BE:FIRST、ロックサウンドと力強いリリックを乗せた新時代への挑戦状 ダンスからも読み取れる壮大な世界観

 7月29日に新潟で開催された『FUJI ROCK FESTIVAL’22』のジョナス・ブルーのステージにゲスト出演し、「Don’t Wake Me Up feat. BE:FIRST」を初パフォーマンスしたBE:FIRST。8月31日発売の1stアルバム『BE:1』より、リード曲「Scream」が7月25日より先行配信されている。

 本楽曲はSKY-HIの他に、ジャスティン・ビーバーやSEVENTEEN等を手がけるTiyon “TC” Mackや、SHINee、東方神起、EXO等を手がけるTesung Kim、さらにはBoA、Red Velvet、TWICE等を手がけるMaxx Songを作詞・作曲にクレジット。また、アルバムにも収録されるオーディション課題曲「Move On」の作曲でファンにはお馴染みのSUNNY BOYも参加するなど、豪華プロデューサーとのタッグが実現した。16ビートや8分の6拍子、転調などを巧みに組み込んだ変幻自在のロックサウンドには、プロデューサー陣の本気度も感じる。加えて、〈格の違い/覚悟の違い/誰も並べやしない〉〈すべて塗り替えてやるさ〉など新時代への挑戦状と取れる力強いリリックを乗せた「Scream」は、まさに「1枚目でありながら間違いなく現在考えうる“日本で産まれる音楽アルバムのベスト盤”」(※1)を代表するに相応しい曲となっている。

 配信リリースにあわせて、同曲のMVもプレミア公開された。「自粛・抑制が続く世の中における“ニューノーマルへの帰還”」がテーマの同MVは、BE:FIRST史上最多となる豪華なセットの数々や、幅広い世界観に想像力を掻き立てられる衣装が注目ポイントだ。中でも、各パートで使われているセットに注目してみると、「閉塞感」と「開放感」の両面が繊細に描かれている。

BE:FIRST / Scream -Music Video-

 例えば、「閉塞感」を彷彿とさせるのは以下の場面だ。真っ白な服を着て檻に囚われたRYUHEIが、苦しげな表情を浮かべ柵の隙間から手を伸ばすシーンや、LEOが箱のような狭い空間で座り込みながら歌うシーン。またSHUNTOがアトリエと思われる場所で壁を背にして哀愁感漂う表情を見せたり、自身が絵画の中に入り込んだSOTAが額の外へ出ようとする部分が印象的だ。加えて、動画のサムネイルにもなっている、中心に立つSOTAを他の6人が外側から片手で覆って拘束するような構図にも、何かに縛りつけられているようなイメージを想起させる。

 一方、「開放感」が感じられるのは、RYOKIがシックなタキシードを身に纏って天井の高いラグジュアリーな場所で誘なうようにこちらを見つめるシーン、MANATOが空や高層ビルを背にして歌うシーン。そして、JUNONが白を基調としたデジタルモチーフの空間で、豊かな表情で自在に歌うシーン。全員で映るパートでは、序盤のコンクリートのような無機質さを感じる暗い空間から、最後には金色の特別感あるゴージャスなセットに変化している。何かに縛られていた彼らが、〈最高が何なのか証明しよう〉とするその過程が読み取れるのではないだろうか。

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