米津玄師、Vaundy、アジカン、幾田りら、ポルカ、SHISHAMO……2025冬アニメを彩るJ-POP楽曲たち
2025年の冬アニメが続々と放送開始となった。なかには、作品自体はもちろん、主題歌に注目している人も多いのではないだろうか。本稿では、そんな今期のTVアニメを彩る楽曲たちをピックアップしていく。
フィギュアスケートを舞台としたアニメ『メダリスト』(テレビ朝日系)のオープニング主題歌を務めているのは、米津玄師だ。面白いのが、もともと原作のファンであった米津からの逆オファーによって今回のタイアップが実現したという点(※1)。彼の作品愛も感じさせる「BOW AND ARROW」は、きらびやかなストリングスに早口のボーカルが重なり、氷の上を颯爽と舞うフィギュアスケーターの姿を想起させる。アニメは、元フィギュアスケート選手の青年がフィギュアスケートの世界に憧れる少女のコーチとなり、一緒にメダリストを目指すストーリー。ふたりを表すかのような、そろってひとつの「BOW AND ARROW」=“弓矢”というタイトルの付け方も秀逸だ。
1月12日に配信リリースされたVaundyの「走れSAKAMOTO」は、『SAKAMOTO DAYS』(テレビ東京系)のオープニングテーマ。元伝説の殺し屋として憧れられている主人公・坂本太郎の“誰も追いつけない圧倒的強さ”を込めたという、ロックナンバーだ。作中では、現在は個人商店を営む主人公の“日常”と、敵に立ち向かう“非日常”の両面が描かれており、そのコントラストは、Aメロ/Bメロからサビに切り替わるタイミングで一気に力強さを増すボーカルにも表れているように思う。アニメのタイトルを叫んで潔く終わるあたりも、どこまでも作品に寄り添った楽曲だと感じさせる。
アクションゲームをアニメ化した『FARMAGIA』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマは、シリーズテーマソングとして書き下ろされたASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ライフ イズ ビューティフル」。『FARMAGIA』は、敵の支配から大切なものを守るために戦う、反逆の物語。〈だけど ライフイズビューティフル/そんなの綺麗事って生きるには/僕たちがそれぞれに光る未来を信じているでしょう〉と明るいサウンドに乗せて希望を歌う本曲が、暗闇に光を照らしている。