indigo la End、現実と非現実を行き来するような音楽世界 屋外無観客中継ライブ「ナツヨノマジック」レポート

indigo la End、現実と非現実を行き来するような音楽世界 屋外無観客中継ライブ「ナツヨノマジック」レポート

 indigo la Endが8月8日、屋外無観客中継ライブ『indigo la End 10th Anniversary Visionary Open-air Live「ナツヨノマジック」』を開催した。10周年を記念して行われたこのライブは、屋外会場から中継。“Visionary”(幻想的な、非現実的な)という言葉が示唆する通り、作り込まれた映像演出、そして、現実と非現実を行き来するような音楽世界が一つになったステージが繰り広げられた。

 今回のライブは、演奏の合間に女性を主人公にしたこれまでのMusic Videoを使用した映像が挿入される形で展開。冒頭の映像では、夏の夜景と切ない表情の女性が映し出される。〈ラララ歌わせて〉〈夏が終わる前に〉とindigo la Endの楽曲の歌詞が朗読され、映像と言葉が織り成す叙情的な物語に浸っていると、画面はライブ会場に切り替わり、ライブがスタート。メンバーの川谷絵音(Vo/Gt)、長田カーティス(Gt)、後鳥亮介(Ba)、佐藤栄太郎(Dr)、サポートのえつこ、ささみおが円を描くように立ち、最初の楽曲「夜汽車は走る」が演奏されると、心地よい高揚感が一気に広がった。さらに美しいハーモニーと力強いドラム、切なさと愛しさが絡み合う歌詞が重なる「想いきり」、ゆったりとしたグルーヴと高速のビートが交互に訪れるアレンジのなかで、繊細に揺れる恋愛感情を描いた歌詞が響く「はにかんでしまった夏」などを披露。このバンドの特徴である、緻密に構築されたアンサンブル、そして、恋愛の痛み、悲しみ、美しさをリリカルに表現した歌をたっぷりと味わうことができた。

 円形のステージの周りには大きな布が何枚も吊るされ、幻想的なライティングとともに切なさ、寂しさが滲む楽曲のムードを増幅させていた。メンバーの表情や手元のアップから、上空から撮影された夜景まで、多彩なアングルと構図を効果的に交えた映像も見事。楽曲が描き出す恋愛の情景も重なり、まるで映画を見ているような没入感が得られた。コロナ禍以降、数多くの配信ライブが行われているが、ここまで“入り込める”コンテンツは稀だと思う。

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