滝沢秀明が貫く”ファンファースト”の姿勢とは? IMP.らアーティストへの“親”としての愛情も

時間、時代がただただ流れていってしまわぬ様に
平等に与えられた未来という場所で
僕ら人間が夢を見るだけでなく掴む為に
たったそれだけの事。

 滝沢秀明のSNS初投稿(2022年11月8日)には、そう記述された画像が添付され、その画像は上下逆さまだった。これから取り組もうとしていることに対して極めて真摯な姿勢が感じられる丁寧な文面に、上下逆というSNS投稿の初歩的なミス(と思われる)チャーミングさが相まって、同投稿は大きな反響を集めた(Instagramでは正しい向きで投稿されている)。さらにその後もプロフィール欄に自分の思いを書いて更新を繰り返すなどし、その行動の意味を深読みする“考察班”が大いに賑わった。

 
 
 
 
 
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 この“衝撃デビュー”から約3カ月後の2023年3月21日、滝沢は株式会社TOBEを設立を発表。ここでも「今後に関していろいろ考えた結果、僕はやはりもう一度、エンターテインメントの人生を歩もうと決意いたしました。自分の覚悟と皆さんの期待を背負い、新人募集をし、アーティストをプロデュースする会社を立ち上げました。改めてエンターテインメントの世界で走り出すことを本日、ご報告させていただきます」と知らせた。

滝沢秀明が貫く“ファンファースト”、ファンを巻き込むモノ作りとは?

 タレントとしては大スターへとのぼりつめ、経営者として裏舞台に回ってからも巧みな手腕を発揮している滝沢。それでもこのエンターテインメントの世界で地位を築き、評価を得るのは難しいものである。ひとつでも選択を間違えればすぐに信用は失墜してしまう。

 そういったなか、滝沢が徹底的に貫いているのがファンを第一に考える“ファンファースト”の姿勢だと思う。たとえば2019年、構成・演出を担当したTravis Japanによる舞台『虎者-NINJAPAN-』の製作発表記者会見時、同グループの七五三掛龍也が作品タイトルの由来について「滝沢くんが、ファンの方が僕らのことを呼ぶ時の“トラジャ”という呼び名を大切にしたいと言っていて、このタイトルになったんです」「これはファンの方も嬉しいと思いますし、僕たちも嬉しいです」と明かしていたように、滝沢のモノ作りはファンを巻き込むことが重視されてきた(※1)。

 もっとも象徴的なのは、先日11月27日のX(旧Twitter)の投稿である。「TOBEアーティストを応援いただき感謝しております」と題したポストには、「TOBEのアーティストが更なる高みを目指す為、SNSを活用し皆さんと一緒に盛り上げていきたいと考えています」とファンとより密接につながることがアーティストの成長を促すのだと宣言したのだ。続けて、「TOBEにて配信している動画をYouTubeやTikTokなどで広める事で沢山の方の目に触れる機会が増えます。世界と戦う為にSNSを活用する事は今では当たり前の時代になりました。今後、TOBEの動画を皆様の手でさらに演出を加えていただき、共に広げていきたいと考えております」とYouTube切り抜きチャンネル運営の申請フォームとともに力強く呼びかけた。この言葉は、滝沢がいかにファンを信頼しているのかがわかる内容である。

 だからこそ滝沢は、トラブルがあった場合も即座に自分の手で対応する。三宅健、平野紫耀と神宮寺勇太のファンクラブが開設された際には、アクセス過多により入会手続きが遅延。ファンたちが、自分が希望する入会日にファンクラブに入れない可能性が発生した。ただ滝沢は、入会日変更の手続きについてアナウンスし、「個人情報など安全に対応したいと思いますので、対象の皆様には入会日を発足日の日付に変更させて頂きます」と投稿し、ファンを安心させた。12月17日には、ファンクラブ会員からメールマガジンが届いていないという問い合わせを受け、自身のXのアカウントから受信設定の確認を呼びかけたほか、原因について投票を募るなど問題を洗い出した。

 タレント事務所の代表がこのように直接SNSで対策に乗り出す様子はあまり見聞きしたことがない。本来、こういったことはスタッフらが行うのが見慣れた光景である。ただ、同投稿から推察するに、滝沢自身が「誰かをあいだに挟んで対応するのではなく、直接向き合ったほうが誤解がなくなり、的確な指示も出せて、タイムロスも防げる」と考えているのではないだろうか。何より、自分で対応することで学びや経験につながる。またトラブルから得られるものも当然あり、後々にいい形でファンに還元できる可能性がある。滝沢の経営者としての姿勢をあらためて感じさせる出来事だった。

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