Uruが伝えていく、つまずいても前進する力強さ 日曜劇場『マイファミリー』主題歌は大切な人と向き合うための問いかけに

Uru『マイファミリー』主題歌での問いかけ

 Uruが歌う、TBS系日曜劇場『マイファミリー』の主題歌「それを愛と呼ぶなら」が、第3話の放送翌日となる4月24日に配信リリースされた。

 彼女が日曜劇場の主題歌を務めるのは、初タッグとなる小林武史をプロデューサーに迎えた、2020年1月期に放送された『テセウスの船』の主題歌「あなたがいることで」以来、2年ぶり2回目となる。同ドラマは回を重ねるごとに視聴率が上がっていき、最終回では19.6%という高視聴率を記録。Twitterでも「#テセウスの船」が世界トレンド1位に入るなどの大きな盛り上がりを見せた。

 同年2月9日にキャリア初となるデジタルシングルとしてリリースされた「あなたがいることで」は、タイムスリップして父親の冤罪を晴らそうと奮闘する『テセウスの船』のストーリーに向けてに書き下ろされた楽曲で、“過去”と“未来”をつなぐ“今”というかけがえのない時間を描いたオーセンティックなバラードとなっており、オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングで1位を獲得。同年3月18日には「あなたがいることで」を収録した2ndアルバム『オリオンブルー』をリリースし、オリコン週間デジタルアルバムランキングで1位を獲得。さらに、ソロアーティストとしては、オリコン週間音楽ランキング史上初となる、デジタルシングル(単曲)&デジタルアルバム同時1位を獲得するという快挙を成し遂げるほどのヒットを記録した。

【Official】Uru 『あなたがいることで』TBS系 日曜劇場「テセウスの船」主題歌

 そして、11枚目のシングル『Love Song』以来、8カ月ぶりとなる新曲「それを愛と呼ぶなら」は、『マイファミリー』のために書き下ろされた楽曲。作詞作曲をUru自身が手がけ、編曲は「あなたがいることで」以来2度目のタッグとなる小林武史が担当している。小林はUruの歌声や楽曲に関して、「装飾や安直な派手さを寄せ付けないところがあると思っています」と述べ、「できるだけ骨組みの力強さに近づくようと思って、音作りをやりました」と明かした上で、ピアノ伴奏と歌を中心に据え、弦楽器の重奏に加え、ベースとドラム、サビにだけささやかに顔を出すエレキギターによるバンドサウンドを配置。前述の言葉通り、過度なアレンジや細工を施さず、スタンダードな愛着が残る端正なバラードになっており、「彼女やドラマの伝えていくべき事が、力強さの結晶のようにあぶり出されたような気がしています。そして、Uruさんの名曲がまた生まれたような気がしています」と胸を張る仕上がりとなっている(※1)。

 では、小林が語る「彼女やドラマの伝えていくべき事」とは何なのだろうか。ドラマのプロデューサーである飯田和孝は、Uruに「大切なひとを改めて大切と思える前向きなラブソングを」と依頼したという。そのキーワードを受け取ったUruは、「一度躓いてしまったからこそ気づけたことや、それによって自分はどう変わっていくのかという心情を歌った、再生、再起の曲として作りました。前を向けるような、大切な人への気持ちに素直になれるような曲にしたいと思いながら作った」と語り、楽曲を聴いた飯田は「とてつもなく大きな問題に直面し、葛藤したり、悩んだり、泣いたり、怒ったり、そんな登場人物たちの背中をポンと押してくれる、優しくも力強い楽曲だと感じました」と述べている(※2)。

 ラブソングであり、エールソングでもある「それを愛と呼ぶなら」は、掛け違えていたシャツのボタンを下から順に1つ1つ丁寧に外し、もう一度重ね合わせていく“僕”の情景から始まる。誰にでも経験のあることだと思うが、シャツボタンの掛け違いは、最後のボタンで気づくことが多い。そのことから「物事の最初に犯してしまった間違いに、最後になってやっと気づくこと」という意味の慣用句として、しかも、人間関係における認識や考えの間違いについて使われることが多い。ドラマでは、誘拐事件をきっかけに、家族、友人、ビジネスパートナー、学校、会社、メディアや警察など、さまざまな人間関係が複雑に絡み合ったストーリーが展開されていく。主人公は果たして、どこで〈掛け違えていたボタン〉に気づくのだろうか。

『マイファミリー』✕ Uru「それを愛と呼ぶなら」 コラボムービー ~私にとってのマイファミリーProject “KIZUNA”~【過去回はパラビで配信中】

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