『流れ弾』インタビュー
櫻坂46 小池美波&井上梨名&関有美子が語る2年目のテーマ 挑戦する中で色づき始めた“櫻坂らしさ”
櫻坂46が10月13日に3rdシングル『流れ弾』をリリースした。今年の夏には初の有観客ライブを行い、グループとして初めて楽曲をファンに直接届けられたことで、櫻坂46の持つ躍動感や表現力がますます開花してきている。それを象徴するのが今回の「流れ弾」という曲であり、田村保乃がセンターを務める圧巻のMVを見れば、彼女たちの進化をしっかり感じ取ることができるだろう。今回は、小池美波、井上梨名、関有美子の3名が登場。早くもグループとして2年目を迎える中で、様々な経験を通して強くなっていく櫻坂46の現在地を語ってもらった。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
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櫻坂46 小池美波&井上梨名&関有美子が紹介する
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— Real Sound(リアルサウンド) (@realsoundjp) October 13, 2021
日向坂46との「W-KEYAKIZAKAの詩」で見えた特別な景色
ーー2ndシングル『BAN』リリース後、櫻坂46としては初の有観客ライブが実現しました。まず、6月16~18日の3日間は井上さんと関さんが出演した『BACKS LIVE!!』を開催し、欅坂46時代以来の有観客ライブとなりましたが、実際にお客さんを前にしてみていかがでしたか。
関有美子(以下、関):客席との距離が近いこともあって、1曲目の「Nobody's fault」でステージ下からせり上がっていく瞬間から、客席の熱気が伝わってきて。「ファンの皆さんがいるライブってこういう感じだったな」「ライブってこういうところがいいな」ということを新たに発見した3日間でした。
ーー具体的にどういうところをいいなと感じましたか?
関:配信だと、観てくださっていることはわかるんですけど、どれくらい楽しんでいるのか、今どういう表情で聴いているのかがわからなくて。でも、有観客だとマスク越しでも「こんなに真剣に観てもらえているんだ」とか「こんなに盛り上がっているんだ」ということが目だけでもわかるので、そこが良いところだなと思います。
井上梨名(以下、井上):私も、以前は当たり前のように感じていた「ファンの皆さんが目の前にいる」ということが、今では不思議に感じられて。たぶん、観る側も私たちを前にして戸惑いもあったと思うんです。例えば「どこまで体を動かしていいんだろう?」とか、「声を出したらダメと言われているけど、じゃあ他のことはどうなんだろう?」とか。でも、そこは自分たちが流れを作っていけたらいいなと思いました。何よりもまずは目の前にいてくださることが本当に嬉しくて。目が合う瞬間もそうですし、スティックバルーンを一生懸命叩いてくださっている姿からも「本当に楽しみに待っていてくれたんだな」という気持ちが伝わって、さらに頑張らないといけないなと実感しました。
ーー小池さんは『BACKS LIVE!!』をご覧になったそうですが、同じグループのライブを客席から客観的に観ることって、なかなかない経験ですよね。
小池美波(以下、小池):そうですね。最初の2日間は配信で観たんですけど、1曲目の「Nobody's fault」でステージ下からメンバーがせり上がってきたとき、みんなの目に涙が浮かんでいることに気づいて。いろんな感情があるんだろうなというのが伝わってきて、ちょっと羨ましくも思ったんですけど、3日目に会場で観たらみんなの生き生きした姿はもちろん、がむしゃらで必死な感じも伝わってきて、それが応援したくなるような感じだったんです。もしかしたら今の櫻坂って、このがむしゃらさや必死さが魅力なのかもしれないと客観的に感じて、この状態をずっと大事にしていきたいなと思いました。
ーーそういう意味では刺激をもらったと。
小池:はい。欅坂46時代は後半になるにつれて、ちょっとずつ慣れてしまったところも多かったのですが、この必死さや一生懸命さをずっと忘れず、これからも維持していきたいなと思います。
ーーその後、7月9~11日には『W-KEYAKI FES.2021』を開催して、初日は櫻坂46単独ライブ、2日目が日向坂46単独ライブ、3日目は2組の合同ライブでした。初日は全メンバー揃って初の有観客ライブでしたが、今振り返るといかがですか?
小池:すごく緊張しました。櫻坂46の曲を配信という形ではなく、直接披露するのが私はそのときが初めてで。配信が続いていたから、「直接皆さんに届けるってどうしたらいいんだっけ?」というのがわからなくなってしまって、ずっと緊張していたんです。でも、来てくださったファンの方に「ライブで印象が変わる曲」とか「これから1日に1回この曲は聴きたいな」とか、そういう曲をひとつでも作ってもらえたらという気持ちは大切にしていました。
井上:メンバー全員で迎える初めてのライブだったので、個人としてはもちろん、今の櫻坂46をリアルに感じてもらえるよう、絶対に成功させたいなという想いがありました。
関:それに、日向坂46さんのファンの方も観に来てくださっているかもしれないと思ったら、私たちのことをよく知らない方にも「もっと観たい!」ってワクワクしてもらえるライブにしないといけないな、と考えて臨みました。
ーーライブが終わった後に、小池さんがアップしていたブログ(※1)にすごく感銘を受けまして。ここまでの覚悟を持って挑んでいたんだなというのが、熱量としてちゃんと伝わってきました。
小池:嬉しいです。ありがとうございます!
