Snow Manはなぜ“舞台”に挑み続けるのか 『滝沢歌舞伎ZERO』を通して守り続けるジャニーズの伝統

 今や飛ぶ鳥も落とす勢いで人気を博しているSnow Man。テレビや映画、ラジオ、雑誌など、あらゆる場で活躍をしている彼らだが、グループの根幹を考えると「舞台」の存在は欠かせないだろう。

 ラウール、目黒蓮、向井康二が加入する前のジャニーズJr.時代、岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、阿部亮平、宮舘涼太、佐久間大介の6人は長年舞台で腕を磨いてきた。そもそも、Snow Manがグループとして本格始動をしたのも滝沢秀明主演の舞台『滝沢歌舞伎』からだ。それ以降『DREAM BOYS』『ABC座』『JOHNNY'S WORLD』『少年たち』など、ジャニーズの伝統舞台に数多く出演し、主演を務める先輩たちを支えてきた。「職人」と言われるほど巧妙なパフォーマンスは素晴らしく、Snow Manが出演しているだけで安心できていた部分もあるように思う。そういった実力が評価され、2016年頃からは主演舞台も務めるように。さらに、目黒は『滝沢歌舞伎』『JOHNNY'S WORLD』『ABC座』、向井は『少年たち』『ジャニーズ・フューチャー・ワールド』『滝沢歌舞伎』、ラウールは『JOHNNY'S WORLD』など、3人もそれぞれに舞台を通じて経験を積んできている。

 こうしてSnow Manと舞台は深い縁があるからこそ、『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)で取り上げられた際も『滝沢歌舞伎ZERO』にフォーカスしたシーンが多かった。2019年からSnow Manが主演を引き継いだ『滝沢歌舞伎』は、和のエンターテインメントを凝縮した舞台。2006年に『滝沢演舞城』としてスタートし、のちに主演の滝沢本人が演出も手掛けるように。長い時間をかけて滝沢が大切に育ててきた分、求められるレベルは非常に高い。『RIDE ON TIME』でも演目の一つである「腹筋太鼓」中に手の皮がむけるほど全力でパフォーマンスをしたり、練習中に岩本照が怪我をしていたり、体を酷使している様子が映っていた。さらに番組では『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』の舞台裏についても取り上げられていた。映画故に何テイクも撮影が行なわれるが、それでも毎回全力で挑むSnow Man。あまりのキツさに顔を歪めているシーンも多かったが、真剣に取り組んでいる姿は美しい。そして、辛さに弱音を吐くのではなく、乗り越えるべく自分を追い込んでいるシーンも少なくなかった。その姿勢こそが彼らのスキルを伸ばし、留まるところなく成長していっている理由なのだろう。

『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』本予告
Snow Man「ひらりと桜」(from「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」)
Snow Man「Black Gold」(from「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」)

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