンター曲らしさを感じて。でも、切なさがありながらも最後は元気をもらって楽しく終わる、そんな楽曲でもあるのかなと思いました。

山下:私は「これぞ日向坂」っていうぐらいノリノリで明るいっていうポップな感じで終わるかなと思いきや、ラストの小坂さんの台詞にキュンとしてしまって、「これは神曲だ!」って思っちゃいました。誰しもが卒業とか別れを経験するじゃないですか。この曲は卒業がテーマですけど、悲しい感情だけじゃなくて「別れもあるけど新しい出会いもあるんだよ」っていう、前向きな曲にもなっているなと思っていて。サビで〈好きだ〉っていう言葉が4回連呼されるんですけど、そこをクレッシェンドで歌うことで胸に秘めた思いをちゃんと届けようという気持ちも伝わりますし。

上村:私はこの歌詞のような経験はしたことがないんですけど、でも歌っていると自分が経験したかのように感じてしまう瞬間があって。それは卒業という誰しもが通るシチュエーションだからこその説得力なのかなって。あと、MV撮影とか振り入れとかの段階で思ったことですが、やっぱり菜緒さんの持つオーラや儚さというか、この曲が菜緒さんの魅力をより引っ張っているようにも感じたました。

──初期の「キュン」や「ドレミソラシド」の頃の小坂さんとは違った、大人になった今だからこその表現や表情が伝わる曲ですよね。

上村:そうなんです。日向坂46としてはもちろんですけど、菜緒さんの素敵さが歳を重ねて移り変わっている感じも伝わりますものね。

山下:この曲の振り付け、すごくかわいいですよね。卒業写真にちなんで、カメラを持っているようなポーズがあるんですよ。それもただの四角いカメラじゃなくて、ハート形のカメラでシャッターを押すみたいな振り付けで。本当に覚えやすいので、いろんな方に真似していただきたいです。

上村:踊っていて自然と笑顔になってしまう感じもあって、めちゃくちゃ楽しいよね。

日向坂46『卒業写真だけが知ってる』

──MVは学校が舞台となっており、教室や美術室、体育館などでのシーンが多くフィーチャーされています。

上村:最近は一期生さんから三期生は制服姿でMVを撮ることが少なかったので、また学生の頃を思い出すような気持ちで臨めました。今回、主人公の菜緒さんはバスケ部という設定で、体育館のシーンではメンバーがスポーツ着姿で撮影していて。私は半袖に半ズボンだったのでちょっと寒くて、みんなでダウンジャケットを着たりカイロを渡し合いながら、日向坂らしくわちゃわちゃと撮影していたのがすごく楽しかったです。

──上村さんは同期の森本茉莉さんと山口陽世さんと、教室で踊るシーンも印象的です。

上村:あの教室のシーンは夕日に照らされているシチュエーションで。この曲自体、基本的に笑顔で表現しようということになっていたんですけど、あのシーンは夕日の感じもあってちょっと寂しげな表情だったり、懐かしさみたいなものも込められたらなと思いながら3人で踊りました。同期の3人だからなのか息がぴったりと合っていて、2回ぐらいでOKをいただいたんですよ。そういうところで、これまで一緒に過ごしてきた月日の長さが感じられて、個人的にはちょっとグッと来たポイントでした。

山下:すごい。私は推しメンの河田陽菜さんが講堂でピアノを弾いている場面が本当に大好きで。あのシーンに向けてしっかり練習して、本番でもちゃんと弾いているんですよ。卒業式って誰かがピアノを伴奏してみんなで歌うことを、皆さん経験してきたのかなって思うんですけど、今回のMVではピアノを弾いている周りでメンバーが踊っていて、ただ寂しいだけじゃなくて楽しさも表現できているんじゃないかなって。今は卒業シーズンですけど……あれ、今って卒業シーズンなんですか?

──もうちょっとだけ先ですね(笑)。

山下:間違えました(笑)。もうすぐ卒業シーズンなので、ぜひこのシーンを観て皆さんが過ごしてきた青春に照らし合わせて、いろいろ思い出してもらえたら嬉しいです。

──同時に、これから卒業を迎える人たちはこのMVが「もっと自分たちも青春したいな、思い出を作りたいな」って思うきっかけになるかもしれないですし。

上村:たくさん聴き込んだ状態で卒業を迎えられますし、だからちょっと早めの時期にリリースっていうのもいいのかもしれないですね。

山下:卒業ムービーとかでこの曲を使っていただけたら嬉しいですね。

上村:そうだね。将来的には「思い出に残る卒業ソングと言ったら『卒業写真だけが知ってる』だよね」と言ってもらえるような、皆さんの卒業の思い出に寄り添える曲になったらいいなと思います。

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