≠ME、飛躍の1年を証明した7周年コンサート 「守るものは決めた」――欠けることなく咲き続ける12色の花

≠ME、飛躍の1年を証明した7周年コンサート

 ≠MEが結成7周年を記念したコンサート『≠ME 7th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』を2月23日にKアリーナ横浜で開催した。

 昨年の6周年ではさいたまスーパーアリーナでコンサートを行った≠MEが、今年開催した会場はKアリーナ横浜。昨年が昼夜の2公演で計2万4000人を動員したのに対し、今年は昼夜合わせて3万人を動員。この1年でさらなる飛躍を遂げたことが分かる。本記事では、夜の部をレポートしていく。

『≠ME 7th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』の模様

 ≠MEにとって7年目となる2025年は、まさにブレイクの年だった。筆者がそのことを感じたのは、昨年6月にぴあアリーナMMで開催された『≠ME 全国ツアー2025「We want to find "カフェ樂園"」』のツアー初日を観たときのこと。平日昼の地方公演も完売するほどに、軒並みソールドアウトを記録したツアーがそのままグループの勢いを示しており、その日のライブも熱気と期待に満ち溢れていたのを覚えている。そして、その期待が歓声に変わったのが「モブノデレラ」でのことだった。YouTubeでのMV再生回数がグループで初めて1000万回再生を突破した、≠MEにとっての新たな代表曲だ。そこから、グループは12月に11thシングル『排他的ファイター』をリリース。表題曲「排他的ファイター」のMVもすでに1000万回再生を突破しており、数字的に見ても≠MEが次のフェーズに進んでいることが示されている。

『≠ME 7th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT』の模様

 そんな今の≠MEを象徴する「排他的ファイター」で、7周年記念コンサートの幕は開く。“自分対自分”をテーマに焦燥感や葛藤を歌い、サビの〈なんで人生ってしょうもないんだろう〉という諦観の先で、ラストに〈僕の世界よ 明日輝け〉と確かな希望が差し込む。「モブノデレラ」に通ずる、マイノリティに寄り添いながら、多くの共感を呼んでいる楽曲だ。そしてあらためて「排他的ファイター」でのステージを観て感じるのは、歌・ダンスにおけるメンバーのパフォーマンス力の高さ。史上最高難度と言われた「天使は何処へ」から3年が経ち、ステージに求められるレベルも次第に高まっていくなかで、≠MEはこちらの想像を悠々と超えていく。大きな会場だからこそ映える美しいユニゾンに、激しいダンスに甘えたりはせず、言わずもがな全て生歌ということにも息を飲む。“勢いが爆発している”というような、圧倒される感覚を1曲目から感じ入った。本編ラストに会場に響いた冨田菜々風の「泥臭くても、カッコ悪くてもいい。守るものは決めた。自分のために、自分自身と戦え!」という叫びが、「排他的ファイター」からのメッセージ、またはアンサーでもあるだろう。

 「排他的ファイター」とは別ベクトルでの勢いを感じたのは、本編の後半に披露された「きゅんかわ人生」だった。11thシングルに収録されている楽曲で、センターを務めるのは櫻井もも。『ラヴィット!』(TBS系)への出演をきっかけにして、個人としてもブレイクを果たし、グループにさらなる追い風を吹かせている。櫻井には初めてセンターを張った彼女の歌唱力が存分に活かされたメタル調の「桃色デイブレイク」があるが、「きゅんかわ人生」は“ももきゅんわーるど”全開なぶりぶりの楽曲。かわいいや青春といったいちジャンルには収まらない、“櫻井もも”というジャンルだ。後半の怒涛の展開に「排他的ファイター」とは違った意味で気圧されながらも、サビの〈ずっとこのままアイドルよ/君がいるなら踊りたいの〉という歌詞にプロデューサーである指原莉乃の描く、“櫻井もも”というアイドルの矜持を垣間見ながら、櫻井の作るハートマークに“きゅんぱわーちゃーじ”された。

 ライブ全体としては、これまでの公演のなかでも一際、物語性の高い構成と演出になっていた。テーマは“自分の色”。本編中盤にあるブロックが、昼公演と夜公演とで入れ替わる構成となっている。特にメンバー一人ひとりがセンターを務める楽曲では、1曲毎に花時計の針が進んでいき、昼公演6曲、夜公演6曲でメンバー12人(時計の12時)の花が咲き誇るといった構成。会場にそびえ立つ12本の柱とキューブ、そしてブロックのラストを飾るのが冨田のソロ曲「空白の花」というのもコンセプトとして見事だ。冨田によるモノローグで、メンバーカラー=それぞれの色を紹介していくのだが、冨田だけは自分の色が分からなくなってしまう。スクリーンに映るVTRの心情を体現するかのように、ステージには冨田を模したダンサーがコンテンポラリーダンスを舞い踊っている。その流れから披露されたのは「モブノデレラ」。曲中に登場する〈私だけグレーになっていった〉という歌詞に思わずハッとさせられる。同じくアンコールで披露された「虹が架かる瞬間」も色というテーマで一際輝きを放っていた。物語上では自分を見失っていた冨田に、蟹沢萌子が色を与えたあとの世界。〈形はいびつでもいいんだ/でも七色の虹より/もっともっとカラフルでいよう〉という歌詞が、12色で≠MEという色だということを教えてくれている。

 昼の部には≠MEにとって初のヨーロッパ、フランス・パリでの『Japan Expo Paris 2026』への出演、夜の部には≠ME初のアリーナツアーの開催が発表され、8年目としてグループがさらなる高みへと突き進んでいくことは明確だ。ほぼMCなし、ぶっ通しのステージがもはや当たり前になっている≠MEだが、もうひとつ当たり前のようでいて当たり前ではないと気付かされたのが、メンバー12人が誰一人欠けることなく、こうして結成7周年という日を迎えられているという事実だ。「虹が架かる瞬間」に歌われている〈12人とみんなだから/見えた景色〉を胸に、≠MEの夢は続いていく。

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