ひなた坂46「SUZUKA」で描かれたセンター富田鈴花の人生 インパクト抜群の歌詞に反映されたキャラクター

 日向坂46が1月29日に13thシングル『卒業写真だけが知ってる』をリリースした。表題曲でセンターを務めるのは、デビューシングル表題曲「キュン」から4thシングル表題曲「ソンナコトナイヨ」までの4作連続でセンターを務め、2022年6月にリリースされた7thシングル表題曲「僕なんか」以来、6作ぶりとなる小坂菜緒。先日佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈が13thシングルの活動をもって卒業することを発表しており、これを以ってグループから一期生全員が卒業することになる。本シングルが一期生〜四期生でパフォーマンスする最後の楽曲であり、日向坂46の区切りとなる期間と言えるだろう。

 その意味で、小坂が約2年半ぶりのセンターに立つ表題曲「卒業写真だけが知ってる」への注目は大きいものがあるが、それとは別におひさま(日向坂46ファンの呼称)やアイドルファンから熱視線を送られているのが、同シングルに収録されているひなた坂46の楽曲「SUZUKA」である。ラジオ番組『THE TRAD』(TOKYO FM)で発表されている「ミュージックアワード~あなたが贈る勝手にベスト〇〇賞」において、“ベスト衝撃的な歌詞賞”、“ストーリー展開賞”として取り上げられるなど、その歌詞は話題を呼んでいる。

日向坂46『SUZUKA』

 「SUZUKA」でセンターを務めるのは富田鈴花。この曲の面白いところは、富田にひそかな恋心を寄せる男子のメタ視点で歌われるラブソングであるという点。歌詞は〈君の名前はSUZUKA〉〈ニックネームはスージー〉〈目の前には日向坂メンバーがいる〉というように直接的な言及がなされており、ラストは〈初めての/センターなんだってね〉という現実世界の富田の現状ともリンクする言葉で締められる。どこか懐かしいメロディを取り入れつつ、富田への思いを起伏のあるサウンドで表現。日向坂46と比べれば9人という少人数ということもあって、それぞれのソロパートが盛り込まれているのも特徴だ。同曲で作編曲を担当しているのは杉山勝彦(編曲は谷地学との共作)。これまで坂道グループの楽曲を多く手がけており、日向坂46に限れば「沈黙した恋人よ」「どうして雨だと言ったんだろう?」「膨大な夢に押し潰されて」「ガラス窓が汚れてる」がある。切なさを強調したサウンドがじんわりと涙腺を刺激してくる杉山らしいサウンドだ。

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