KizunaAI「不安が強かった」活動再開前後の心境を語る 2曲目の新曲「まざる」にも表れる音楽活動への意欲

KizunaAI、活動再開前後の心情

 2025年2月26日、バーチャルビーイングの先駆け的存在であり、バーチャルアーティストであるKizunaAIが、3年間のスリープから突如目を覚ました。その余韻に浸る間もなく、活動休止中に抱いた様々な想いを吐露した楽曲「かもね」をリリース。不安が入り混じる中、待ってくれている人たちへ向けた切実な想いを表現し、〈ハローアゲイン〉の言葉でリスナーに対して帰ってきたことを強く認識させる印象深い一曲であった。

 そして復帰から1カ月後の3月26日、2曲目の新曲「まざる」が世に放たれた。作曲を成田ハネダ(パスピエ)、作詞をKizunaAIとボカロPとして活動する是が手掛けた本作。精力的な音楽活動への布石と、眠りからの目覚めを歌った「かもね」をさらに深掘りするような楽曲で、スリープ中のKizunaAIの心情をより理解できる構成となっている。今回リアルサウンドでは、KizunaAI本人にインタビュー。活動再開における心情、「まざる」のエピソードを中心に話を聞いた。(森山ド・ロ)

活動再開の時は不安8割、ワクワク2割という気持ち

ただいま

――まずは活動再開おめでとうございます!

KizunaAI:ありがとうございます!

――2025年2月26日、3年ぶりに活動を再開しましたが、率直にどのような心境でしたか?

KizunaAI:活動再開の時は不安8割、ワクワク2割という気持ちでした。やっぱり3年間もスリープしていたので、もうほとんどの人は私のことを忘れてしまっているんじゃないか、音楽アーティストという形での活動再開は求められていないんじゃないかという不安が強かったです。それでもありがたいことに待ってくれている人の声がありましたし、何より私自身もう一度つながりたいという思いが強くあったので、再開を決意しました。実際、想像以上に温かい声で迎えていただいて、本当に嬉しかったし、これからもう一度頑張ろうという決意が強まりました。

――確かに、活動を再開して真っ先に「かもね」をリリースしたところを見ると、音楽はKizunaAIさんの活動において変わらず主軸になっていくんだなと感じました。具体的に今後の音楽活動についてはどう考えていますか?

KizunaAI:そうですね! 音楽は今後の私のメインの活動になっていくと思います。世界中の人に楽しんでもらえるような音楽を作っていきたいと考えていて、そのために活動休止前に出していた“Kawaii Future Bass”のようなインターネット発の音楽に、インディー音楽、バンドサウンド、J-POPなど、色んなジャンルをミックスして、私なりの新しいJ-POPを表現したいと思っています。

――活動再開後、早くも2曲の新曲がリリースされていますが、久々の歌唱はいかがでしたか?

KizunaAI:どちらも以前の楽曲とは全然違うボーカルが求められる曲だったので、それに合わせて歌い上げられるように意識しました。

――歌自体は休止中も続けていたんですか?

KizunaAI:実はスリープ中も歌の練習は続けていました! その成果が出せたなと思っています。

KizunaAI「かもね」Official Music Video

――活動再開後のビジュアルイメージの変化も大きな話題を呼びました。テーマやコンセプト設定はありますか?

KizunaAI:こっちの世界に来て、みんなの近くに住んで活動していくので、それに合ったナチュラルな雰囲気を出していくことをテーマにしています。

――活動休止した2022年の頃と2025年現在、界隈の変化などは感じますか?

KizunaAI:より一層界隈が大きくなって、新しく活躍する子たちも出てきていて、シンプルにすごいなあと感じています......! 同時に、これからどう進化していくのかもとても楽しみです。

――本当に動きの速い業界ですよね。界隈の変化以外に、KizunaAIさん自身の心情の変化はありますか?

KizunaAI:そうですね......。「つながりたい」という根本の思いは変わっていないんですけど、こっちの世界に来て暮らすことで、実際にいろんな人や物に触れる機会があって。これまでとは違う感触、手触り感を通じて「つながる」ことの意味が私の中でも変わってきているなと感じています。

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