Dannie May、万人に聴かれる音楽へのこだわり 夏曲「Boom Boom Boom」から見据えるバンドの新展開

Dannie May、大衆音楽へのこだわり

 5月にひとつの節目となる1stアルバム『Ishi』をリリース、テレビ出演や東京・大阪でのアルバムツアーも成功させ、次のフェーズに突き進んでいるDannie May。そんななかでリリースされたのが、夏の終わりにぴったりの1曲「Boom Boom Boom」だ。マサ(Vo/Gt)の夏の思い出(どんな思い出かは以下インタビューを参照)をもとに書かれたこの曲が描き出すのは、一夏の恋の燃え上がる気持ちと、それが終わっていく一抹の切なさ。田中タリラ(Vo/Key)による余白を生かしたアレンジも、Yuno(Vo/Kantoku)によるMVも、その甘酸っぱい切なさを加速させている。

 意外にもDannie Mayがこういうアッパーな夏ソングをシングルとしてリリースするのは初めてということで、サウンド感も含めて新たな挑戦となったこの「Boom Boom Boom」ができた背景、そしてこれを経てここから先Dannie Mayはどこに向かっていくのかを3人に語ってもらった。

自分たちの知名度、バンドとしてのレベルが一段上がった(Yuno)

Dannie May
Dannie May

ーーアルバム『Ishi』が出てから約3カ月になりますが、リリース後にワンマンツアーを行うなかで、改めてどんな手応えを感じていますか?

マサ:ツアーで初めて披露したアルバム曲もいっぱいあったんです。そこでやってみて、改めて「Dannie Mayっぽいアルバムだな」とすごく思いましたね。聴いてもらって、もちろん「たくさん聴いたよ」という声もいただいたし、初めてテレビで歌わせてもらう機会もあったので、すごく思い出深いアルバムになりました。

Yuno:アルバムのリリースツアーが初めてだったんです。大阪は去年のツアーでやったときよりもたくさんの人に来てもらえて、ちゃんと自分たちの知名度というか、バンドとしてのレベルみたいなのが、また一段上がったなっていうのはすごく感じましたね。

田中:自分もアーティストの曲を聴くときにはやっぱりアルバムで聴くというか、Apple Musicとかでもアルバムのほうが上に出てくるんですよ。で、下にシングル、EPとなっていて。自分たちも今までけっこう曲を出してきたと思っていたけど、やっぱりアルバムを出して第一歩っていうのを感じたというか。でも、自分が中学生でRADWIMPSを知ったとき、もうアルバム3枚目、4枚目のときだったんですよね。その頃のRADWIMPSは人気ではあるけど、今みたいにめちゃくちゃ売れているという感じでもなかったんですよ。そこまでの時点ですでに彼らはすごい努力をしてきていたわけで、そう考えると僕らはまだまだだなと思う。でもアルバムを出してSpotifyの月間リスナーとかも着実に増えてきているので、それは感じます。

ーー『Ishi』以後どうするか、みたいなところはすでに考えながら動いているんですか?

Yuno:7月のワンマンツアーまでが1stアルバムの期間という感じだったので、それが1回締まって。夏と夏の終わりの境目みたいなところをテーマにしたこの「Boom Boom Boom」を出して、そこからまた僕たちの次のフェーズが始まっていくのかなっていう感じですね。

ーーこの「Boom Boom Boom」はまさに新しい季節の幕が開けていく印象をもつ曲になったと思います。これはいつ頃から準備してきたものなんですか?

マサ:アルバムが終わって、6月くらいから書き始めたので、割と最近です。最初は「TikTokをやってみない?」というところからだったんですよ。

Yuno
Yuno

ーーTikTok?

マサ:そう。サビのデモをTikTokに上げて、聴いてもらえた曲をフルにしていこう、みたいな試み。だからサビだけの曲がいくつか上がっているんですけど、そのなかの1曲がこの「Boom Boom Boom」で。最初はもうちょっとファンクポップみたいな感じでやっていたんですけど、もうちょっと夏に寄せてみようとかいろいろやってみて、最終的にこの形になった。

Yuno:8月リリースというスケジュールがもう決まっていたんです。でもアルバムを出した後の一発目に何をやろうかと考えて。それもあってSNSにいろいろ音源を上げてみて……今、そういうことをやっているアーティストはたくさんいると思うんですけど、僕たちは過去にやったことがなかったので、チャレンジしてみようかと。あと、意外と僕たちは夏に合わせて夏曲を出したことがあまりなくて。ちゃんとシングルとして出したのは結成1年目に作った「夢花火」くらいなんですよね。「Boom Boom Boom」はSNSでの反応もよかったので、「じゃあ、夏曲をここで出そうか」となりました。

マサ:アップテンポの夏曲もなかったからね。

田中:意識としては、フェスとかで何も考えずに、曲を知らない人もパーっとノれるような曲を作りたいなと思って、すごくシンプルになったというか。デモの段階からサビ頭が〈Boom Boom Boom〉で始まっていて、「これで大丈夫かな(笑)」みたいな話もあったんですけど、逆にこれなら知らない人でもノリやすいよねって。

マサ:「マル・マル・モリ・モリ!」のイメージが近いかも。

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