Wienners 玉屋2060%が目指す、前例がないパンクバンドの理想形 『デジモンゴーストゲーム』OP曲制作秘話

Wiennersが目指す、前代未聞のパンクバンド

 昨年2020年5月にメジャー再デビュー作となるアルバム『BURST POP ISLAND』をリリース……したものの、コロナ禍の影響でその後のツアーは延期・中止となり、「ライブを想定して作った」という同作の楽曲を主戦場であるライブで披露することもままならないまま進んできたこの1年のWienners。とはいえ、その間もホームであるライブハウス、吉祥寺WARPを救済するためのプロジェクト「SAVE THE WARP」を立ち上げたり、SNS上でファンも巻き込んで曲を作ったり、フロントマン・玉屋2060%に関して言えばアイドルから歌い手までさまざまなアーティストに楽曲提供をし、ゆずのアルバムにアレンジャーとして参加、相変わらず精力的に仕事をし……と、彼らは動き続けていた。

Wienners『FACTION』Music Video (デジモンゴーストゲーム OP主題歌)

 10月20日に配信リリースされる新曲「FACTION」には、そこで得たものや挑戦したことが明らかに注ぎ込まれている。TVアニメ『デジモンゴーストゲーム』(フジテレビ系)オープニングテーマとして日曜朝のお茶の間に流れるこの曲に見えるWiennersの新たな一面とは? 8月にリリースされた「GOD SAVE THE MUSIC」のことも含めて、Wiennersの現在地を玉屋にたっぷり語ってもらった。(小川智宏)

コロナ禍での再メジャーデビュー

Wienners

ーー昨年コロナ禍ど真ん中に『BURST POP ISLAND』を出し、その後ツアーも中止になったりして。大変な1年を過ごしてきたんじゃないかと思うんですけど。

玉屋:そうですね……でも、なんだかんだで時間を有効に使えたなっていうのもあって。個人的にはあまり落ち込んだりとかはなかったんです。バンドでは、Twitterのリプライで募ったアイデアから曲を作るリプライ作曲をやっていましたし、あと俺は歌の練習。ずっとできていなかった歌の練習に時間を費やしたり、曲を作ったりとか、なんだかんだで毎日せかせかやってましたね。もちろん落ち込んでるメンバーもいたし、ライブはやりたかったですけど。『BURST POP ISLAND』は特にライブを想定して作ったアルバムだったんで、それをライブでできないっていうのは、相当ストレスにはなりました。

ーーそれはもちろんそうでしょうけど、じゃあメンタル的には比較的健康的というか、やれることをやっていたっていう感じなんですね。

玉屋:そうですね。読もうと思って買ったけど読めていなかったマンガや本を読んだり、あとはミックスの勉強に、ソフトシンセの勉強とか。コロナ禍でプラグインやソフトシンセをいっぱい買って、めちゃくちゃお金を使ったんですよ(笑)。俺、こう見えてっていうか、マジでパソコンに弱くて。ソフトウェアのインストールとか、アクティベートとか言われるとそれだけでもう怖くなっちゃうんですよ。なのでずっと手を出していなかったんですけど、コロナ禍で時間があるからゆっくりできるなと思って、何日もかけてインストールとかしてましたね。

ーーなるほど。歌の練習っていうのは?

玉屋:歌に関しては自分は素人だと思っているので。本当にちゃんと歌わなきゃって思ったのもバンドが始まってしばらく経ってからだったんです。それまではとりあえず叫んでおけばいいみたいな感じだったんですよ。だけど、やっぱり自分の気持ちをちゃんと伝えたいなら歌唱力が必要なんだなと思い知らされて。そこに関しては他のボーカルと圧倒的に差をつけられてる部分だっていうのは自覚していたし、まだまだ成長途中ではあるんですけど、でもちょっとずつ本格的に向き合えるようになって。今ライブが再開して、ちょっと前に進めている実感もありますね。

玉屋2060%

ーー「GOD SAVE THE MUSIC」も「FACTION」も、去年リリースした「ブライトライト」もそうなんですけど、歌がめちゃくちゃよくなったなと思ったんですよね。

玉屋:マジっすか? 結果として出てればよかったです。

ーーあとは、楽曲提供とか、ゆずのアルバムにアレンジで参加したりとか、そういういわゆる外仕事はコロナ禍でも相変わらずやっていますね。むしろ増えたんじゃない?

玉屋:そうですね、仕事はずっといただいてたんで、ずっとやってましたね。やっぱり人に提供する曲のときは、自分発信じゃなくてお題を向こうから与えられるっていう感じなので、自分のバンドだったら絶対開けない引き出しを開ける作業になってくる。そうなってくると「自分では開けようとしなかったけど、この引き出し、開けてみたらこういうのが入ってたんだ」みたいな発見があって、それをバンドに還元できる。それは本当にいい仕事をさせてもらっているなっていつも思いますね。バンドと外仕事がいい作用でお互い繋がっているな、と。

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