Dannie May、最新EP『青写真』で手にした新たな武器 バンドと観客の熱量が交差した最新ワンマン

Dannie Mayが手にした新たな武器

 ここで、『青写真』のリード曲である「東京シンドローム」を披露。東京という街の光と闇をダイレクトに描いたこの曲では、観客がダンサブルなリズムにノりながらハンドクラップを打ち鳴らし、新曲とは思えない盛り上がりっぷりを見せた。

 MCパートでは、このライブに対する思いをYunoが語りだす。「俺らみんな生まれも育ちも違うけど、東京の渋谷という街で出会ってさ。だからこの場所で、こんなにたくさんのお客さんが来てくれて、『青写真』っていう東京をテーマにしたEPを引っ提げてライブできるのが本当に嬉しい」と感謝を伝え、「舞台袖で待機してる瞬間って一番緊張するんだけど、出てきてみんなが待っててくれると、あーもう世界で一番俺たちがかっけーわって思うんだよね」と素直な気持ちを明かすと、マサも「みんなが笑ってるの見ると、一瞬で『あ、今日勝ちだ!』って思うよね」と同調。そして再びYunoが「僕たち自分たちのために音楽やってるけど、そこにみなさんがついてきてくれるのは本当に頭が上がらない。今年はさらに皆さんのところに行けるようにがんばります」と、真っすぐに思いを伝えた。

Dannie May

 『青写真』の中でもひと際エッジィな印象を放つ「異形」では、田中タリラがハンドマイクで負の感情をぶちまけるように歌い上げ、観客を圧倒。さらに「KAMIKAZE」「OFFSIDE」とアッパーな楽曲を続けて披露し、ラストスパートへ向けて勢いよく駆け上がっていく。

Dannie May

 Yunoが「最高の音楽と、最高のお前たちと、一緒に叫んでいくぞ!」と叫ぶと、彼らのキラーチューン「ええじゃないか」を投下。フロアはタオルを振り回す観客の熱気でいっぱいに。勢いをそのままに、「ぐーぐーぐー」でとどめを刺す。ギターを置いたマサは、マイクを片手にステージ上で踊り、2人とアイコンタクトを交わしながら、楽しくて仕方がないといった表情を浮かべながら暴れ回る。そんなステージのエネルギーが伝染したフロアもカオス状態になり、この日最高潮の盛り上がりを見せた。

 そしてラストを飾ったのは、夢を語ることを真っすぐに肯定する「コレクション」。フロアからは、いくつもの固く握った拳が高く突き上げられ、力強いシンガロングが響き渡る。爽やかなメロディに乗せられた、〈夢を語るたび強くなれ〉〈何千何万回だろうとやり直せるから〉というストレートなメッセージは、会場にいるすべての人の胸に勇気と感動を与えた。

 新EPの4曲を軸に、鮮やかで隙のないライブを展開したDannie May。彼らが東京のど真ん中で築いた王国は、この先さらに大きく広がっていくだろう。終演後の会場に溢れるたくさんの笑顔を見て、そう確信した。

Dannie May

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