King & Prince、YOASOBI、Mrs. GREEN APPLE、緑黄色社会、菅田将暉……11月9日リリースの新譜5作をレビュー
毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は11月9日リリースのKing & Prince『ツキヨミ / 彩り』、YOASOBI『祝福』、Mrs. GREEN APPLE『Soranji』、緑黄色社会『ミチヲユケ』、菅田将暉『クワイエットジャーニー - EP』の5作品をピックアップした。(編集部)
King & Prince『ツキヨミ / 彩り』
9月に10枚目のシングル『TraceTrace』を発表したばかりのKing & Princeから、早くも新曲が到着。両A面でリリースとなる本作には、平野紫耀が主演を務めるドラマ『クロサギ』(TBS系)主題歌「ツキヨミ」と、髙橋海人主演ドラマ『ボーイフレンド降臨!』(テレビ朝日系)主題歌「彩り」が収録されている。「ツキヨミ」は色気のあるラテンミュージックをフィーチャーしたダンスナンバー。〈愛は要らない〉と拒絶する言葉とは裏腹に狂おしいほどに愛を渇望する心の内を、挑発的なパフォーマンスとともに歌い上げ、大人の魅力を開花させた。一方の「彩り」は軽やかなメロディが心地よいミディアムテンポのラブソング。大切な人への愛や感謝をストレートに紡いだ歌詞もさることながら、髙橋の伸びやかな歌声も聴きどころ。グループの今後に注目が集まる今、改めて稀有な魅力に気づかせてくれる。(渡部)
YOASOBI『祝福』
こんなにも力強く、こんなにも切実なYOASOBIは初めてかもしれない。2022年2月に4人の直木賞作家とのコラボプロジェクト「はじめての」を始動、この夏には初の夏フェスに出演するなど、活動のスケールを広げ続けているYOASOBI。ニューシングル表題曲「祝福」は、現在放送中のTVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(TBS系)のオープニングテーマ。主人公の少女 スレッタ・マーキュリーの葛藤と成長、そして、彼女と運命を共にするモビルスーツ ガンダム・エアリアルの関係を軸にしたこの楽曲は、鋭利な疾走感、スリリングなアレンジ、凛としたメロディが一つになったアッパーチューン。しなやかさ、美しさ、強さを共存させた音像は、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の世界観を際立たせると同時に、YOASOBIの新機軸を鮮やかに示している。(森)
Mrs. GREEN APPLE『Soranji』
透明感と力強さを同時に感じさせる声、〈貴方に会いたくて/生まれてきたんだよ〉というフレーズが聴こえてきた瞬間、切なさ、愛しさで胸がいっぱいになる。今年3月に約1年8カ月ぶりに活動を再開させたMrs. GREEN APPLEのニューシングル表題曲「Soranji」は、映画『ラーゲリより愛を込めて』主題歌に起用された壮大なバラード。ドラマティックに広がっていく旋律、クラシカルな荘厳さをたたえたストリングス、そして、何気ない日々を繋いでほしい、とにかく生きていてほしいという切実な願いを込めた歌詞は、J-POPの枠を大きく超え、普遍的としか言いようのないパワーを放っている。カップリングには映画『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌であるAdo「私は最強」のセルフカバー、音楽と香水のコラボプロジェクト「PARFA TUNE(パルファチューン)」から生みだされた「フロリジナル」を収録。(森)