Ave Mujica、佐々木李子、前田佳織里、大渕野々花……女性声優が彩る2025年冬アニメ主題歌ピックアップ

 2025年冬クール放送のアニメが元日から続々と放送されているが、チェックは順調だろうか? 今期のアニメ主題歌を見わたしてみると、キャラソンも含め、女性声優が主題歌を務める作品がここ最近のクールと比べると目立っているように感じられる。本稿では、2025年冬クールの主題歌の中から、女性声優が歌唱する楽曲をピックアップ。話題作や個人的注目作をもとに、作品にどのような彩りを与えているのか、じっくり見ていこう。

 「…ようこそ。Ave Mujicaの世界へ」――最初に紹介するのは、ガールズバンドアニメブームを牽引する『BanG Dream!』シリーズの最新作『BanG Dream! Ave Mujica』だ。2023年6月~9月に放送され、先日劇場総集編も公開された『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』(いずれもTOKYO MXほか)の続編である今作では、前作のキーマンでもある豊川祥子(CV:高尾奏音)によって結成されたゴシックメタルバンド・Ave Mujicaを巡る、様々な思惑と感情が蠢く物語が展開されていく。

「KiLLKiSS」(TVアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」オープニング映像)

 すでに放送された第1話、第2話も衝撃的な内容で話題となっているが、その狂気をさらに増幅させているのがOPテーマ「KiLLKiSS」である。ハードコアなサウンドに、ボーカルを担当する初華(CV:佐々木李子)のパワフルな歌声と、キリストのユダを連想させるようなDiggy-MO'による意味深な歌詞の数々が乗っかり、一聴しただけでは消化しきれない重厚な1曲へと押し上げられている。そして最も印象的なのが、これまでの『BanG Dream!』では見たことのない狂った表情が見られるOP映像だ。この映像を見て怖気立った人も多いことだろう。彼女たちがどのような運命を辿るのか、この先1話たりとも見逃せない。

TVアニメ『日本へようこそエルフさん。』本PV

 Ave Mujicaでは激しい歌声を披露する佐々木だが、今期の別作品では対照的にハートフルな楽曲も歌唱している。現代日本とファンタジー世界の双方を舞台にしたアニメ『日本へようこそエルフさん。』(MBS/TBS/CBC)のOP主題歌「Palette Days」は、日本にやってきたエルフのマリーのように、知らないことを知っていく楽しさを詰め込んだような色鮮やかな雰囲気が印象的だ。高音を響かせる彼女の優し気な歌声など、Ave Mujicaも含めて、佐々木の様々な歌唱表現が堪能できる冬クールと言える。

TVアニメ『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』本PV

 ラブコメアニメ『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』(テレビ東京系)EDテーマとなっているのが、前田佳織里の歌う「キュンアピ」。ヒロインの川井モナ(CV:芹澤優)に寄り添う形で綴られた、好きな相手に振り向いてもらいたい心情を描く可愛らしさ全開な歌詞が印象的な1曲。一度聴いたら耳から離れない間奏の〈キュン キュンアピ〉のフレーズや、時折挿入される前田のキュートな台詞パートなど、キャッチーさに振り切ったポップソングとなっている。EDテーマは物語の余韻に浸れるようなバラードチックな曲になることも多いが、女性声優が歌唱する今期のEDテーマはアップテンポでキャッチーさに振り切った賑やかなものがこれ以外にも多く見られる。

【harmoe】『トゥインクル・デイズ』Music Video Full ver.【7thシングル】

 たとえば、harmoeの歌う「トゥインクル・デイズ」(アニメ『いずれ最強の錬金術師?』/TOKYO MXほか)は、冒険に飛び出していくワクワク感を感じられるアップチューンであり、TrySailの歌う「そんな僕らの冒険譚!」(アニメ『外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~』/TOKYO MXほか)は疾走感のあるサビから楽しげな雰囲気を味わえるライブ向きの1曲となっている。

TVアニメ『外れスキル《木の実マスター》』ノンクレジットエンディング映像|TrySail「そんな僕らの冒険譚!」

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