YURiKAに聞く、『呪術廻戦』OP&EDの魅力と『神様になった日』麻枝准楽曲への愛「アニメを見ることで歌詞を深く味わえる」

YURiKA『神様になった日』麻枝准楽曲への愛

 『YURiKAのアニソン最前線』第3回は、『呪術廻戦』と『神様になった日』をピックアップ。怪奇ものは苦手というYURiKAだが、本編とはギャップのある音楽に光るものを感じたという。また『神様になった日』は、YURiKAが愛してやまないKeyの麻枝准が原案・脚本、作詞作曲も手がけている作品。Key作品の最新作という位置づけで、YURiKAらしい視点から同作の音楽について語ってもらった。そしてYURiKAが選んだ2020年のベストアニメは?

ALIの音楽がハードな本編をマイルドに

YURiKA
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ーーまずは『呪術廻戦』ですが、こういう系統の作品を選んだのは初めてじゃないですか?

YURiKA:これは自分の好みの問題で、怖いのはあまり得意ではないので「そこに行くのか!」と思った方も多いと思いますけど(笑)。Netflixで「今日の総合TOP10(日本)」の2位とか3位とかに挙がっていてすごく人気も評価も高かったので、新規開拓してみようかなと思って。内容はちょっと怖いですけど、音楽がすごく良いんです。もちろん原作も人気ですけど、楽曲から入った人も多いんじゃないかって思います。私自身がそうだったので。

 それに今期のアニソンを調べたら、私が調べた範囲では、女性声優さんのキャラソンや、女性アーティストさんや女性声優さんが歌われているものが多い印象で。『おちこぼれフルーツタルト』『アサルトリリィ』『安達としまむら』などなど、女性声優さんのキャラソンが目立っている中で、『呪術廻戦』はオープニングもエンディングも男性アーティストで、それが異彩を放っていると思って。

廻廻奇譚 - Eve MV

ーー『ハイキュー!!』などシリーズものでは男性アーティストの曲もありますけど、ほとんどシリーズものですからね。確かに新作という点では、女性が歌っているものが多いかもしれない。オープニングはEveさんの「廻廻奇譚」で。

YURiKA:ハイトーンで、ピンと張っていてきれいな声をされていて。きっといろんな声が出せるんだろうなと感じます。『呪術廻戦』はバトルシーンが印象的なアニメ作品で、そんな中で楽曲にはヌキ感があって。単にバトルものだからと熱くジャカジャカやるわけではない。それは意外性でもあり、作品に寄り添っている部分でもあるなと思いました。実際にまるまる全部怖いのかな、グロいのかなと思っていたんですけど、決してそうではなくて。日常のギャグ要素もあって、それとはギャップのある戦いの格好良さもあって、すごく緩急があって、ハラハラドキドキワクワクしながらの30分という感じです。

ーーヌキ感という部分ではエンディングテーマで、ALIさんの「LOST IN PARADISE feat. AKLO」が最高ですね。

YURiKA:はい。ALIさんと言えば私が1期でエンディングテーマを担当させていただいた『BEASTARS』で、オープニングテーマ「Wild Side」を担当されていて。その時も思ったんですけど、ALIさんは独自の世界観を持っていて、アニメ作品の方向性に引っ張られすぎず、バンドの世界観とアニメの世界観を、本当に見事に融合されていると思います。

TVアニメ『呪術廻戦』ノンクレジットEDムービー/EDテーマ:ALI「LOST IN PARADISE feat. AKLO」

ーー「LOST IN PARADISE feat. AKLO」はディスコっぽいビートで、ジャズもヒップホップも入っていて。

YURiKA:グルーヴ感が独特で、たとえばカラオケでこの曲を歌っても、あのグルーヴは絶対真似できませんね。エンディングテーマと一緒に流れる映像もおしゃれで今っぽいし、けっこうハードな展開の本編をマイルドにしてくれています。

ーーエンディングの映像で、キャラクターが私服で踊っているのも、本編と良い意味でギャップがあって。

YURiKA:キャラ好きの人は「私服は何を着てるんだろう」って想像するのが楽しかったりするので、ああいう映像はうれしいです。あと劇伴には、9月に解散してしまったsora tob sakanaのプロデューサーで、ハイスイノナサの照井順政さんも参加されているんです(堤博明・桶狭間ありさとの連名)。照井さんにはアニメ『宝石の国』のオープニング主題歌「鏡面の波」の作詞・作曲・編曲をしていただいたことがあって。私自身が照井さんの音楽のファンでもあるので、オープニングとエンディングだけではなく劇伴というところでも注目しています。いずれサントラ盤が発売されるかはわかりませんけど、「ここは照井さんが作ったのかな?」と、想像しながら見るのもすごく楽しいです。

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