『バンドリ!』『アイマス』『ラブライブ!』に続く、新たな二次元×声優のヒットは22/7(ナナニジ)? 新規性と魅力を考察

次なる二次元×声優は22/7(ナナニジ)?

 22/7(ナナブンノニジュウニ)が1stアルバム『11という名の永遠の素数』を7月14日にリリースした。グループが結成されて4年間の集大成とも言える内容で、魅力が十二分に伝わる作品になっている。今年2月にリリースしたシングル『僕が持ってるものなら』がオリコン週間ランキング2位、Billboard Japan Hot 100で8位と好成績を収めており、グループの盛り上がりを感じていたが、今作のチャート成績も好調だ。7月13日付のオリコンデイリーランキングでは初登場2位に、レコチョクとmoraのアルバムチャートとiTunesアニメチャートでは1位にランクイン。オリコンウィークリーチャートでは初登場2位を獲得した。チャートを総なめしただけでなく、売上枚数も5万枚を超えている。そこで本稿では、22/7の新規性や魅力について声優アイドル/アーティストの歴史を振り返りながら考えてみたい。

 声優アイドルの元祖は潘恵子と言われている。1980年代の声優はあくまで裏方であり、声優が自身の顔を出してアーティスト活動をすることは少なかった。それが潘恵子がアーティストとして4枚のアルバムをリリースし、音楽的に評価や人気を集めたことで流れが変わった。同時期には飯島真理は『超時空要塞マクロス』でヒロインのリン・ミンメイ役を務め劇中歌「愛・おぼえていますか」がオリコンウィークリーチャート7位にランクインするヒットになったことや、日髙のり子のようにアイドルから声優になるパターンが見られたことも影響して、声優の音楽活動は増えたように感じる。

 1990年代になると人気女性声優がアイドル/アーティストとして活動することは定番化していく。林原めぐみや椎名へきるなど、チャート上位にランクインして大きな会場でライブツアーを行うことも当然のことになった。2000年代になると水樹奈々のように高い歌唱力を持った声優も登場した。彼女は『紅白歌合戦』に出場したり西川貴教(当時はT.M.Revolution名義)とコラボレーションしたりと、アーティストとしてのイメージが強い人も多いかもしれない。時代はもう少し後になるが、上坂すみれのように実験的な音楽に挑戦する声優も登場している。2000年代には、アイドル声優やアニソンシンガーが新しい音楽ジャンルの一つとして成立し、一つの音楽シーンが構築された。

 2010年代以降はさらに声優の歌手活動が増えてきた。アニメ『けいおん!』がきっかけだろう。女子校の軽音部が舞台の作品で劇中に出てくるバンド、放課後ティータイムとして主要キャラクターを演じる声優が音楽活動をしていた。作品や楽曲の影響は凄まじく、楽器ブームも発生。人気キャラクターの秋山澪(CV:日笠陽子)と中野梓(CV:竹達彩奈)が使用するフェンダーのベースとギターは、主人公の平沢唯(CV:豊崎愛生)が使用するギブソンのレスポールよりも値段が安いこともあり、一時は製造が間に合わないほどに販売台数が増えていた。登場人物の音作りをイメージしたヘッドフォンアンプなど、楽器関連の関連グッズも販売されていた。秋山黄色は『けいおん!』をきっかけに音楽を始めてプロになるなど、放課後ティータイムは音楽業界全体に大きな影響を残した。その後『BanG Dream!(バンドリ!)』関連で声優によるバンドが続々と結成されヒットしたのも『けいおん!』の影響が大きいはずだ。

 大所帯の声優グループが結成され人気を集めたのも2010年代になってからだ。初期から声優によるライブイベントなどを開催してきた『アイドルマスター(アイマス)』シリーズがアニメ化され、楽曲がさらに広まったのもこの時期。また、『ラブライブ!』に登場するスクールアイドルグループ・μ’sは、キャラクターを演じる9名の声優によって実際にアイドルグループとして活動した。『NHK紅白歌合戦』への出場や東京ドームでライブなど、社会現象に近い人気を獲得。その後もアニメシリーズが進むごとにAqours、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会など新しいユニットが結成され、いずれも人気を獲得している。最近ではCygamesのプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』キャストによる「うまぴょい伝説」の人気ぶりも記憶に新しい。また2010年代後半からは麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜によるTrySailのように、アニメ作品とは関わりのない場所で声優がユニットを組み音楽活動をすることも増えてきた。声優アイドルや歌手、アニソンのシーンで新しい流れが生まれている。

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