Nulbarich、なぜ活動休止を決断? 休止前最後の武道館公演に寄せる想い

Nulbarich、活動休止の理由を語る

Nulbarichが12月5日に日本武道館でワンマンライブ『CLOSE A CHAPTER』を開催する。

 2024年末をもって活動を休止することを発表しているNulbarichにとって、約6年ぶりの武道館公演となる同公演は活動休止前最後のワンマンライブ。WOWOWで生中継される本公演は新旧織り交ぜたスペシャルなセットリストが準備されており、「Nulbarichがファンと最高な思い出を作る貴重な公演になる予定」とアナウンスされている。

 リアルサウンドではJQにインタビュー。Nulbarichのキャリアを振り返りつつ、武道館公演に対する思いを語ってもらった。(森朋之)

独自の活動形態でも“バンド”にこだわった理由

ーーNulbarichのデビューは2016年。1stアルバム『Guess Who?』で瞬く間に注目を集めましたが、当初はどんなコンセプトでこのバンドを始動させたのでしょうか?

JQ:準備期間はほぼなかったんですよ。それまではプロデュースの仕事が多くて、表立って自分が何かすることはあまり考えてなかったんですが、いろんなミュージシャンと知り合って、仲良くなったり飲んだりしてるうちに「年を重ねても、たまに集まれるバンドを作っておかない?」みたいな感じで、なんとなくメンバーを集め始めたんです。“大学とかが一緒だった”という仲間ではなくて、大人になってから知り合った人ばっかりなんだけど、バックボーンが違うからこそ面白いし、僕の中で「この人と一緒にやりたい」という人に連絡を取って、「バンドやんない?」っていう。

ーー仲間と集まれる場所を作るのが目的だった、と。

JQ:そうです。リリースするものについては誰が作ってもいいなと思っていたんだけど、僕が先走って作ってしまって。それがたまたまラジオDJの方に渡って、オンエアされて「あれ? どうしよう」みたいな(笑)。メンバーはみんなミュージシャンとして活動をしていたし、事務所に所属してる人もいたから、名前を出せなかったんですよ。みんな忙しいのもわかっていたので、各パートに何人か声をかけて、現場によって切り替えるようにしようと思って。

ーー顔出しはしない、ライブや音源によって参加メンバーが変化するバンドって、たぶん前例がないですよね。ソロプロジェクトだったらわかりますけど。

JQ:ソロプロジェクトだと、どうしても僕が王様になっちゃうじゃないですか。自分が王様の王国を作りたかったわけではなく、さっき言ったようにみんなで集まれる場所を作りたかっただけなので。とりあえずキャラクターを作ろうということになって、僕のシルエットを切り抜いてロゴにしてくれたんですよ。それが始まりなんですけど、めちゃくちゃ猫背だったのが良かったのかも(笑)。

ーー(笑)。特徴的なロゴですよね。

JQ:何も考えてなかったんですけどね。前々から計画してたわけでもないんだけど、世間では「大人(≒業界人)が作ったバンド」みたいに思われて、初期の頃は、それなりにアンチもいて。

ーー2017年からはライブも精力的に行い、アルバム「H.O.T」をリリースした2018年の11月には武道館でワンマンライブを開催。このスピード感もすごかったです。

JQ:そうですね。最初のワンマンは(渋谷)WWWで、すぐに(代官山)UNITでやって。その後はツアーで、年末に(恵比寿)LIQUIDROOM。2018年は新木場STUDIO COAST、Zepp DiverCityでやって、その次が武道館だったと思います。その頃はまだサブスクもそんなに広がってなくて、早耳リスナーの人はFMラジオをチェックして、ライブに行くという感じだったんじゃないかな。

ーーライブをやることで、自分たちの音楽を聴いている人と対面できるのは大きいですよね。

JQ:おしゃれな人が多かった印象があります。メンバーを見たくて来てる感じもあったんですよ。大阪のイベントだったかな? ちょっとポッチャリしてるメンバーもいたから、「もっとシュッとした人たちがやってるのかと思ってたわ!」って野次が飛んできて(笑)。「大阪らしいね!」って言いましたけど、とにかく「観に行ってみよう」というスタミナがあるリスナーさんが多かった気がします。どっちかというとライブの動員のほうが先に延びましたからね。

ーー2019年2月にリリースされた3rdアルバム『Blank Envelope』はドラマ、映画、CMなどのタイアップ曲も収録。同年12月にはさいたまスーパーアリーナ公演を行うなど、活動のスケールが上がっていきました。

JQ:始まっちゃったからには、行けるところまで行こうと思ってたかな。“みんなで集まる場所”というのはずっとそうなんだけど、ある程度は人(オーディエンス)がいて、ガヤガヤ楽しめるようにしておきたいじゃないですか。そのためにも行けるところまで行ったほうがいいな、と。デビューした頃から「マディソン・スクエア・ガーデンでライブをやるのが夢」とか言ってましたから(笑)。

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