“心の中にある陰り”を歌う、Little Black Dress初インタビュー 平成生まれの彼女が歌謡曲に惹かれた理由

LBD、初インタビュー

 シンガーソングライター・Little Black Dressが1stデジタルアルバム『浮世歌』をリリース。「野良ニンゲン」や「双六」などこれまで配信してきた楽曲をはじめ、元・男闘呼組の成田昭次をフィーチャーした「哀愁のメランコリー feat. 成田昭次」、MVで2時間ドラマの帝王・船越英一郎と共演した「心に棲む鬼」などの他、「愛まみれ」や「優しさが刺となる前に」など4曲の新曲を含む全12曲を収録。「幸せに隠れている“陰り”」をテーマに、歌謡曲とロックを融合させた音楽性、信藤三雄が手がけるビジュアルで圧倒的なインパクトを放つ彼女。その原点は、「聴く人の心に寄り添う」というシンプルな思い。一見クールなイメージを持つ彼女だが、これまでの人生を振り返りながらのインタビューから感じられたのは、じつに心優しく力強い、慈愛に満ちた素顔だった。なお、リアルサウンドでは、Little Black Dress特集を展開中。こちらも合わせてご覧いただきたい。(編集部)【※インタビュー最後にプレゼント情報あり】

“心の底から頼り切れる何か”を探していた幼少期

ーーアルバム『浮世歌』は、胸の内にある思いを率直に歌っている曲が多くて、Little Black Dressさんはどういう人生を歩んできた人なのか、生い立ちが気になりました。

Little Black Dress:アルバムに収録されているオリジナル曲のほとんどが10代の時に書いたもので、上京する1~2年前、高校2年生くらいから自分で曲を作り始めて、その頃に書いた曲と、上京してすぐの葛藤の中で書いた曲が収録されていて。それが22歳になった今リリースされるのは、自分の中でも感慨深いものがありますね。書いたばかりの時はすぐにでもリリースしないと、世の中に合わない曲になってしまうんじゃないかという焦りがあって。でも、今こうしてアルバムに入れることになって聴き直すと、書いた当時は「人の心の裏側の闇を暴き出してやろう!」と書いたものが、むしろ今の時代に沿うようになっていて。こういう歌が必要な時代になったという点においては、このタイミングで出すことにして良かったとすごく思います。浮き沈みが激しいこの世の中を映し出した『浮世歌』の曲として、すごくいいんじゃないかと。

ーー10代の頃は「人の心の裏側の闇を暴き出してやろう!」と思って書いていたのですか。

Little Black Dress:理不尽というものに対するモヤモヤがずっとあって。恋愛においても、人間関係においても、仕事においても、愛においても、理不尽ってすごく嫌だなって。人の心をむしばんでいくものだなって思ったんです。

ーー実際に理不尽さを感じた経験が?

Little Black Dress:小さい頃の実体験で言うと、何も悪いことをしていないのに学校の先生から理不尽な対応をされたり、子供同士のイジメもあって。そういうことを経験して、大きくなった時に、自分の心にそれが影響していると思う感覚があったんです。人と接するのが苦手なのは、小さい頃のそういう経験が大人になっても心に棲んでいるからなんだなと。そう思って、子供の心をテーマにして書いたのが「優しさが刺となる前に」という曲です。繊細な子供の心を、大人が守ってあげて欲しい。ちょっと世話焼きかもしれないですけど、そういう思いで書きました。

ーー「野良ニンゲン」の歌詞にも出てきますけど、子供の頃は人とちょっと違っていたり、ハミ出してしまっていたりしたんですか?

Little Black Dress:それこそ「野良ニンゲン」でした(笑)。一人親だった時期もあったので、寂しさはつねにどこかで抱えていて。心の底から頼り切れる何かを探していて、それが私にとって音楽だったのだと思います。

Little Black Dresss 「野良ニンゲン」Music Video(Full Size)

ーーどの曲からも孤独を感じるし、何かを探してもがく姿が浮かんできます。音楽が自分の拠り所となったきっかけや、これだと思った曲はありますか?

Little Black Dress:小さい頃は体が弱くてよく入院していて。それで、宝塚やミュージカルが好きだった祖母が、私の体を強くするためにと4歳くらいから、地元で小さな演劇のスクールに通わせてくれて。

Little Black Dress(写真=藤本孝之)

ーー当時、どんな役を演じたんですか?

Little Black Dress:最初は、シンデレラのうしろでぴょんぴょんしているてんとう虫。その次が、かぐや姫の主役。その次が、みにくいあひるの子が出会う魚の役でした(笑)。でもそれがすごく楽しくて、幼心に「ミュージカルスターになりたい」「宝塚に入りたい」と思うようになって、バレエを習ったりいろいろ模索した結果、「やっぱり歌が好きだ」というところに落ち着いて。いろいろなオーディションを受けているうちに高校生になって、たまたま親戚のおじさんからギターをもらったんです。モーリスのヴィンテージギター。

ーーいいギターじゃないですか。

Little Black Dress:それで弾いてみたら、みんな苦戦して挫折すると言われているFコードをすんなりと弾けてしまって、「私、素質あるかも!」と。ハマったらとことんハマってしまう性格なので、学校から帰ったら制服のままご飯も食べずに何時間も弾いてそのまま寝落ちして、みたいな日々を送るようになって。その後、母の知り合いが勤めていたライブハウスを紹介してもらい、最初はカバーでライブ活動を始めました。また別の知り合いの方に紹介いただいたライブハウスのオーナーさんから、「自分の曲を書いてみなよ」と言ってもらったのがきっかけで、曲を書き始めるようになったんです。そのオーナーには、上京直前まで応援していただきました。いろいろ音楽は聴いていましたけど、自分が聴きたいと思う音楽がなかなか無くて、じゃあ自分で作っちゃえばいいんだと思って、それでノートに「テーマ=誰かの心を救う」と書いて、自分で作るようになりました。

ーーデビューのきっかけは、MISIAさんのライブで前座を務めたことだそうですが、その時の経緯は?

Little Black Dress:先ほどいろんなオーディションを受けていたとお話しましたが、当時受けたオーディションの一つがきっかけで、高3から上京してレッスンも受けられる学校に通ったんです。そこで私一人の”ワンマン校内オーディション”が行われたことがあって。そこに今の事務所の社長がいらしていて、その日のうちに「5日後に奈良の春日大社でMISIAさんの『Misia Candle Night Live』というライブがあるから、オープニングアクトで出てください」とお話をいただきました。「5日後ですか!」って驚いたんですけど、ギターの弾き語りで2曲歌いました。

ーーその春日大社がきっかけで、MISIAさんの現場を経験させてもらうようになって。

Little Black Dress:はい。そのライブ後に今の事務所でお世話になることになったのですが、事務所の社長が、いろんなことを実際に見て経験させてくれて。その一環でMISIAさんの現場にも伺わせていただけるようになり、バンドのリハーサルやレコーディングの見学をしながら、お茶くみなどお手伝いをさせていただいていました。

ーーその時学んだことは?

Little Black Dress:人の気持ちを考えることです。自己満足のために生きるのではなく、誰かのために動くにはどうしたらいいか、つねに考えながら行動する。それは音楽活動においても、人生においても大切だと学びました。

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