マーティン・ギャリックスらによるAREA21、Daft Punkを彷彿とさせる規格外のコンセプトを紐解く

AREA21、規格外のコンセプトを紐解く

 そんな“二人のエイリアンによる音楽プロジェクト”というアイデアは、これまでに登場してきたコンセプチュアルなアーティスト、例えばGorillazやDaft Punkがそうだったように、音楽以外のクリエイティビティも大いに刺激する。彼らはどんな存在なのか? どんな旅路を歩んできたのか? 普段はどのように生活しているのか? そんな好奇心のひとつ一つが、AREA21というプロジェクトを定義していく。そして、彼らはNetflixの人気カートゥーンシリーズ『ビッグマウス』や『ミッドナイト・ゴスペル』といった作品を手掛けてきたTitmouse社と全面的にタッグを組み、ミュージックビデオの制作を行っている。いずれの映像作品もビビッドな色使い、大胆な動きを多用した非常にリッチな内容で、二人のエイリアンはその存在感を思う存分発揮している。

AREA21 – La La La (Official Video)

 また、AREA21のミュージックビデオは、それ自体が一つの物語を描き出す構造となっている。例えば「ラ・ラ・ラ」では、二人のエイリアンが退屈そうな日々を過ごしている別の宇宙人たちを片っ端から宇宙船に吸い上げていき、ダンスパーティで盛り上がる様子が描かれているのだが、映像終盤で彼らは不慮のアクシデントによって地球へと落下してしまう。さらに「ポゴ」では、二人が地球へと降り立ち、逮捕寸前になりながらもポゴスティック(=ホッピング)で逃走、ラスベガスの地へとたどり着くと地球人を音楽で魅了する、というエピソードが描かれている。これはまさに、今から約20年前、名盤『Discovery』をリリースした際に松本零士とタッグを組み、ミュージックビデオを通して二体のロボットの物語を描いていたDaft Punkの姿を彷彿とさせる試みだ。例えば音楽自体にそれほど興味がなかったとしても、前述したカートゥーン作品や、コンセプチュアルなアーティストに関心のある人であれば、ぜひミュージックビデオを入り口にしてAREA21というプロジェクトに触れてみてほしい。

AREA21 – Pogo (Official Video)

 AREA21は、全く異なるバックグラウンドを持つ二人がお互いの知識を共有しながら全く新しい音楽を創り上げ、そしてその制作プロセス自体が“二人のエイリアン”というアイデアへと繋がり、さらに物語やアートワークへと発展していく、単なるアーティストのコラボレーションという枠組みを遥かに超えた壮大なプロジェクトなのである。恐らく、今後もそのクリエイティビティは拡大を続けていくことだろう。この未知との遭遇を見逃す手はない。

『グレイテスト・ヒッツ Vol. 1』

■リリース情報
AREA21
デビューアルバム『グレイテスト・ヒッツ Vol. 1』
2021年11月12日(金)発売
視聴・購入はこちら
価 格:¥2,750(税込)
初回プレス盤限定封入特典:
・AREA21キャラクタ―・ステッカー(1シート4絵柄) 
・AREA21オリジナルTシャツ抽選応募用シリアルナンバー

<収録曲>
01. 21
02. ラ・ラ・ラ
03. ポゴ
04. ノー・エンジェル
05. ラヴィン・エヴリー・ミニット
06. モナ・リザ
07. オウン・ザ・ナイト
08. フォロワーズ
09. ヒューマン
10. オール・アイ・ニード
11. タイム・マシーン
12. ゴーイング・ホーム
13. ラ・ラ・ラ(Drove Remix)※日本国内盤CDボーナス・トラック

■関連リンク
AREA21日本公式サイト

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