稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾、2023年は新しい地図にとってひとつの区切りに さらなる個人活動充実への期待も
いよいよ2024年のはじまり。稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の3人は1月1日、2日にかけて『NAKAMA to OSHOGATSU (お正月)~2024年もよろしく!』と銘打ち、東京・日本武道館でファンミーティングを開催する。新しい地図を広げて6年。「ゼロからのスタート」「必死です」と話していたことを懐かしく感じられるほどに、輝かしい年明けを見せてくれた。
振り返れば2023年は新しい地図にとって、ひとつの区切りのような年になった。6年前、地上波レギュラー番組が次々と終了した3人にとって、新たなホームとなったインターネットテレビ『7.2 新しい別の窓』(ABEMA※以下、『ななにー』)。その『ななにー』が2023年秋に大きくリニューアルされた。毎月第一日曜日の7.2時間におよぶ生放送から、毎週72分間の収録放送へとなったのだ。
“毎月7.2時間の生放送”という他に類を見ないスタイルの『ななにー』は、新しい地図の立ち上げ期に重要な役割を果たしてきた。毎月彼らと同じ時間をリアルタイムで過ごすという多くの視聴者との一体感。生放送ゆえに編集できない“ホンネ”で語り合っているという緊張感。そして、かつてとは違う場所で活動することになった彼らに会いに来るゲストとの連帯感……。3人がこれからどうなっていくのかを気にかけ、彼らがNAKAMAと呼ぶファンや共演者、スタッフとの絆を毎月確認し合いながら歩んでいく、そんな時間だったように思う。
その間には世界的なパンデミックもあった。だが、『ななにー』は誰もが経験したことのない混乱のなかでも、止まることなく続いた。それは社会の大きな不安を受け止め、つながりを感じながらエンターテインメントを届けようというSMAP時代から続く、彼らの社会との向き合い方を示してくれることにもなった気がする。そんな貴重な生放送番組だった『ななにー』が、5年の月日を経て『ななにー 地下ABEMA』と名前も新たに収録番組へとリニューアルされたのは、新しい地図が次の章へと進んだ証なのだろう。
12月24日に放送された『ななにー 地下ABEMA #8:X’masに…お騒がせ有名人に色々聞いちゃったSP』では、2023年を振り返る一幕があった。それは『ななにー』内で前月のネットニュースをさらいながらお互いの活躍を振り返るコーナー「ななにーNEWS」を彷彿とさせるもので、久しぶりに3人だけで語り合う姿に、より今の3人の距離感が伝わってきたように感じた。
なかでも印象的だと思ったのが、香取が4月に『まつもtoなかい』(フジテレビ系)で中居正広と6年ぶりに共演したことを振り返る場面だ。香取と中居が何を話すのかと、世間がどれほど注目したのかは、オンエア開始3分でSNSで世界トレンド入りしたことでも明らか。そんな話題となった番組にもかかわらず、稲垣はトーク部分は観ていなかったよう。「別に観る必要なくない?」という発言が飛び出し、香取も思わず大爆笑。だが、その理由について「何を話すかなんてわかってるじゃん、だいたい!」と言うから、実に稲垣らしいなと納得してしまった。
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しかし、そうは言いながらも中居を前に歌った香取のステージは稲垣もしっかりチェックしたと続けた。それは、歌って踊ることが「本業だから」。そう、香取が『まつもtoなかい』へ出演したことは、中居との再会という点でも話題性が大きかったが、それ以上に“ソロアーティスト・香取慎吾”の襲来という点でもインパクトのある出来事だった。そのパフォーマンスを観た草彅が「今までのステージでいちばんかっこよかった。俺もう歌って踊るのやめようと思った。それくらいよかったよ、本当に。それだけよかったってこと。こんなに華やかに俺できない!」と絶賛したほど。この発言に、稲垣も「わかる」と大きく頷いていた。
この草彅が発した「やめようと思った」という言葉は、映画『ミッドナイトスワン』の草彅の演技を観た香取が、あまりの名演技に「お芝居をやめようと思った」と言っていた言葉を受けてのものだ。また草彅は、2023年には香取のステージのみならず、稲垣が10月に主演した舞台『多重露光』にも感銘を受けたと語る。「グルーヴ出ちゃって」「稲垣吾郎に感化された」と、現在主演舞台『シラの恋文』で熱演している根底には、稲垣からの刺激もあったのだ。お互いの「本業」と呼ばれるものに注目し、そこで感じた個性や才能に刺激を受けて、それぞれの仕事へと還元していく。そんな個々の強い足取りをより鮮明に感じられる一年だった気がする。