スペースシャワー主催『DRIVE-IN LIVE PARKED』、生音の体感と感染拡大防止を両立させるライブに 絶賛の声が相次ぐ理由

スペースシャワー主催『DRIVE-IN LIVE PARKED』、生音の体感と感染拡大防止を両立させるライブに 絶賛の声が相次ぐ理由

 10月17日、18日の2日間にわたり、スペースシャワー主催の『DRIVE-IN LIVE PARKED』Vol.3、Vol.4が、山梨県・山中湖交流プラザ きららにて開催された。

 車に乗ったままライブを楽しめる“ドライブインライブ”は、コロナ禍における新たなライブの形式として、元々海外で行なわれていたが、8月には大阪府・万博記念公園『Grand VIEWTY 2020 Drive in Concert』や、千葉県・ロングウッドステーション『DRIVE IN FESTIVAL 2020 VOL.1』などが開催され、日本国内にも少しずつ広がっていった。これまでのドライブインライブは、カーステレオを通してライブの音楽を聴いて楽しむのが主流であったが、スペースシャワーによる『DRIVE-IN LIVE PARKED』は、ライブの生音が聴けることが大きな特徴だ。車の前に指定サイズのレジャーシートを広げ、その内側を鑑賞スペースとすることで、車外でもソーシャルディスタンスを確保したまま生音でライブを楽しめる。ライブの醍醐味である生音の体感と感染拡大防止との両立は、音楽ファンが今最も強く求めていることであり、その実現はシーンにとっても大きな前進だったに違いない。他にも、Go To トラベルキャンペーンの東京都除外措置の解除を受け、宿泊プラン付きの特別チケットを販売し、観光とライブを一度に楽しめる贅沢なプランを展開するなど、この状況下ならではの楽しみ方を提示した。

 さらに、本イベントの主催者であるスペースシャワーが立ち上げたオンラインライブハウス『LIVEWIRE(ライブワイヤー)』でのライブの生配信も実施。現地に足を運べなかった音楽ファンにも、感動的な美しいライブ映像を届けた。この配信映像を見れば一目でわかるのだが、出演した4組のアーティストたちは本当に楽しそうでイキイキとしていた。そして集まった観客たちも、クラクションやカーライトなど、ドライブインライブならではのやり方でアーティストが奏でる音楽へのレスポンスを返し、貴重な生ライブを心から楽しんでいたようだ。その証拠にライブ後のSNSには、本イベントを絶賛する声が溢れていた。

 ここからは、各アーティストのライブについても簡単にレポートしたい。1日目の10月17日は、普遍的で良質なポップスを届けるバンド・never young beach、通称ネバヤンのステージから幕を開けた。「色々あったと思うけど、今日は雨も降ってるけど楽しんでいってください!」と安部勇磨(Vo / Gt)が白い息を吐きながら煽ると、懐かしさすら感じる歓声と拍手が会場のあちこちから湧き起こり、メンバーたちも嬉しそうな表情を浮かべる。

 心地よくてどこかチャーミングなギター、弾むように軽やかなリズムのドラムとベース、繊細で優しいコーラス、そして穏やかでありながらも時折情熱的になる歌声。それらが混ざり合うネバヤン独特の解放的な空気と良質な音楽が、壮大な自然の中に溶け込むように広がっていく。小さな雨粒が照明の光に映し出されるという天然の演出を通して見るステージも、とても美しかった。ライブ終盤では車内にいる観客たちも、カーライトを光らせクラクションを鳴らすことでレスポンスを返し、ライブを楽しんでいるという意思表示をステージに届ける。そこには、ドライブインライブならではの一体感が生まれていた。

 2組目は、今年で25周年を迎える3人組バンド、clammbon。彼らが登場した頃にはすでに日が落ちており、原田郁子(Vo/Key)の透き通るような歌声が夜の景色に漂う。彼らの醸し出す浮遊感のある幻想的な空気を堪能していると、まるでプラネタリウムの中にワープしたような気分になる。静かに始まったステージは、ライブの盛り上がりに合わせて少しずつ熱が高まっていく。

 中盤でその高まりがピークを迎えると、鍵盤の不協和音と伊藤大助(Dr)の激しいドラムに合わせ、ミト(Ba)がベースを勢いよくアンプに叩きつけた。冷たい雨の降る大自然の中で見せつけられた静かな情熱が溢れるステージに、思わず胸が熱くなる。最後の曲を終えてステージを去ろうとする彼らに、観客たちは別れを惜しむように何度もクラクションを鳴らしていた。

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