Wienners、妄想と現実入り交じるライブエンターテインメントの凄み フロアの熱気に感じたライブハウスらしい光景

Wienners、ライブエンターテインメントの凄み

 パズルのピースがガチっとハマる瞬間を見たようなライブだった。Wiennersがニューシングル「FACTION」を携え、東名阪で開催したツアー『Welcome to the FACTION』ファイナル公演の渋谷CLUB QUATTROにはどこか和気あいあいとしたムードだ。未だ人数制限もあるし、声を出しての声援、モッシュ&ダイブももちろんNG。だが、結成時からのファンをはじめ、昨年のメジャー再出発アルバム『BURST POP ISLAND』や、「FACTION」がTVアニメ『デジモンゴーストゲーム』のオープニング主題歌に起用されたタイミングで合流したファンが、コロナ禍の時間経過の中で徐々に増加し、ようやくこの日、ライブハウスに集合した印象を受けた。

Wienners

 どんなタイミングで出会ったファンも置いていかない選曲とライブのテーマ性ーー「現実(FACT)と妄想(FICTION)を行き来する」ーーをコロナ対策の張り紙のデザイン、階段や場内の装飾で演出したり、開場前のアナウンスをアサミサエ(Vo/Key/サンプラー)が魔女風に語ったり、肝心のライブでは曲と曲をつなぐライブアレンジに腐心し、集中力が持続する流れを作り出すといった具体的な表現方法に落とし込むなど、多面的に実現していたことが冒頭の印象の理由だ。

玉屋2060%

 冒頭からKOZO(Dr)の凄まじいブラストビートが轟く「ジュリアナディスコゾンビーズ」、アサミサエのシンセがキャッチーな「RAISE A RIOT」、「TOKYO concert session」を一気に走り抜け、早々に「FACTION」を披露する潔さ。アニメ主題歌だからというわけではないだろうが、掴みやすいキャッチーな歌メロに小気味いい4つ打ち、そしてアサミサエのボーカルがフィーチャーされる展開もしっかり聴かせる。

 また、転調、リズムチェンジも気持ちいいぐらい決まって、ジャンプするフロア、キメのクラップなどなど、これほどアクティブなライブハウスらしい光景を久しぶりに見た。マイナーキーからの「恋のバングラビート」のつながりもしっくりハマり、歌謡曲テイストの歌メロとAgain Dub Foundationと日本のお祭りビートが邂逅したようなビート感に自然とクラップが起こる。BPMも展開も「BECAUSE I LOVE IT」での人力の限界に挑むような演奏にバンドならではの痛快さを感じた。拍手の音の大きさと長さにファンの思いの丈が詰まっている。

 MCタイムにはお祭りの笛の音などのSEを流しながら玉屋2060%(Vo/Gt)が”パンク侍”調の口上を述べて「おおるないとじゃっぷせっしょん」へ。そしてKOZOの16ビートのドラムに ∴560∵(Ba/Cho)のベースソロが重なり、玉屋がハンドマイクに持ち替えての”ジャズ・ファンク浪曲“めいた「座頭市」で、凄まじいスピード感で進むライブの随所に見せ場を作る。

KOZO



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