HOWL BE QUIET、コアラモード.、indigo la End……TikTokで再注目される楽曲の特徴は? “イメージの湧きやすさ”が鍵

HOWL BE QUIET『Mr.HOLIC』

 TikTokでHOWL BE QUIETの「ラブフェチ」が注目を集めている。TikTok内で楽曲使用された動画の視聴数は100万回再生を超えた。〈歴代の元カレたちよ/あの子と出会うのが少し/早かったぐらいで 結局は/今 一緒にいるのは僕ですよ〉というフレーズに合わせ、自身の恋人や婚約者などのパートナーを紹介する動画で人気になった。

 TikTokは「口パク動画」や「踊ってみた動画」が投稿の中心だ。自身のパートナーを紹介する動画は珍しく、注目されやすい。投稿する場合も気軽に真似ができる。そのため急激に再生数と投稿数が伸びたのではないだろうか。また楽曲の知名度が上がったことで「ラブフェチ」を使用した踊ってみた動画も登場したりと動画のバリエーションが増え、再生数はさらに伸びている。

 「ラブフェチ」は2017年に発表された楽曲だ(アルバム『Mr.HOLIC』に収録)。最新曲ではない。TikTokに投稿するユーザーはリリース時期やヒット曲かは気にせず「動画のイメージが湧きやすい楽曲なのか」に注目しているように思う。そのためリリースから月日が立っている楽曲が突如バズることがあるのだ。

HOWL BE QUIET – ラブフェチ[Official Audio]

 コアラモード.の「さくらぼっち」は、2016年のリリースから2年後の2018年にTikTokをきっかけにバズった。サビの歌詞に合わせてペアでダンスをする動画が多く投稿された。友人と一緒に動画投稿をして楽しめるということもあり投稿が増えたのだ。〈なんだか会いたくなっちゃった〉というサビの歌詞が仲の良い友人と踊るシチュエーションと合致していたのだと思う。以前はJ-POPを使ったペアダンス投稿は少なかった。そのため新しさがあったこともバズった理由の一つだ。

コアラモード. 『さくらぼっち』Music Video

 2015年に発表されたindigo la Endの「夏夜のマジック」は、2019年にTikTokでバズった楽曲だ。〈今日だけは夏の夜のマジックで〉という歌詞に合わせ、動画にエフェクトをかける投稿が急増した。これらの動画は日常を切り取った姿の動画が多い。それに魔法がかかったことを表現するようなエフェクトをかけることで、ショートムービーのような動画になる。それを多くのユーザーが真似することでバズに繋がった。

indigo la End「夏夜のマジック」

 誰でも簡単に真似しやすく、今までになかった新しいタイプの動画はバズりやすい。「ラブフェチ」「さくらぼっち」「夏夜のマジック」が使用された動画は真似しやすく、今までになかった新しいタイプの動画だった。そして動画のアイデアを引き出した楽曲も同様に注目され、TikTok以外でも聴かれた。

 コアラモード.「さくらぼっち」はTikTokでバズった後にLINE MUSICの「BGM着うたトップ10」で第3位にランクインした。indigo la End「夏夜のマジック」は公式YouTubeチャンネルのMV再生数が急上昇し、1000万回再生を超えた。TikTokの動画をきっかけに、オリジナルの音楽コンテンツも気に入り聴くようになったTikTokユーザーが多いこともわかる。

 TikTokの影響力を利用し、マーケティングの一環として利用するアーティストも増えている。きゃりーぱみゅぱみゅは過去に2回コラボレーション企画を実施した。2018年に行われた「きみのみかた」のコラボ企画は、TikTokのデュエット機能を使いきゃりーぱみゅぱみゅと動画上で共演できるというもの。この企画では投稿動画が35,000件を超えた。2019年の「きみがいいねくれたら」ではプレゼント企画を実施している。楽曲を使用した投稿の中できゃりーが最も良いと思った投稿者には、本人と一緒にTikTok撮影ができる権利が与えられた。

きゃりーぱみゅぱみゅ – きみのみかた , KYARY PAMYU PAMYU – Kimino Mikata
きゃりーぱみゅぱみゅ – きみがいいねくれたら , KYARY PAMYU PAMYU – KIMIGA IINE KURETARA

 岡崎体育「なにをやってもあかんわ」もアーティスト企画がきっかけでバズった曲である。岡崎体育が出演しているテレビ番組『テンゴちゃん』(NHK総合)で、同曲に合わせた腹太鼓ダンス動画を「#腹太鼓ダンス」をつけて投稿するように呼びかけたのだ。番組では、投稿されたなかから一部を紹介する企画を行い、それによってTikTokへの投稿が急増した。「腹太鼓ダンス」という今までのTikTok投稿にはなかったダンスで、簡単に真似できることもあり人気は続き、企画終了後も投稿が続いたのである。バズが年間を通して続いた結果、2019年のTikTok年間楽曲ランキング1位になった。

岡崎体育 『なにをやってもあかんわ』 Music Video

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