2021年上半期は混戦期に サバイバルオーディション番組、盛り上がりの鍵は?
また今期は何故か、「ボーイズグループのサバイバル番組」がかなり被ってしまった時期でもあった。『KINGDOM』はデビュー済みのアイドルサバイバル番組だが、日本でもある程度の規模のファンダムがあるグループが参加しており、毎回Twitterの日本国内トレンドでも上位に入っている。SKY-HI主催の『THE FIRST』もほぼ同じ時期に始まったし、さらに強力なライバルとなったのが、2月から4月末〜5月上旬と先行して配信されていた『創造営2021』『青春有你3』の2つの中国のデビューサバイバル番組だろう。特に『創造営2021』は今シーズンのテーマが「国際化」で、日本人練習生が90人中17人を占めており、元ジャニーズJr.や韓国の芸能事務所RBWの日本人練習生、『日プ』参加者やINTERSECTION、WARPS UPといった実力派の既デビューボーイズグループのメンバーが参加したことで、日本でも開始前から注目をあびていた。配信元であるテンセントの海外用アプリ「We TV」で無料で視聴可能、かつ英語や日本語でも積極的なTwitter運用を行っていたこともあり、放送中は様々な国のトレンドに入っていた。『青春有你3』も前回シーズンに引き続きBLACKPINK・LISAがメンターを務めたり、韓国の『PRODUCE X 101』の出演者が参加していたりと、「“プデュ”ウォッチャー層」にアピールする要素は十分だった。両番組ともすでに終了しているが、2021年上半期はまさに「ボーイズグループサバイバルのサバイバル」ともいうべき混戦期だったと言えるだろう。
特に日本の「ボーイズグループ」を好んで見る/応援する層というのは、意外とジャンルごとに分断されておらず、「カケモ(掛け持ち)」が多いように思われる。ジャニーズとK-POP、あるいはLDHやその他のボーイズグループのファンの中にも、時期や状況によってフレキシブルにファンダムを行き来するファン層も少なくないのではないだろうか。そういう意味では、「サバイバルの時期かぶり」というのはないに越したことはないのかもしれない。コア層の割合はシーズンが移動しても変わりにくいと思うが、『日プ』シーズン1や『Nizi Project』のように大きく一般層の間でも話題になるには、配信時間帯や時期、フォーマット的に「なんとなく見やすい」「投票に参加しやすい」ということも先述の②、③両方の層に対する垣根の低さという点ではかなり重要なのではないかと考えられる。
改めて『日プ』シーズン2をGYAO!のアーカイブで見てみると、やはり惹き込まれるものがあって一気に見てしまった。今回はシーズン1とはまた異なるバラエティに富んだ練習生が揃っているし、メンター陣も熱く個性的(個人的にはそちらの方に目を奪われがちだったが)。そして何より、この特有の熱量はやはり“プデュ”というフォーマットならではのものだと感じた。見るタイミングさえ合えば、「ハマる」要素はシーズン1以上にありそうだ。コンテンツの多さに加えて各段階の評価で新しい試みも加わっており、今後ファイナルに向けてより一層盛り上がっていくことを期待したい。
■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
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