ジェイムス・ブレイク、ボノ、エルトン、テイラー......自宅配信などで新型コロナウイルスの脅威に立ち向かう海外ミュージシャン
全世界で猛威をふるっている新型コロナウイルス。その影響は政治や経済だけにとどまらず、音楽の世界にまで波及している。開催予定のライブやイベントは軒並み延期や中止を余儀なくされ、残念な気持ちを抱いている方も多いのではないだろうか。ライブやイベント自粛の動きは日本国内だけでなく、世界各地でも起こっており、数多くのアーティストが表現の場を失っている。
例えば、アメリカ・カリフォルニア州で4月に開催予定だった世界最大規模の音楽フェス『Coachella Valley Music & Arts Festival』が10月に延期され、イギリスの老舗音楽フェスで今年50周年を迎えるはずだった『Glastonbury Festival』は中止となっている。
このような暗いニュースが飛び交う中、ライブ配信を新たな表現の場として活用するミュージシャンが増えてきているようだ。中でもInstagramのライブ配信機能を利用するアーティストが多く、気軽に自宅から配信を行っている。イギリスのシンガーソングライターで音楽プロデューサーのジェイムス・ブレイクは自宅からピアノの弾き語りをInstagramで配信しており、ラフな雰囲気とは裏腹に緊張感のある繊細な歌声を届けてくれた。自身の楽曲だけでなく、ビリー・アイリッシュの「When The Party’s Over」やRadioheadの「No Surprises」などカバー曲も数多く披露されファンを唸らせた。
オーストラリアのシンガーソングライター、ステラ・ドネリーもInstagramからライブ配信を行った一人だ。いつも通りの無邪気な笑顔でカメラの前に登場した彼女はアコースティックギターを片手に「Tricks」など数曲を演奏。スマートフォンで配信しているがゆえの狭い画角の隅々まで動き回る姿と溢れんばかりの生命感に満ちた歌声に元気づけられたのは筆者だけではないだろう。
Instagramから新曲を届けてくれたのはU2のフロントマンで活動家のボノだ。外出禁止が続くイタリアの人々に向けて、最前線で働く医療関係者への励ましのメッセージと共に新曲「Let Your Love Be Known」を演奏する動画を投稿した。
自宅待機を呼びかけるInstagramのハッシュタグ「#TogetherAtHome」にも多くのアーティストが賛同し、パフォーマンスを投稿している。イギリスのロックバンド・Coldplayのクリス・マーティンや、アメリカのR&Bシンガー、ジョン・レジェンドもこの呼びかけに応じ、自宅待機を応援しながらアコースティックセッションを届けてくれている。