BURNOUT SYNDROMESがワールドツアーファイナルで魅せた集大成 CHiCOと生み出した最高のグルーヴ
ニューアルバム『ORIGAMI』をリリースしたばかりのBURNOUT SYNDROMESが、アルバム発売翌日にあたる11月28日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)にてワンマンライブ『Good Morning [New] WORLD TOUR 2024 in TOKYO&OSAKA』東京公演を開催した。近年は海外でのライブの機会が激増している彼らの貴重な国内ワンマンにしてワールドツアーのファイナル公演ということもあり、この機を逃すまいと会場には熱心なファンが大勢集結。開演前から異様な熱気がフロアに充満していた。
定刻を迎えて場内が暗転すると、おもむろにアルバム『ORIGAMI』のオープニングナンバー「Paradise of Birds」がメインスピーカーからこだまし始める。これに合わせて熊谷和海(Vo/Gt)、石川大裕(Ba/Cho)、廣瀬拓哉(Dr/Cho)がステージに姿を現し、フロアを埋め尽くしたオーディエンスたちは盛大な拍手と歓声で歓迎の意を表した。そんな客席に向けて熊谷は「BURNOUT SYNDROMESです。最後までよろしくー!」と呼びかけて喝采を起こし、間髪入れずに〈おはよう世界/Good Morning World!〉と歌い出す。フロア中から歓喜の絶叫が上がり、「Good Morning World!」でライブは勢いよくスタートした。
客席の熱気は早くも最高潮に到達し、掲げる拳の群れが激しく揺れ続けるさまはまるで荒波のよう。バンドは続けざまに「Bottle Ship Boys」「ヒカリアレ」を畳みかけ、3人の鉄壁のアンサンブルはもちろん、聴衆の手拍子や大合唱も味方につけて会場の空気を大きくうねらせていく。ヘッドセットマイク装備の石川はステージ狭しと動き回ってオーディエンスを煽り続け、廣瀬は涼しい表情でエネルギッシュなビートを紡ぎ出して後方からグルーヴを支配。熊谷は直情的なストロークから繊細なアルペジオ、時にテクニカルなタッピングソロまでをも惜しみなく繰り出しながら、凛とした佇まいで真っ直ぐに実直なボーカルを響かせる。もとより最高潮だった会場のボルテージは、曲目を追うごとに天井知らずで上昇するばかりだった。
プリミティブなスリーピースバンドサウンドで魅了した冒頭3曲から一転、デジタルな同期トラックをフィーチャーしたマイナーチューン「魔王」で空気を一変させたかと思うと、続くMCでは持ち前のほがらかさを惜しみなく発揮する。石川が両手を揺らめかせる手振りを披露しつつ「サビでこういうのしたいんですけど、僕ベース弾いてるからできないのよ。どっちがいい? 俺が弾くのを放棄してこうやって一体感を作るのと……」と提案するや、すかさず熊谷が「ベース弾いてください」と一刀両断するなど、軽快なトークで会場を瞬く間に和やかなムードに塗り替えてみせた。
しかし再び演奏が始まると、瞬時にスイッチが切り替わる。石川のスラップベースが鮮烈に響く「KUNOICHI」、クールなラップをフィーチャーした「I Don't Wanna Die in the Paradise」、ハイテンションなディスコロックナンバー「アタシインソムニア」とアグレッシブな楽曲群が連投され、フロア中の観客たちを容赦なく踊らせていく。続く「BABEL」「The World is Mine」は美麗な映像演出を交えて披露され、聴衆をより深く楽曲世界へ没入させることに成功した。
すると、おもむろにアコースティックギターに持ち替えた熊谷が「では、ここで本日のスペシャルゲストをご紹介いたしましょう」と切り出し、ゲストボーカリスト・CHiCOを呼び込む。2021年発表の初コラボ曲「逢いたい逢えない」、ニューアルバム『ORIGAMI』収録のコラボ曲「Xross Road」の2曲が披露され、オーディエンスたちはCHiCOの清涼感あふれる歌声に酔いしれた。
2組によるステージ共演はこれが3度目だといい、熊谷は「CHiCOさんのグルーヴがわかるようになってきた。我々4人、グルーヴ出てきたなと思いました」と手応えを口にする。「Xross Road」はその感覚が掴めてきたからこそ書けた曲だと明かすと、CHiCOは同曲のミュージックビデオ撮影を振り返り、それまでの人見知りがそこでようやく解消されたというエピソードを披露。すると石川から「我々も緊張で押しつぶされそうだった」との述懐が飛び出し、すかさずCHiCOから「なんでー!?」と声が上がるなど、音楽のみならずトークもグルーヴさせて会場を和ませた。