アイドル歌謡が咲かす新たな可能性がついにデビュー 華MEN組が歌い繋ぐポップスの魅力と希望
平均年齢29歳の男性6人組アイドル歌謡グループ・華MEN組がデビューした。シンガー、アイドルグループ、声優、ダンサー……さまざまな経歴を持つ彼らは、コロナ禍の激動のなかで自身の夢を一度諦めるしかなかった者もいれば、オーディションに挑むもなかなか前へと進めなかったり、6人それぞれ苦難にぶち当たってきた。しかし“夢”を叶えるために、アイドルとしての自分を思い描きながら、それを乗り越え、アイドルグループ・華MEN組としての一歩を進み始めた。
リアルサウンドでは、デビューを記念して6人全員にインタビュー。オーディション参加の背景まで遡りながら、彼らがどのようにして華MEN組となったのか、5月22日にリリースとなったデビューミニアルバム『華やかに抱きしめて』、そして今後の夢について語ってもらった。(編集部)
“アイドルになること”を諦めなかった6人が集結した華MEN組
――デビュータイミングかつ今回がリアルサウンド初登場ということで、最初に自己紹介からお願いします。
勝村友紀(以下、ユウキ):アニメとダンスをこよなく愛する微笑み王子、勝村友紀です!
内田結稀(以下、ユッキー):丁寧な暮らしを愛するお茶好きボーカル王子の内田結稀、ユッキーです!
石綿宏司(以下、コウジ):華MEN組リーダー、笑い声担当のギャップ王子、石綿宏司です!
橋口巧(以下、タクミ):あなたの心にホームラン! スウィート王子、橋口巧です!
一戸大輝(以下、ダイキ):ダンスが恋人のスタイリッシュ王子、一戸大輝です!
山口晃生(以下、コウキ):不思議ワールド全開、なにわ王子こと山口晃生です!
――皆さんは、なぜ華MEN組のオーディションを受けようと思ったんですか?
ユウキ:僕は小さい頃からアイドルに興味はあったんですが、なかなか一歩が踏み出せないまま大学を卒業して就職し、社会人になったんです。でも、社会人として働きながらもアイドルを諦め切れない気持ちがあって。その頃にはもう年齢的に一般的なアイドルのオーディションは受けられなかった。そんな時に、声優さんもライブをやったり踊ったりということをしていることに気づいて、僕自身アニメも好きですし、声をメインにしたお仕事にも興味を持っていたので、声優を始めました。並行してダンスの勉強もしていたことから、声優とダンサーを両立するようになって、年齢を重ねて重ねて――いや、そこまでは重ねていないんですけど……(笑)。
コウジ:よっ、最年長(笑)!
ユウキ:そう、最年長ではあるんですけどね(笑)。年齢を重ねていくなかで「このままでいいのかな?」と、一度自分の環境をガラッと変えてみようと思っている時に、このグループのオーディションと出会いました。この年齢で“アイドル”を銘打ったグループに応募できるという機会はもうなかなかなかったですし、「これは運命かもしれない」と思って応募しました。
ユッキー:僕は小さい頃からテレビの前で歌ったり踊ったりするのが好きで。高校卒業後、エンターテインメントスクールに10年以上通っていたんですが、デビューの機会には恵まれず。その養成所を卒業したあとも、歌が好きだという気持ちは捨てきれず、個人でボイトレを続けていた時にこのオーディションを教えてもらって、「これが最後のチャンスだ」と思って応募しました。根拠のない自信ですが、誰にも負けないものがひとつあるとしたら、歌への情熱。その気持ちがずっとあったので、ここまで頑張ってこられたんだと思います。
コウジ:僕はもともと違うグループでメジャーデビューをして活動をしていたんですが、4年くらい経った頃にグループの活動が終了してしまって。そのあと2年くらいソロ活動をしていました。でも、やっぱりグループ活動をやりたいと思っていたので、このオーディションを見つけて、エントリーしました。
――ソロで活動をしていたなか、グループとして再出発をしようと思ったのはどうしてだったのでしょうか?
