YOASOBI、ライブバンドとしての実力を発揮 驚きの演出も飛び出した『POP OUT』初日レポ

YOASOBI『POP OUT』初日レポ

 バンドメンバーを紹介したAyaseは「『電光石火』ツアーを去年やって、海外でも公演をやらせてもらって、バンド力を高めて参りました。いろんな国のいろんなファンのみんなに会って、エネルギーをもらってパワーをもらって、ここに来ました。それでもやっぱり日本が最高だなって俺は思いたいんだけど、いけるか東京!」とオーディエンスを煽りまくる。思春期にラウドロックに傾倒し、ライブハウスシーンに強い思いを抱いてきたAyase。彼にとって今回のZeppツアーは、ライブバンドとしてのYOASOBIの強さを証明するための意義深いチャレンジなのだと思う。

 大歓声を浴びながら、「OK、その調子でいきましょう。完璧で究極な1日にしましょう!」と語り掛けたAyase。その直後に放たれたのは、もちろん「アイドル」。勇壮かつドラマティックなSEから始まった世界的ヒットチューンは、「オイ! オイ!」というコール、激しく振られるペンライトの光を伴い、熱狂的な盛り上がりを生み出した。アイドル文化を極限まで詰め込んだ楽曲をまさに“完璧”に表現するikuraのボーカルとダンスもすごい。パフォーマーとしての彼女の資質もまた、このツアーでさらに進化することになりそうだ。

 ライブの終盤、ikuraは改めて『POP OUT』(飛び出す、飛び出る)に込めた思いについて話した。小説の世界を音楽にするところから始まって、そこから飛び出し、こうして近い距離でライブができていること。4年前にネットの世界で発信し始めて、みんなで一緒にパンデミックを越えて、ついに家を飛び出して、やっと会うことができたこと。3D演出など、誰もが観たことがないような新しい世界を表現したいという思いーー。

 「日常から飛び出していけるようなツアーにできたらいいなって、みんなで考えてこの名前をつけました。YOASOBIはこれからもどんどんPOP OUTしていきます!」と宣言すると熱気と汗に溢れたフロアから、この日一番の大きな歓声が沸き起こった。

 この日のライブのなかでYOASOBIは、10月、11月に京セラドーム大阪、東京ドームでワンマンライブ『YOASOBI DOME LIVE 2024』の開催を発表した。Zeppツアー、『コーチェラ・フェスティバル 2024』への出演を経て、ドーム公演へ。2024年はYOASOBIにとってまさに“POP OUT”な1年になりそうだ。

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