BE:FIRSTがオーディション課題曲「Be Free」と歩んできた道のり 新録バージョンから伝わる7人の歌声の進化
8月31日にリリースを控えるBE:FIRSTの1stアルバム『BE:1』。そのリード曲である「Scream」が、8月8日付のオリコン週間デジタルシングルランキングおよびオリコン週間ストリーミングランキングで初登場1位を獲得し、アルバムへの期待度が窺える。本アルバムには、BE:FIRSTが誕生したオーディション『THE FIRST』の審査使用曲から新曲まで、グループの軌跡が詰まった全15曲が収録される。その中から、8月1日に先行配信された「Be Free」に焦点を当てて、同楽曲とともにメンバーがこれまで歩んできた道のりを改めて振り返りたい。
爽やかにビートを刻む「Be Free」は、オーディションの合宿2次審査、通称“疑似プロ審査”の課題曲の一つ。この審査はその名の通り、プロが作った楽曲を、プロが作ったコレオグラフで、プロフェッショナルに歌いこなす、というもの。疑似的にではあるが、目指すのはプロのアーティストのクオリティで魅せるステージだ。
そんな審査曲の作曲を手掛けた“プロ”は、Chaki Zulu、sty、そしてSKY-HIの3名。Chaki Zuluは、加藤ミリヤ、MIYAVI、SKY-HI、そして自身のレーベル/クルー<YENTOWN>に所属するAwichやkZmなどを手がけ、その後「Bye-Good-Bye」の作曲でもクレジットされている音楽プロデューサーだ。歌唱部分を手掛けたstyは、EXILEを筆頭にLDH所属アーティストにも数多く楽曲を提供しており、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE「R.Y.U.S.E.I.」や少女時代「MR.TAXI」といった数々のヒット曲もプロデュースしている。また、コレオグラファーには、s**t kingzのOguriをクレジット。合宿中にその名前が発表された際には、参加者も驚きを隠せない様子だった。
このように豪華な面々によって生み出された本楽曲は、そのタイトル通り「自由」を内包する開放感に溢れたアッパーチューンであると同時に、アーティストとして夢を掴み取るためにオーディションに参加したメンバーたちの気持ちも表現した一曲となっている。
チームとして、同曲の練習に励んだのは、現在BE:FIRSTメンバーであるSOTA、MANATO、JUNON、LEOに加え、その後BMSG所属の練習生となったRUIとREIKOの計6人。中でもダンス未経験者だったJUNONとREIKOをチーム一丸となりサポートしながら、楽曲のテーマとなる「自由」をどう表現するか和やかに話し合う姿が見られた。その一方で、チーム最年少のRUIが、前夜に洗った靴が乾かないという理由でスリッパを履いて練習に参加したり、自主的な朝練習にはチームの半分の人数しか集まらなかったりと、少し気がかりな部分も。すると、少し緩んだ空気を察知したチームの年長組でリーダー的存在だったLEOやSOTAが、「負けたチームから一人脱落者が出る。自分の発言には責任感を持とう」「弱いところ、甘いところもあっていいけど、チームとして固いものを持っておこう」と、丁寧な言葉を投げかけた。これには他のメンバーも真剣に耳を傾け、気持ちを新たにした様子が見られた。
「チームのパフォーマンスを向上させるにはどうするべきか」を常に念頭に置き、腹を割って気持ちを伝え合ったことで、楽曲への理解度と仲間との関係性を深めていく姿は、視聴者にとっても印象的だったのではないだろうか。その真摯な想いが功を奏し、本番では「何かが憑依してきたようなパフォーマンス」とSKY-HIから高評価を受けた彼ら。見事に審査をクリアし、次のステージへと駒を進めたのであった。