Mrs. GREEN APPLE、Vaundy、米津玄師、King Gnu……楽曲の世界観を際立たせる“SE(効果音)”の魅力

 音楽を聴く際、どんなところに意識を向けるだろうか。「歌詞を重視するか、メロディを重視するか」のような問いもよく聞こえてくるが、その後ろで鳴る音の一つひとつも楽曲を構成するもの。なかには、細かなSE(効果音)が楽曲の世界観を際立たせている例も多い。

 たとえば、Vaundyが1月12日に配信リリースした「走れSAKAMOTO」には、最後のサビが始まる直前にピストルのリロード音が取り入れられている。本曲はTVアニメ『SAKAMOTO DAYS』(テレビ東京系)のオープニングテーマで、「カチャッ」という銃を構える音が楽曲に緊張感を生み、元殺し屋であるアニメの主人公を想起させるのだ。『SAKAMOTO DAYS』は、主人公が現在の平穏な暮らしを守るために、襲いかかる刺客に立ち向かっていくストーリー。ゆえに、ラストサビも戦いのシーンをイメージさせるような荒々しさが感じられるが、直前に入るこのリロード音が引き金となり、戦闘モードへ切り替わるのを表しているようでもある。

走れSAKAMOTO – RUN SAKAMOTO RUN – Opening theme to SAKAMOTO DAYS

 「コカ・コーラCoke STUDIOキャンペーンソング」として書き下ろされたMrs. GREEN APPLEの「コロンブス」は、冒頭に炭酸の弾ける音が入っているのが印象的だ。おそらくタイアップから導かれたもので、曲中にも〈炭酸の創造〉〈渇いたココロに注がれる様な〉という歌詞が登場する。〈炭酸〉という言葉だけを聞いても“刺激”や“爽快”といった印象を抱くが、実際にシュワシュワとした音が加わることで、そのイメージがより湧きやすくなるだろう。リアルな炭酸のSEがこの曲の爽快感を引き立たせ、聴き手にポジティブな感情をもたらしているように思う。

「コロンブス」

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