櫻坂46、「流れ弾」パフォーマンスが飛び抜けて型破りな理由とは? TAKAHIROが明かした3つのポイントを軸に解説

 櫻坂46の3rdシングル曲「流れ弾」(10月13日発売)のパフォーマンスが各音楽番組で続いている。テレビ初解禁となった10月4日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)では黒い衣装で登場しフルサイズを披露。その後、15日の『ミュージックステーション35周年記念4時間スペシャル』(テレビ朝日系)では赤い衣装で踊り、16日の『バズリズム02』(日本テレビ系)では同じく赤い衣装、そして同日の『シブヤノオト』(NHK総合)では黒い衣装といったように、番組によって2種類の衣装を使い分け、それぞれ印象の異なる世界観を表現していた。『シブヤノオト』では同グループのデビュー時より振り付けを担当しているTAKAHIROがVTR出演し、今回の「流れ弾」の振り付けを自ら解説。それによれば、本曲は大きく分けて以下の3つの点がポイントだという。

櫻坂46『流れ弾』

①社会と個人の対立構造

②エネルギーを放出させる大きな動き

③すべてを削ぎ落として表情でみせる

 これらの項目に注目して彼女たちのパフォーマンスを分析してみたい。

①社会と個人の対立構造

 この対立構造は、櫻坂46が改名する前の欅坂46時代から一貫しているものだ。例えば「サイレントマジョリティー」において、いわゆる“モーセ”の振りで右腕を突き上げながら前進する平手友梨奈に対して、その他のメンバーは跪いて“一対多”を強調する。「不協和音」についても間奏からラストサビに至るまでの流れで平手とその他のメンバーの対立構造がくっきりと表れる。そしてこの構造が表題曲のパフォーマンス面で顕著に表れたのが「アンビバレント」と「黒い羊」だろう。

欅坂46 『アンビバレント』

 「アンビバレント」では、センター平手がAメロからBメロにかけてグループに弄ばれるかのような振りを見せ、サビでは衣装を引っ張られたり、たまにシンクロすることで、楽曲が歌う社会との距離感に対するアンビバレントな思いを伝えていた。さらに「黒い羊」では明確に“個と集団”というテーマを追求。グループ全体がセンター平手を指を差したり、転げ回すことで集団が個人を排除していく流れを表現していた。

欅坂46 『黒い羊』

 こうした欅坂46時代のフォーマットを踏襲しつつ、そのテーマを言葉の暴力が飛び交う現代のSNS社会に当てはめたのが今回の「流れ弾」だと言える。なかでも、SNS社会という舞台設定を直接的に表現したのが『ミュージックステーション』のパフォーマンスだ。この日はメンバー全員がスマートフォンを持ち、画面を凝視した状態からスタート。やがて切れ味鋭く踊りはじめたメンバーたちに対して、センターの田村保乃は踊らず、たまにスマホの画面を覗きながらただゆっくりと歩いていく。SNSを介して自分に向けられた“流れ弾”を誰が撃ったのか探るような、不穏なムードを漂わせる序盤の演出だ。その後、センター田村はメンバーに両腕を掴まれて引き摺られたり持ち上げられたりすることで、社会と個人の対立構造が描かれていく。

②エネルギーを放出させる大きな動き

 本曲の要とも言えるポイントで、とりわけ後半の狂気的なダンスにそれがよく表れている。『日経エンタテインメント!2021年11月号』の連載「櫻坂46 菅井友香 いつも凜々しく力強く」によれば、MV後半のダンスは「今までにない表現をしたいので、ネジが1つ取れたぐらいの勢いで」とTAKAHIROが指示したという。そのため今までのアイドルによるダンスにはないような奇抜な動きも多く、これまでの同グループのパフォーマンスと比べても飛び抜けて型破りな姿勢を感じるものとなっている。

 例えば、腕を勢いよく広げる、ブンブン振り回す、脚を大きく広げて腰を落とす、上半身を前に突き出すといった、前後左右に身体を大きく見せるダイナミックな振りが多い。さらにそこに素早さが加わることで、内から湧き出るエネルギーのようなものや、既存のダンス表現の枠を飛び越えようとする力、無機質なものに抗う人間の生命力のようなものがステージから伝わるダンスになっているように思う。総じて社会に漂う閉塞感を打破するようなパワフルな魅力が詰まったパフォーマンスだ。



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