ーーだからこそ3日目の最後に、久しぶりに日向坂46と一緒に「W-KEYAKIZAKAの詩」を歌ったとき、どういう心境だったのか気になったんです。
小池:「W-KEYAKIZAKAの詩」だけは欅坂46のラストライブでも披露していなかったですし、私の中でもけやき坂46と一緒に歌うのが大前提の楽曲だったので、日向坂46と櫻坂46になってまた「W-KEYAKIZAKAの詩」を歌えて、お客さんが楽しんでいる姿も見られたことが嬉しかったです。
井上:確かに2グループが一緒に歌う意味というのは、私たちよりも先輩方のほうが強く感じているのかなと思うんですけど、私たちが櫻坂46になったことで、欅坂46が好きだった方たちは離れてしまったんじゃないか、という思いが少しあって。
小池:そうだね。私も(求められているのは)欅坂46なのかなと思ってしまうこともあって、自分の中でいろんな感情がごちゃごちゃになって。
関:でも、久しぶりに全面緑のペンライトを見たときに、純粋に「懐かしいな、こんなに綺麗な緑ってあるんだな」って、(欅坂46から)離れたからこそ気づいたというか。
井上:今もついてきてくれている人がこんなにたくさんいるんだなと思ったら、ネガティブに考えるよりも「目の前にいる方たちと一緒にもっといろんなところに行けたらいいな」「感謝をもっと伝えたいな」と思えるようになりました。
綺麗なだけでなく、感情を爆発させる踊り
ーー9月11日からはいよいよ初の全国ツアー『1st TOUR 2021』も始まりました。この取材時点では最初の福岡2公演を終えたばかりですが、手応えはいかがですか?
小池:スタッフさんからは「誰に見せても大丈夫なライブだった」と褒めていただけて、それはすごく嬉しかったんですけど、「もっとこうしたい」という思いも強くて。もちろん、これからどんどん良くなっていくと思いますが、悔しさが残るライブをファンの方に見せたくはないので、「しっかり届けられたかな?」「一緒に良い思い出を作れたかな?」と考えつつ、ここからの成長をもっと見てもらえたらいいなと思っています。
ーー10月31日のツアーファイナルでどこまで進化するのか、楽しみにしています。ここからはニューシングル『流れ弾』の話題に移ります。シングルを重ねるごとに熱量が高まっている感じがしますが、今回の爆発力は過去イチだと思いました。最初に表題曲を聴いたときは、どう感じましたか?
小池:アイドルの楽曲としては想像していないようなイントロで、今まで挑戦したことがないタイプの楽曲というか。これまでの櫻坂46の曲はイントロが長めのものが続いたんですけど、今回はすぐにサビが来るから頭に残るんじゃないかなと。でも、タイトルを見て歌詞を読んだら、ちょっとエグいなと思いました(笑)。
ーーわかります(笑)。
小池:個人的には3rdシングルって勝負作というか、すごく大事な作品になると思っていたんです。「BAN」のときもなかなかだなと思ったんですけど、今回は「流れ弾」というタイトルとか〈リンチパーティー〉という歌詞とか、「BAN」を超えてくるパワーワードに溢れていたので、ちょっと不安なところもあって。でも、ダンスの振り入れをしていくうちに、女性の中にある強さを美しく表現しているなと印象が変わっていったんです。こういう新しいことにこのタイミングに挑戦させていただけるのはある意味チャンスだと思うし、ここで絶対に革命を起こしたいなと思って挑みました。
ーーMVを観ると、パフォーマンスは激しいですが、表情に憂いやクールさがあり、さらに笑顔も加わっていくなど変化していきます。その見せ方も今までとは違ったものを感じました。
小池:そうですね。MVではセンターの(田村)保乃ちゃんだけが違う感情を持っていて。私たちは保乃ちゃんに対して「怖いよ」と感じているのが、序盤の黒衣装のシーン。そこからヘドバンをして、みんなの表情が怖い場面があるんですけど、そのあたりから少しずつ自分の感情を解放させていって、赤の衣装に変わったときに感情が解放されて。みんな楽しく笑っているんですけど、ちょっとだけ狂気的な感じなんです。
ーーこのMV、特に小池さんに目を惹かれるんですよ。
小池:えっ、本当ですか? 嬉しい(笑)。
ーー櫻坂46になってから、小池さんは特にダンスに力を入れている印象を強く感じるのですが、意識に変化はありましたか?
小池:以前は綺麗に踊ることばかり考えていたんですけど、最近は自分が爆発させたい感情をそこに乗せることを意識するようになりました。(藤吉)夏鈴ちゃんのダンスや表現における爆発力がすごく好きなので、夏鈴ちゃんを見て勉強したり、武元唯衣ちゃんの爆発力もすごいので参考にしたりしています。あと、他のアーティストさんのMVや映画を観て学んで、「こういう表情いいな」と思ったものを櫻坂46でのパフォーマンスに取り入れることを試みています。
ーーなるほど。井上さん、関さんは「流れ弾」を聴いてどう感じましたか?
井上:すごく新鮮で、ダンスやMVを観たときの画力に圧倒されます。アートワークもそうですけど、赤の衣装も今までになかったじゃないですか。櫻坂46は最初、白が中心だったので、それも意外だなと感じます。
関:強い赤なんですけど、デザインが女性らしくてしなやかで。曲調含めて、また新しい櫻坂46の形なのかなと思いました。