IMP.始動から3カ月、「SWITCHing」は未来への道標に? リミックス&MVに見る可能性

 TOBEに所属するボーイズグループ・IMP.が、デジタル3rdシングル「SWITCHing」をリリースした。デビュー曲「CRUISIN'」に引き続き、今作を含め3カ月連続で新曲を発表している。「SWITCHing」のリリースにあわせ、MVも公開された。

 ダンサブルなエレクトロを基調に、ラップやボーカルパートが鮮やかに入れ替わる楽曲である。ブレイク(音数が少なくなる部分)で伸びのある歌声を聴かせ、セカンドバースでは妖艶なトラップが始まる。その直後には再び4つ打ちに回帰し、“ダンス”へと推進。7人の個性が余すところなく表現されている。

 明確にダンスミュージックをリファレンスにしていることから、これまでリリースされてきた3曲のなかでは、最もパフォーマンス映えしそうな内容だ。「早くライブでのパフォーマンスを観たい!」と感じたファンも多かろう。

IMP.「SWITCHing」Official MV

 さらに今作にはふたつのリミックスバージョンが用意されている。さわやかな朝をイメージした「SWITCHing early Remix」、きらめく太陽を想起させる「SWITCHing day Remix」だ。

 オリジナル作品のリミックスをあとからリリースする手法は、ポップミュージックにおいても珍しくはない。近年ではBTSはじめ多くのボーイズグループが取り入れているが、それ以外で代表的な例を挙げれば、レディー・ガガのアルバム『Chromatica』(2020年)だ。本作のリミックスアルバム『Dawn Of Chromatica』が翌年の2021年に発表されており、LSDXOXOやArca、リナ・サワヤマなど、ジャンルの垣根を超えながら、LGBTQIA+やストレートアライが集結した。

 日本では浜崎あゆみの作品に顕著である。とりわけ2000年代の彼女は、極めて積極的にリミックスアルバムを制作していた。参加アーティストもド級のラインナップで、「WHATEVER」のリミックスにフェリー・コーステン、「HAPPY ENDING」にMad Professor、「INSPIRE」にアーマンド・ヴァン・ヘルデンがクレジットされている。ジャンルもトランス、ダブ、ハウスと、実にさまざまだ。

 両作品に共通しているのは、リミックスがオリジナル版とはまた違った世界へ連れて行ってくれる点である。そして、プロデューサーの多くはダンスミュージックを出自としており、出来上がった楽曲もクラブツールの方面に向いている場合が多い。

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