コウジ:以前やっていたグループ活動がすごく楽しかったんです。仲間と何かを作り上げることが僕は好きなんだなと思って、もしまたチャレンジできるチャンスがあったらグループ活動がしたいなと思っていました。ソロの時にやっていた曲は歌謡曲ではなかったので、長く見てくださっているファンの皆さんは驚かれる方もいると思うんです。だけど、幅広くいろいろな世代の方に愛されるような歌手になれるように、このグループで頑張っていければと思っているので、引き続き応援してもらえたら嬉しいです。
タクミ:僕は小さな頃から大学卒業までずっと野球一筋だったのですが、就活の時期にスカウトされたのがきっかけで、初めてアイドルグループに入りました。ただそのグループは始動から10カ月で解散してしまったんです。そこからひとりで俳優として5年間活動していたんですが、グループ活動をしていた時の「武道館でライブがしたい」という夢がずっと残っていて。あと1年ダメだったら実家に帰ろうと思っていたところ、このオーディションを見つけて応募しました。
ダイキ:僕は小学生の時に、神木隆之介さんが主演をされていた映画『妖怪大戦争』(2005年公開)を観て、「俳優になりたい」と思いました。そこから少しずつ芸能界への憧れが芽生えていったなかで、2018年にダンスボーカルグループからお誘いがあって活動させていただきました。でも、そのグループは2年で活動が終わってしまって。それまでもずっとダンスをやっていたので、グループ終了後はプロダンサーとして活動をしていたんですが、運命的にもこのオーディションのことを知ったんです。バックダンサーも楽しいけど、やっぱり自分がメインでやりたいなという気持ちがあったので、オーディションを受けました。
コウキ:僕は“アイドル歌謡”というジャンルに惹かれてオーディションに応募しました。僕は母子家庭で、母が働きに出ていたので、おばあちゃんに育ててもらっていたんです。そのなかで、おばあちゃんが歌謡曲や演歌をずっと聴いていて。だから、これまで俳優として舞台に出演させていただく際などには、メイクの時間や本番直前までの時間に、演歌や歌謡曲を聴いて気合いを高めていくというルーティーンがありました。アイドル歌謡グループのメンバーを募集していると知って、「これだ!」と思ってオーディションを受けました。
――とはいえ、俳優のキャリアもあったと思うのですが、それを手放すことに葛藤はなかったのでしょうか?
コウキ:それも実はすごいタイミングで。俳優をやりながら、実はボクシングも並行してやっていたんです。だけど試合がなかなか決まらず、メンタルもかなりやられてしまって、さらに舞台にもなかなか出られなくなってしまって。そこでもう表に出る仕事は辞めようと決意して、経営の勉強をし始めていたんです。そんな時にこのオーディションを見つけました。
――コウキさんが今「アイドル歌謡だったから応募した」と話してくださいましたが、華MEN組は“アイドル歌謡グループ”で。皆さんの歌謡曲との出会いであったり、それぞれが感じる歌謡曲の魅力はどんな部分にありますか?
ユウキ:もともと歌謡曲をめちゃくちゃ聴いていたかと言われると僕はそうではないんですが、ご縁はいろんなところにあって。以前は、ダンスバトルのイベントによく出ていたんですが、J-POPが流れるイベントで歌謡曲がかかって、それに合わせて踊るということがたびたびありました。あと、昭和をテーマにした舞台に出演させていただいたこともあって、そこでは劇中で歌謡曲が使われていたので、歌謡曲を歌ったり踊ったりしていました。踊る時も歌謡曲はノリやすいし気持ちのいいサウンドが多いんですよ。日本人だからなのかもしれませんが、血が騒ぐといいますか。特に、中森明菜さんの「DESIRE -情熱-」とか「少女A」はめちゃくちゃテンション上がります。
ユッキー:僕が初めて好きになった歌手の方は工藤静香さんです。幼少期に、テレビで観て興味を持って、ビデオクリップ集のVHSを買ってもらって。それを観て真似して歌いながら踊っていました。それこそ、僕たちのデビュー曲「華やかに抱きしめて」の作曲を手がけてくださった都志見隆先生の「Blue Rose」という曲も踊っていましたね。その後、小室哲哉さんプロデュースのアーティストを好きになって、それは今の自分のルーツにもなっているんですが、元を辿っていくと、工藤静香さんをはじめとする“歌いながら踊る”ということを追求されている方に惹かれているんだろうなと思います。
コウジ:僕が歌謡曲に思う印象は、親しみやすさと覚えやすさ。音楽番組のサポートとしてリハーサルに参加できない人の代わりに歌うというお仕事もしていたことがあったんです。曲を覚えていかないといけないんですけど、歌謡曲だとなぜか覚えずとも体に染み込んでいたと言いますか。そういう覚えやすさと親しみやすさが歌謡曲の魅力かなと思います。
タクミ:僕は正直、このオーディションを受けるまでまったく歌謡曲に触れてこなかったんです。今、メンバーのみんなの好きな曲を聴いて勉強しているところではあるんですが……でも、「父と母が車で聴いていたな」とか、実家に帰った時に父と母とスナックに行って聴いていたのは覚えています。
――皆さんに教えてもらった曲などで気に入った曲はありますか?
タクミ:ユッキーが歌う「GOLDFINGER '99」(郷ひろみ)です(笑)。
ダイキ:僕は2つ上の兄がいるんですが、僕と兄が小学生くらいの時から、父と母と兄と僕の家族4人で地元のカラオケスナックに通っていて。そこでとにかくいろいろな歌謡曲を耳にしてきたんです。だから耳馴染みはすごくあるし、好きな曲もめちゃくちゃあります。ひとつ挙げるなら……井上陽水さん・安全地帯さんの「夏の終りのハーモニー」。大好きです。歌謡曲の柔らかさが出ている曲だなと思います。